五日目

五日目 昼

GM「さてさてゲームはどうなったのでしょうか? 昨日処刑されたのは、富永さんでした。こっちにおいでおいで~。そろそろ最終決戦ですよ。お見逃しなく!」

ここまで来ればもう展開がひっくり返ることはないだろう。気が楽だ。

椎名「さぁ、遺言を聞きましょうか?」

向井「まだ魔女が残ってるなんて、パワープレイタイムですかぁ? 富永を上手く手懐けて、洗脳したんですねぇ……椎名が信者で、森下が教祖。今日森下消せばいけっから……分かるね? 委員長」

椎名「往生際が悪い! ハク様の爽やかな去り方を見習ったらどう? なーんで上手く手懐けていたはずの富永を殺しちゃうんですかねー? 残しておいた方が良いですよねー? 言い訳が苦しいですよー教祖さーん」

柳瀬「こいつ急に水を得た魚みたいになって……勝てると確信して、繕うことをやめた信者だな。分かりやすい」

森下「後は委員長次第だけど、議論は必要か?」

向井「教祖は森下と、多分柏木、後は処刑された杉原だったのかな。残り一人じゃん。勝ち確だね」

椎名「ハク様は認めてましたー。さっさと諦めてくださーい」

柳瀬「篠宮は風間に勝てると言ったんだ。つまり平民側の勝利だ。俺たちのな。勝ちたいならまともな理由持ってこい」

あれ? 合ってるよな急に心配になってきた。さすがに魔女が他の人だったなんて展開はないはずだ。とにかく篠宮は偽物で確定。

椎名「あ、すっかり忘れてた。柳瀬は占いでまっくろくろすけなので。そこんとよろしく」

森下「向井が二日目で占われて、篠宮が信者だと気づいた。篠宮を残しておけば、今日三人で集まれたんだな。惜しかったな」

向井「委員長ぉ、森下がいじめてきまーす。その推理が間違ってたら謝れよ? ずっと攻撃しやがって……負けたら枕没収な、お前は今日ぺたんこの布団で眠れ」

森下「勝手に変なルール作るな。ほぼ負け状態なのにそんなの提案するなんて、お前元々枕無しで眠れる体質なんじゃないか?」

柳瀬「後でやれお前ら。仲良しか」

風間「……僕が教祖だと疑っている人はいないのか?」

椎名「えっ!」

森下「ええっ」

風間「あ、ごめん……僕は平民なんだけど……あまり疑われてないのが不思議だっんだ」

向井「人柄だよ。普段の行い」

柳瀬「委員長は嘘つけるタイプじゃないと思ってるからね。これで演技だったら全員お手上げ」

森下「委員長が教祖だったら、今日で終わってるよ。教祖が三人いる時点で、平民二人の負けだ」

椎名「あ……そっか。もうびっくりしたー! やめてよねー」

森下「あれ……そういえば向井と柳瀬が結託してるけど、二人が組む意味ってあるのか?」

椎名「んん?」

森下「柳瀬は今日本物の魔女に占われたから、教祖だとは分かるけど向井は確定した訳じゃないよな。篠宮の占いはデタラメなんだから……向井は柳瀬を攻撃してもいいはずだぞ」

柳瀬「や、やめろよ。見苦しいぞ教祖! お前で終わりなんだから協力するに決まってるだろ」

向井「……確かに、占われたからって、しのみーの占いを信じなくてもいいんだもんね。あれ、まさか……残りの教祖って柳瀬で最後? やだっ! 無駄な勝負仕掛けちゃったじゃない! 恥ずかしっ」

柳瀬「ふざけんなお前。本気で入れようとしてないだろ? あ?」

向井「ヤンキーが本気出してきた……怖い。もりしー、俺騙されてたみたい。ごめんねー」

森下「……あ、ああ」

柳瀬「待て、落ち着けよバカ。篠宮の占いは本物だ。偽が椎名で、教祖が森下。お前と風間は平民確定だろ? 俺が教組だったら、森下たちと組んでるわ。バカを処刑すれば勝てるからな」

向井「ぷぷぷ、バカはどっち。エクソシストで一人、占い一人が信者なら残りの教祖は何人でしょう? 二人だよねぇ? 処刑できてない可能性の方が高いねぇ? 誰かなぁ……お前じゃないのー? あ、ちょっと待って。椎名が本物魔女だとすると、俺と委員長は証明されてないことになるんだよね。じゃあ残りの教祖は委員長かもしれないね!」

椎名「ちょ、ちょっと待ってよ。なんかややこしいこと言わないで。とにかく今日は柳瀬を処刑するんだから……っ。え、合ってるよね? 森下?」

森下「……大丈夫。明らかに残りの教祖は二人。柳瀬は決定。向井と委員長がどっちかは、はっきりしないけど。今日一人を処刑すれば、二人平民が生き残れるから。教祖の一人は、魔女とエクソシストが二人ずつ出てきた時点で消せている」

柳瀬「うーん本当に消せてるかなぁ? なぁ殺すべきは信者候補からじゃねえか? 椎名が本物だと確定したわけじゃないからな。篠宮が本物で、こいつが教祖だった可能性もある。騙されるな、やっぱり椎名と森下でラインが繋がってる。俺たち三人が協力すれば終わるんだ」

椎名「もう、うるさい! とにかく柳瀬を処刑!」

向井「強引だね。うーんどうしよ。もりしーたちの協力するをするだけの強い理由がないな」

森下「椎名が信者で、俺が教祖だった場合、残りの二人はあくまでも処刑された中にいると言うんだな? 杉原が教祖だったってことだな?」

向井「エクソシストが二人ともいないって言ってたから、杉原ちゃんが教祖の可能性はないね。だから後二人ここにいるって話でしょ? でも教祖のカミングアウトが起きてない。椎名ちゃん、森下、後一人いれば勝てるもんね。ってことは自分たちは本物。残りは柳瀬、俺、委員長の中から二人。今の状況は二対二なわけだ。今日は柳瀬を消すとして……もりしー俺のこと信じてくれる? 委員長と俺はまるっきり、同じ条件だよ」

森下「そ、それは……」

柳瀬「待て待て。今日を終わらせようとすんな。もうこいつダメだ。委員長はどうすんだ?」

風間「……僕はもう、初めから決まっているよ」

森下「えっ……」

風間「誰に投票するか、誰を信じるかは決めている」

椎名「か、カッコいい委員長! それでこそ我らの委員長!」

向井「明日の信用合戦にもう備えてるの? なんだー委員長も結構やり手じゃーん。でも俺ともりしーの友情パワーを舐めないでね? ね、もりしー」

森下「とりあえずその今日初めて使ったあだ名をやめろ」

GM「投票タイムでもよろしいですか?」

椎名「どうぞどうぞ」

柳瀬「ち、バカどもが。今日で終わりだぞ」

向井「負け惜しみおつおつ~」

椎名「もっちろん、柳瀬に一票」

森下「俺もだ」

柳瀬「クソが……森下を殺せお前ら」

向井「やだぁ野蛮だわぁ。森下に入れて委員長がどうするのかも見てみたいけど……これ以上もりしーに疑われるのは悲しいから柳瀬に、きちんと、投票致します」

風間「柳瀬くんに」

柳瀬「……っあー、もう知らね。勝手にしろ!」

GM「柳瀬くん、お疲れ様でした。遺言は?」

柳瀬「ねぇよ……、いやそうだな。おめでとう森下、教祖陣営の見事勝利だな」

最後まで睨みながら出ていった。怖い。

GM「……ゲームは、続くみたいですよ。ふふ、ふふふ……」


五日目 夜

次は俺か椎名が殺される。どちらが残っても、平民は勝てるだろう。向井と委員長の選択を間違えなければ……。


《魔女》

一日目

椎名→篠宮(平民)

篠宮→小谷(平民)

二日目

椎名→森下(平民)

篠宮→向井(平民)

三日目

椎名→小谷(平民)

篠宮→風間(平民)

四日目

椎名→富永(平民)

篠宮→森下(教祖)

五日目

椎名→柳瀬(教祖)


《投票》

椎名→柳瀬

森下→柳瀬

柳瀬→森下

向井→柳瀬

風間→柳瀬


《処刑》

一日目 杉原

二日目 柏木

三日目 相川

四日目 篠宮

五日目 柳瀬


《死亡》

金城、柿沼、富永

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