カコノキオク 2

 ぽすっ――

 ついに少女が座り込んだ。


「づーがーれーだー」


 目は泳ぎ、口はものすごい勢いで酸素を取り入れようと必死に動いている。

 途中から二段飛ばしで進み始めた少年に追いつこうと躍起になっていて自分のことにまで注意がいかなかったらしい。


「……しゃーなしだな。とりあえずあそこまで行くぞ」


 数十段上にあるステージを指さして言った。

 指の指し示す向きを見た途端に少女の目に絶望が宿った。


「……えー。おんぶして」


 やれやれ、と肩をすくめ少女が腰かけた段の下まで降りていき、しゃがみ込んだ。

 途中カバンによってバランスを崩しかけたが、その勢いを利用してソレを前に回す。


「ありがとー」


 まるで気が入っていない声を聞き流して、しがみついた少女の足をしっかりと取る。

 一段飛ばしで、それまでと比べるとゆっくり少しずつ上がっていく。


「ねえ、すごいどうでもいいことに気が付いた」


 あと十数段といったところで突然少女が声を上げる。

 少年は、ん? と耳を傾けた。


「おんぶって結構乗ってるほうも疲れるね」

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