一匹の猫と少女の出会いをきっかけに、様々な物語が綴られていきます。
緻密に練られたストーリーと、読みやすく且つ美しい文章がとても好きです。
私は雪がほとんど降らない地方に住んでいるのですが、そんな読者でも想像しやすく、雪の冷たさや空気の張り詰めた感じがすごく伝わってくる。そんな描写がちりばめられています。
今この日本のどこかで、このお話が起きているんだろうか。いつの日か、銀色の毛並みに葡萄酒色の目をした猫と、出会えないかなあ。ついそんな想像が出来てしまうような、不思議な身近さがあります。
猫と少女の物語がどんな過程をたどり、どのような結末を迎えるのか。怖くもあり、楽しみでもあります。
彼と彼女の生き様を、ぜひ読んで自分の目で確かめて欲しい。そうおすすめしたくなる物語です。