蝉の生涯は1週間と俗には言われる

しかし本当のところは1ヶ月近く生きる種類もいると言う


とは言え人間の寿命と比べるとはるかに短い

それなのに毎年毎夏現れては

同じように騒がしく鳴いている

なんの訳があってそんなことをしているのか


そんなことを思ってふと気付いた

人間も同じかもしれない


寿命の長さが違うだけで

ただ確率論的にこの世に生を受け

確率論的に生き長らえて

飲んで食べて息をして

騒がしく鳴く蝉のように

僕らは疑うことなく言葉を話し

誰かと喋る

そして誰しも いつか死ぬ


この世に生を受けたからには

何かしら「真の理由」があると考え

それを探し求めて生きているが

僕らは蝉と同じなんだ


僕らにとっての1ヶ月が過ぎるまで

飲んで食べて、息をするだけ

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