道を彷徨う

 特に目的はなくて、ただ歩く。

 もしくは、何か目的があって、そちらへ向かって歩く。


 地図がうまく読めなくて、自分の現在地がわからなくて。

 どちらに行けば正解なのか、判らなくて。


 進まなければどちらともつかなくて、とりあえず立ち止まらずに歩き続けてみる。

 その姿は堂々として見えるらしくて。

 不安で満たされていてもわからないらしい。


 そうしてついに、足を止めて。

 道に迷って涙を浮かべて、通りすがりの名も知らぬ人に助けを出される。


 ありがとうを、伝えきれただろうか。

 おかげで今、ここにいられる。

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