第2話 よぞら


 とて、とて、とて――


 高いビルに挟まれた、広い道路の上を歩いている。

 まわりに音が出る物が一切存在しないからか、靴音の一つですら大男と大山が出したやまびこのように響く。

 右左をビルによって挟まれてエコーがかかっている、ということももしかしたらあるかもしれない。


「この辺のビル高いね……」


 当然、小さなつぶやきですら少し離れた少年の耳に届く。


「そうだな。空でも支えているんじゃないか?」


 すっかり暗くなった空を見上げ、少年はこぼす。

 外から見た時こそ、そうは思わなかったが中に入ると見え方は変わる物だった。

 天につながっているようにすら見えるほど。


 少年の言った冗談がおかしかったのか、少女はクスリと笑った。


「そしたら、ビルの一番上で色んな人に会えるんじゃない?」


 何気なく言った言葉だったが、その言葉に、二人して空を見上げる。

 黒い空に、星が光っていた。

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