第十六話 おんぶ


「んじゃ、寝るところでも探す?」


 少年はふとももの感触を惜しむかのように目を瞑りながら体を起こした。

 わっ――と声を漏らしつつ少女が少しのけぞる。


「……いまキスするところだったよ?」


「あ、ごめん。――で、寝るところ探そっか」


 軽めに謝り、少年が再び提案する。

 少女はむっ、と人指し指を立てた。


「反省してよ……まあいっか。あと、寝るところはまだ必要ないんじゃない? 寝たでしょ、さっき」


 しろなは寝てないだろ、と少年はいいかけて思い止まる。

 あの公園のような所で寝ていたし、その後もだっこされながら寝ていた。

 そこでふと思い出す。


「……いま思い出したんだが」


「ん? 今日結構寝たってこと以外でなら良いよ」


「それもあるけど、お前がおんぶ嫌がったのってさ」


 夢の中でのセリフを思い出した。


「落ち着いて寝るためか? まえ疲れるとか言ってたし」


 少女は立ち上がって歩き始める。


「半分、あたり」

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