第25話 クリスティーナの魔法個別指導で精神力を消費する
「だーかーらあ! 雷が広がって、バチバチするイメージだよ! 巻き込む感じ! 単発ビリビリじゃないの!」
「やっていますわよ! ムキになるなんて子供ですね!……おーほほほ! わたくし以外は、お疲れちゃんな存在。
褒めてないのに。
笑ってる場合じゃなくてよ? 日も傾いてきたし。
「おっよよ!? ソージ、まだヤッテたのおー? 求めすぎちゃ、パン娘の体、もたなそうだよー? あはっ!」
「誤解を生じる表現、止めてよね! アイさん!」
朝食を共にしたアイさんが屋敷に帰宅してきたのか。
時間が過ぎるのが、あっという間だな。
「ええー? そんなつもりは皆無なんだけどおー?……ソージが勝手に妄想を
「具体的にどこが
急襲である。
アイさんの立派に育ってる。
主張している、胸肉! じゅる、じゅるり!
「ゆ、油断してたぞ、あはん!? こ、こら、がっつくな!?」
「ご
……アイさんが挑発したんだ!
いたいけな男子達の復讐です。
「そ、それ以上、揉むな!?……あたしがソージとまぐわっちゃうぞ? あはっ!」
「直接的表現も
予想外の発言におののき、のけぞる。
……どこまでが本気なのか、判別できないぞ!?
あはっ娘め!
「アイ? ソー坊を困惑させてるのかい?……バトルアックス相手に稽古をしたいのか? うふふふ!」
「こ、今回は、ソ、ソージが元凶だぞ!? あたしは被害者なのに!?」
日頃の言動が裏目に作用したのだ!……人の事を指摘できませんが。
「だだいま、ソー坊。……覇気がないねえ。パン娘との修行は……聞くだけ野暮ってもんだね。アイより、あたしが応援してやるよ」
「おかえりなさい……メジスト姉さん。ふにゃー、ハグされてますうー、ぐへへへ!」
圧倒的、質感! ダメになっちゃうよー!
姉さん女房、ここに極まれり!
「ソージ、この色欲の権化! わ! た! く! し! を! 忘れているのですか! さあ、続けますわよ。アイ、メジスト? 屋敷に戻ってくださいます? ふぬう!」
「……忘れたいけど、忘れさせてくれないだろうが! げえー!? まだやるのお!? 今日は切り上げようよ?」
上手く行かない負のスパイラルに突入してる。……無理に修行してもなあ。
「だあああ! 夕食の時間までだぞ。明日に響くからな!」
「おーほほほ! 合点承知ですわー! 愉悦、愉悦、ご満悦~!」
「相変わらず情けないですわね。体力をつける運動をなさったら?」
「無駄に体力ある奴のセリフだよ。クリスティーナ号、出航ですわー!」
わたくし、ばたんきゅーですの!
屋敷まで、一歩も動けませんわ。
あら? クリスティーナ、背負って運んでくださるの?
うふふふ! 重いですのに……たくましい、お方!
「どうにも、習得できないな……別種類の電撃魔法も思案しておこうかな」
「しょ、初日は、こんなものでしょうに!?……あくまで、最終手段ですわね。まだまだ、ですわー!」
ガッツがありすぎる。体力もな。
「……まったく、たいした根性だよ。クリスティーナ」
「なにか、おっしゃいましたの?……わたくしを恥ずかしめようと
あんな事、こんな事。
クリスティーナにやっちゃうかも!?
「現在進行形、お胸が隙だらけですの! 後ろからパンを失礼しまーす。もちもち、ふわふわに焼きあがりました!」
「ソ、ソージ!? う、うしろからあー!? いやあん、らめえ、こねないでえー!?」
このパン屋さんを常連にしたいです!
すたんぷかーど作ってくれますか?
クリスティーナおねえちゃん!
……雨の日は、すたんぷ倍なの? やったー!
たくさん集めて、おねえちゃんの笑顔もたくさん集めるんだ!
「あんん!? いい加減に!?……あっ、勢いがつきましたわね……振り落としてしまいましたわ」
「おねえちゃんのパン世界一!……ぐあああ!? 受け身が取れない!? 落ちるうう!?」
勢いよく、クリスティーナの背中から。
ゴミの様に転げ落ちる。
僕は、また、あのパン屋に行くんだ。
こんな所で。
クリスティーナおねえちゃん……はつこいのおんなのひと。
そうまとう?……えがお、だいす……き。
「旦那様?もし、もし?」
「ご主人さまー?」
「ソージ君?」
「およ? ソージ?」
「ソー坊?」
「……おほほ、ソ、ソージ?」
「パンが食べたい、無性に。……うーん、あれ? みんな?」
体のあちこちが痛い。記憶も、おぼろけである。
「旦那様が玄関付近で力尽きていたらしいですわ。……クリスティーナごときに
「クリスティーナにおんぶされた時は、記憶にあるけど。そうか、能力を使用しすぎたのか。迷惑かけたな。クリスティーナ、ありがと!」
素直にお礼を言っておかないとな!
恩知らずには、なりたくないし。
「い、いえいえ。お、教えていただいてるのは、わたくしですからね!? ざ、雑に、扱うのは、寝起きが悪いですから!? おほほ!?」
「クリス?……怪しいです。態度が、まともです!」
修行を付き合ってる事に引け目を感じているのか?
……
「ソージ君、今日は、ありがとうございました。もっと魔法の発動をスムーズに出来るように
「サーヤは、しっかり者だね。うんうん、どういたしまして。スライム君も、大変、助かりました。ゆっくり、休んでね?」
お腹空いたー。夕食はパンが食べたい。
あれ? 俺、こんなにパン好きだったけ?
「さ、旦那様、夕食にいたしましょう? ご要望のパンも用意してありますわ」
「やっほー! パン、パン、パンのおねえちゃん?……頭でも打ったのかな?」
「ソ、ソージ!? あまり深く考えない方が、よろしくて!? まだ、混乱しているのですわ! カナ、夕食の準備を。みなさん、席に着くのですわー!」
テキパキと指示をする。
……ま、クリスティーナを無理に心配させても、しょうがない。
気にしない、気にしない。
「だから、クリスのメイドじゃないもん! ぷんぷん!」
「ソージ? 一人で勝手にイッチャダメー!……だぞ? あはっ! あははは!」
「メジスト姉さん、ご苦労様でーす!」
「どう考えても、アイー? お前の
夕食前に、運動か。
カロリー消費できて良いね、アイさん!
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