第74話 台風の日

 夕葵


 9月の末、一般の方も参加する大きな弓道の大会が県外で催される。

 本来であれば明日の大会に備えて、今日は弓道部のみんなでバスで会場まで向かうはずだった。しかし、私は今日どうしても外すことのできない所用があったので遅れて電車で出発することになっていた。だが――


『台風××号は進路を大きく変え本州を横断します。台風の接近にともない、各種交通機関に影響の出ており──』


 テレビを確認した時にはすでに開催地までの電車やバスの運休は停止してしまっていた。明日には晴れると天気予報では言っているが、会場まで始発の電車とバスを利用しても開催時間までに間に合いそうにはなかった。


『家で待っていてください。迎えの先生がそちらへ向かってくれています』


 そう柳先生は言っていたが、こんな雨風の激しい中を迎えに来てもらうのは心苦しいものがあった。おばあ様は、昨日のうちに他県の実家の方へ戻っており、今は家に私しかいない。


 強風が窓を揺らし、雨が屋根を激しく打ち付ける。照明をつけても部屋の中がどこか暗く感じる。

 誰もいない家にちょっとした恐怖心を覚えた。


 ――ピンポーン


 我が家のインターフォンが鳴り響いた。

 迎えの先生だろうか。私は荷物を持ち玄関へと向かい扉を開けた。


「こんにちは。夕葵さん」

「え……あ、歩先生!?」


 ――ど、どうして家に!?


「柳先生から頼まれてね。迎えに来たよ」

「も、もしかして、歩先生が私を送っていただけるんですか?」

「柳先生に頼まれたんだよ。運転は俺で不安だと思うけれど」

「そ、そんなことはないです。ありがとうございます!」

「いいよ。俺だって特に予定があったわけじゃないから。荷物を車に積み込もう」


 そういうと、私の手から荷物を取り上げ車へと向かっていく。

 弓道の道具はすでに会場に向かったバスと一緒に持って行ってもらったので、あのカバンにあるのは日用品だけだ。私はこれからのことを考えてそこから動くことができないでした。


 ――あ、歩先生と2人で何時間も……。


 開催地までのドライブ。

 2人っきりの車内で長時間一緒に過ごす機会なんて考えたことがなかった。いったい何をどうすればいいんだろうか!?


「夕葵さん?」

「あ、はい! すぐに伺います!」


 勧められるがまま、私は先生の車に乗り込む。

 私がシートベルトをしたのを確認すると歩先生はアクセルを踏み込み、車は目的地に向かって長い距離を走りだした。




「夕葵さん。そこの袋の中に飲み物買ってきてあるから好きなのを選んで」

「あ、はい」


 助手席の足元にコンビニの袋が置いてあった。そこから、私はお茶を取り出しいただくことにする。


「では、お茶をいただきます。先生は何か飲まれますか?」

「なら、俺もお茶を」


 先生は私の方を見ずに、同じ銘柄のお茶を受け取るとセレクトレバーの中央にあるドリンクホルダーに差し込んだ。私は一口お茶を口にしてドリンクホルダーに差し込んだ。


「先生。今日はすいません。こんな日に」

「別にいいよ。歩波から解放されて気が楽だし」

「そういえば、今日は歩波さんはよろしかったのですか?」

「ああ、あれの面倒は大家さんに頼んでおいたから。付いて来ようとしたけれど、置いてきた」


 そんな風に言うけれど、きっとこんな日に外出させるのが心配だったんだろうな。話を聞けば今日は観月の家に泊まらせてもらうのだとか。


 そんな話をしているうちに車は高速道路に入った。

 進むにつれて雨はどんどん激しさを増し、風も激しく車体を打ち付ける。雨風の影響か高速道路を通っている車の数もあまり多くはない。


「もう台風の時期も終わったかと思ったんだけどなぁ」

「最後に特大のがやってきましたね」


 ラジオからは避難勧告も出ている区間もあるという。今回の台風は速度は速いが勢力は強い。


「でも、本当に今日はありがとうございます」

「もう何度も聞いたよ。教え子が困っているんだから助けるのは俺の役目だ」


 それでも感謝しかありません。

 先生は、ドリンクホルダーに差し込んだペットボトルを取り、口に含む。


 それを見たときに私ははっと気が付く。


 先生がさっき飲んだお茶は私が飲んでいたお茶だった。

 このドリンクホルダー上下についているものだから、運転席と助手席のどちらの人間の物かわかりにくい。

 先生はずっと運転に集中していたみたいだから気が付いた様子はない。何事もなかったみたいにドリンクホルダーに戻した。


 ――か、間接キス……。


 いや、何を動揺しているのだろうか。

 以前も先生の使ったスプーンを使わせてもらったではないか。

 だが、あの時は一応先生は、簡単に洗ったのを貸してくれた。

 それにこのお茶は先生が私にくれたお茶であるわけで、だったらそれは私が飲んでもいいはず。そんな下心で口をつけてもいいのだろうか。


「夕葵さん」

「は、はい! なんでしょうか!?」


 悶々としていたところに声をかけられて、私は不自然に声が大きくなる。

 うぅ~……何をやっているんだ私は。


「もうそろそろ昼食の時間だ。サービスエリアでご飯を食べよう」


 サービスエリアへと入ると、先生は私が濡れにくいように建物の近くで降ろしてくれる。少しの間待っていると先生が走って私の方へと向かってきた。


 建物の中に入ると、こんな雨の日に外出する人はいないのか閑散としている。売店にはほとんど人はおらず、レストランにあるテレビの音が大きく聞こえてくる。


「まだまだ、止みそうにないな」


 レストランで簡単な食事を済ませて、外へ出る。

 たった30分でそんなに変わるわけがないのだけれど、まだまだ雨は止みそうにない。


 先生が再び車を走らせる。

 フロントガラスを打ち付ける雨で前が非常に見にくくなり、高速道路でも車のスピードはどんどん落ちていく。先生も運転に集中しているようで話をするような余裕はなさそうだった。


 会話もなくなった車内。

 響くのは台風情報を伝えるラジオの音と車体を打ち付けている雨の音だけだ。


 ◆


 朝に柳先生から連絡をもらった時は何事かと思ったが、夕葵さんの送迎を頼まれるとは思っていなかった。

 全く知らない先生では夕葵さんも落ち着くことができないという理由で俺が選ばれたらしいのだが、普段から歩波の面倒を見てくれている彼女の力になってやれるのであれば、これくらいはお安いごようだ。


 今回の交通費などの費用はすべて学園側で支払ってくれてるそうだ。

 軽い気持ちで引き受けてはみたが、この天気の中で彼女を無事送り届けてあげられるか少し心配になってきた。


『台風の影響により、一部道路が冠水し通行ができなくなっているようで……』


 いやなニュースが聞こえてくる。

 ラジオで情報を集めながら、俺は目的地まで車を走らせた。


 ◆

 観月


「ごちそうさま。とっても美味しかったです」

「お粗末様。口にあったようで何よりだわ」


 今日は、歩波がウチに泊まりに来て夕飯が終わったところだった。

 そのまま、アタシと2人で食事の後片付けをする。

 歩波の不器用さは歩ちゃんから聞いているから、アタシが拭いたものを食器棚に戻す仕事を任せた。


 今日は歩ちゃんが出張ということで家に歩波が一人だけになってしまうから預かっていてほしいということだ。歩ちゃん、けっこう過保護だなー。


 後片付けが終わって、リビングに戻る。


「歩波ねえちゃーん」


 陽太が満面の笑みを浮かべてアタシたちの方へ駆け寄ってきた。


「どうしたの? 陽太くん」

「ゲームしよ、ゲーム!」


 歩ちゃんの妹ということで、陽太はすぐに歩波になついた。

 歩波も末っ子だからか、年下の陽太をかわいがってくれている。


「こら。ゲームは夕方の6時までっていう約束でしょ」

「だって、ずっと台風の事ばっかでつまんないもん」


 テレビを見れば確かに台風の情報ばかりが流れている。

 こっちはだいぶ風も穏やかになってきた。

 けれど、歩ちゃんがむかった地方の映像で風で木が折れたり、車が横転したりしていた。


「……歩ちゃん、大丈夫だよね」

「さっき連絡があって、ホテルに着いたみたいだから大丈夫みたい。また後で連絡してみるよ」


 その知らせを聞いてほっとする。

 歩波も少し安心したような顔をしている。


「でも、今日はありがとね。泊めてくれて」

「ううん。アタシも友達を家に泊めるの初めてだから、楽しいよ」


 上はアパートだから、騒がしくならないようにあまり友達を呼ぶようなことはしたことはないけれど。雨風も強いし今日くらいはいいよね。


「みんなでお泊り会とかやってみたいね」

「それいいかも。ウチの両親が引っ越して来たら今度はウチでやろう!」


 ◆


『そうですか。道が……』

「はい、交通規制がかかってしまっていて今日中にそちらに着くのは難しそうです」


 車を近くのコンビニに停め、柳先生に電話をかけていた。

 隣では夕葵さんが難しそうな顔で外を眺めている。


 道の冠水、土砂崩れなどで交通が制限されてしまい、今日中には会場近くのホテルに着くことが難しいことを伝える。


「明日にはそちらに向かうことができるようです。今日は近くのホテルに泊まらせてもらっても大丈夫でしょうか?」

『わかりました。では、料金は後日お支払いいたしますので領収書をもらっておいてください』


 連絡事項を伝えると、電話を切る。


「ということで、今日はどこかで一泊して明日は会場に直接向かおう。ホテルを探さないと」

「い、一泊……」


 問題はホテルがこの近辺にホテルがあるかどうかだ。

 この辺りは観光地というわけでもない。

 地図アプリを開いて検索してみると、どうやら最寄りの駅周辺ににビジネスホテルが1つだけあるようだった。だが、駅までの距離はまだある。


「今日はこのホテルに泊まろう」


 宿泊予約サイトを開いて夕葵さんに見せる。


「でしたら、私が予約します」

「なら、お願いします」


 まだホテルまでは距離もあるしできるだけ早く着きたいので、自分のスマホを夕葵さんに渡し予約を頼んだ。



 車を走らせること1時間。ホテルに到着することができた。

 ホテルなら明日は電車を使えば、会場まですぐにつく。ホテルの地下駐車場に車を停めると荷物を取り出してホテル内へと入る。


 途端、にぎやかな声が耳に入ってきた。

 ホテルのロビーは多くの人でごった返していた。


「なんでこんなに人がいるんだ?」


 今日みたいな日はサービスエリアのこともあって閑散しているイメージを持っていた分、驚いてしまった。

 近くの人に事情を聴いてみる。


「橋が水没して、電車が止まっちまったんだよ。この辺、ホテルもここしかないからな」


 ということらしい。

 あまり大きなホテルでもないし、この分だとここにいる人たちでホテルはいっぱいになっていただろう。


 手続きを済ませるため行列に並んでいる間、歩波にホテルに着いたことを伝えておく。運転中にも何度か連絡が来ていたが、電話に出ることはできなかった。

 夕葵さんにはロビーの椅子に座って少し休憩していてもらう。


「お待ちのお客様どうぞ」


 受付に呼ばれて、宿泊の手続きを行う。

 悪天候の中の長時間の運転は思ったより疲れた。早く済ませて、部屋でゆっくりしたいな。


「高城様ですね。ご利用ありがとうございます。2名様でお部屋はダブルの禁煙室ですね」


 ……ん? 


 なんだか、疲れているからか聞き間違えたようだ。

 スマホの予約サイトを確認するがシングルの2部屋となっている。うん、夕葵さんも間違えてはいない。


「あの、シングルの2部屋を予約したはずですが」

「……申し訳ございません。少々、お待ちください」


 しばらくすると、上司らしき男性が俺の前に来て、深々と頭を下げる。


「申し訳ございません。完全にこちらの不手際でございました」


 どうやら、俺たちが予約した時間帯はちょうど電車が運行休止し、このホテルも人でごった返していた時間だそうだ。それにより、情報が交差し手配ミスが起きてしまった。


「なら、ほかに空いている部屋は」

「申し訳ございません。当ホテルはすでに満室でございまして」


 そうだよな。 

 嫌なことを聞いてしまった。この状況を見れば、それくらいの予想はつく。それにホテル側は部屋数を確保したいだろう。


「ちょっと、相談してきますのでこの部屋は押さえたままにしておいてもらってもいいですか」

「もちろんでございます」


 ロビーで休憩している夕葵さんは、俺が戻ってくると立ち上がり出迎える。


「夕葵さん、ちょっといいかな?」

「はい」


 あまり人前で話せる内容ではないので、少し人気のない場所へと移動する。


「ちょっと、ホテル側の手違いがあって部屋がうまく取れなかった」

「それなら、今日の宿泊は難しいのでしょうか?」

「いや、部屋は取れてるけれど、部屋がダブルだった」

「………ふえ?」


 最初は夕葵さんらしくない間の抜けた声だったが、理解できたのか徐々に夕葵さんが俯いて何も言えなくなる。


「ということで、俺は車で寝るから明日に備えて今日はしっかりと休んで」


 ホテルの駐車場で車中泊とはなんとももったいないが、この際は仕方がない。

 年頃の女の子、ましてや生徒と同じ部屋どころか、同じベッドで眠るわけにもいかない。


「そんなのダメです! 歩先生は、今日ずっと運転してお疲れでしょう?」

「大丈夫だって、大学時代はよくやってたし」

「それでも私は、自分だけのうのうと寝ることなんてできません!」


 いやいやいや、自分の身の安全のことも考えようよ。


「あのね夕葵さん。俺は男で君は女の子だ。何かあったらまずいだろう」

「……先生はそんな人ではありません」


 信用してくれるのは嬉しいが、俺だって健全な男だ。

 間違えを起こす気なんてものはさらさらないが。もしもということがある。

 何処かのクズな男のように獣欲に任せて彼女を傷つけてしまうのではないかと俺はそれが怖い。


「気持ちはありがたいけどさ。やっぱり、俺は車で……」

「……ちょっと、待っててもらってもいいですか?」


 俺は車に戻ろうとするところで、夕葵さんは自分のスマホを取り出し、どこかに電話をかけた。


「……すいません。お待たせしました。先生少し電話に出ていただいてもよろしいでしょうか」

「………うん?」


 スマホを俺に手渡すと、まだ通話中のようだった。誰に電話しているんだろうか。


「もしもし」

『お久しぶりです。高城先生』


 やや枯れているがしっかりと芯のある声をしている。

 この声には聞き覚えがあった。


「……お久しぶりです」


 意外な人物の登場により、若干返事が送れる。

 夕葵さんのお祖母さんだ。


『孫から事情はお聞きしました。今日はお休みのところありがとうございます』

「いえ、仕事ですから」


 なんだろうか。

 なぜ、このタイミングで夕葵さんはおばあさんに電話をかけたのだろうか。その理由が読めないでいた。


『それで、本日は一泊するとのことですが、何でも先生はホテル側の不手際により泊まる場所がないのだとか』

「ええ、まあそうです」

『用意された部屋は2人用だと伺っています。孫に構わず一緒の部屋で休んでください』


 何を言ってるんだこの人!?


「さすがに、それは……何かあったら大変ですし!」

『先生は何か孫にするつもりなのでしょうか?』

「いえ! 決して!」

『でしたら、問題ありません。私も孫と同じく先生を信じます』


 あれ、図られた?

 だったらリスクを最小限にするために、同室はやめた方がいいと思うのですが。

 けれど、お婆さんの声にはそれを言わせない妙な迫力があった。


『では、私はこれで』

「あ、ちょっと!」


 ツー……ツー……


 通話が切れたむなしい音がエコーする。


「保護者の許可ももらったので大丈夫ですね」


 にっこりと笑う夕葵さんにスマホを返す。その笑みは俺には悪魔的に見えた。

 夕葵さん、いくらなんでも強引過ぎないか。


 ◆

 夕葵


 私の心臓の拍動がはっきりと聞こえてくる。

 少しどころかかなり強引だということは自分でもわかっている。


 それでも、歩先生にはゆっくりと休んでほしかった。

 当たり前のように私だけにホテルに泊まらせて、自分は車で寝ようだなんて納得できるわけがない。


 先生は片手で自分の顔を覆って俯いている。

 もう一押し必要だろうか。


「……わかった。泊めてもらう条件として2つある。というより、お願いだ」

「なんでしょうか?」


 ようやく先生が折れてくれた。


「まずは今日のことは絶対に他言無用でたのむ」

「それはもちろんです」


 いくら私でも、男の人と一緒の部屋で寝泊りするというのがどういうことかわかっている。もちろん、“そういうこと”が起きるはずがないのだけれど!


「それと、俺たちは今日は兄妹ということにしよう」


 ほら、やっぱり。

 先生が先ほどから悩んでいるのは私を女性として意識してくれているからではなくて、教師と生徒という関係が先生を悩ませていただけだ。

 歩波さんという存在があるからか、クラスの女子たちもそんな風に思っているんだろうな。


「わかりました。では、どのようにお呼びすればよろしいでしょうか?」

「呼びやすい呼び方でいいよ」

「では、お兄様と」

「ゴメン、やっぱ兄さんで」


 つい、実家での家族に使っている呼称が出てしまった。

 気を取り直してもう一度言い直す。


「歩兄さん」

「………お兄様よりはいいな。それに歩波より上品に聞こえる」


 とりあえず先生は納得してくれたみたいだった。

 私は基本的に先生を呼ぶときには先生の名前を付けて呼ぶ。

 口を幸せにしたいときは特にそうだ。


 けれど、それより衝撃的なことが私に起こった。


「じゃあ、行こうか。夕葵ゆずき

「…………………………はひ」


 名前で呼ばれた。それも呼び捨てで。

 歩先生の低い声が耳の中で何度も反響する。


 そのまま、歩先生の後についていき、再びフロントで宿泊手続きをとる。


「すいません。年頃の妹でして俺と一緒のベッドは嫌だと駄々をこねられまして。宿泊をお願いします」

「いえ、当ホテルに不備がございましたので。かしこまりました。では、お二人様でお部屋はダブルの禁煙室ですね」

「はい」

「では、こちらの宿泊される方の署名をお願いします」


 そう言って、先生はペンを受け取ると代表者名の欄に自分の名前を書いていく。


「夕葵。名前、間違えるなよ」


 歩波さんや観月をからかうようなそんな笑みを私に向ける。

 ホテルマンがそんなやり取りを見て少し笑みを浮かべる。

 もう一度名前で呼ばれてドキッとする。だめだ、不意打ちだと余計に……。


 ホテルマンには兄妹のちょっとしたやり取りにしか見えないだろう。けれど私にはそれがどういう意味かすぐにわかった。


 先生から差し出されたペンを片手に私は先生の隣に名前を連ねて書く。

 いつもより、丁寧に、この時間を惜しむかのようにゆっくりとペンを動かす。



 高城 夕葵



 兄妹とは違った意味にも取れてしまう名前を見て、私の心臓はさらに跳ね上がった。

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