第38話 魔物集め!

「これ、魔物か?」


 回収した中に明らかに魚にしては、大きい魔物らしき魚も混ざっていた。

 クロが『レインボートラウト』の種類と答えた。

 確かに姿形は同じようでも色が異なっている。

 色により『レッドトラウト』『イエロートラウト』『ブルートラウト』等に七色で区別されている。

 この世界は他にも同様に色にて分かれる魔族が多数生息している。


 とりあえず、七色コンプリートするまで、繰り返し漁をしてみる。

 同じ色の場合は、一旦アイテムボックスに入れてその後リリースする事にした。


 『赤・橙・黄・緑・青・藍・紫』だが、青色のブルートラウトと藍色のインディゴトラウトの区別が難しい。

 紫色のヴァイオレットトラウト以外は、一〇尾確保してリリースをした。

 ヴァイオレットトラウトは二尾捕まえたが、三尾目は捕獲出来なかった。

 レアなのか、生息地域が違うのか分からないが、諦めて陸に上がる。


 河原で魚を焼き、昼食とする。

 シロとクロは、生の方が良いと言うので、生のまま食べていた。

 食事をする度に調味料が無いのが、本当に悔やまれる。

 ゴンド村にも多少はあったが、貰うのは気が引けたので貰わずに来たが、少しでも貰っておけばと後悔している。



 一応、道らしき所を歩いているが、通行人と全然すれ違わない。

 魔物が出現するから、あまり人の往来が無い道なのだろうか?


 今朝も、川の畔から出てすぐに、双頭の蛇『ツインヘッドスネーク』と戦闘があったが、楽勝で倒せた。

 俺のレベルと能力とのバランスが良く分からない。

 レベルに対して強いのは間違いないのだろうけど……。

 【危険探知】もこちらが強いと反応しなくなるのは誤算だった。


 正面から黒い物体がこちらに向かってきている。

 よく見ると、二〇体程の魔物が向かってきている。

 即座に攻撃態勢を取る。

 確認すると、黄色い蜂の大群だ。


「イエローキラービーの大群の様ですね」


 クロが冷静に敵を分析している。


「とりあえず、倒すか! シロ」

「はい」


 【風弓】で一気に貫く。

 シロも風属性魔法で、次々と地面に落としていく。

 毒がありそうだったので、殺して【解体】をする。

 コアと肉等に分けて、アイテムボックスにしまう。


「主、キラービーの目玉は高く売れますので、資金集めには効率が良いかと思います」


 なるほど、これから何があるか分からないので資金調達用に倒しておいた方が無難だな!

 脇の森の中に入り、積極的に狩りをする事にした。

 散策していると先程と色が違う『レッドキラービー』と『ブルーキラービー』を数体発見したので倒した。

 キラービーも色違いが多数あるのかと思ったが、『シグナルキラービー』と言われる種族で種類はこの三種類だけだった。

 シグナルキラービーはコンプリートか!


 かなり森の奥まで来たようだ。

 途中に、全滅したであろう冒険者達の白骨死体を見つけた。

 正確な人数は分からないが、一〇人前後だろう。

 衣服は既にボロボロで、装飾品や武器は魔物に取られずにそのままになっていた。

 紋章っぽい武器や装飾品を身に着けているので、それなりの身分の者達なのだろう。

 火事場泥棒みたいだが、貰えるものは貰っておく主義なので、全てアイテムボックスの中に仕舞った。


 木の実も【全知全能】に確認して、色々な実を収集する。

 本当にアイテムボックスは便利だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る