なにか 

あそこには、なにか、いる  。

英美香の、感だけは、昆虫の触覚の

ように 目には みえない ものに

ふれた。

なにか、いるよ ・・。

あそこには ・・。

パワハラは、はじまってから、8ヶ月が、

たっていた。よく、ここまで

きたもんだ。

英美香の、工程に、3日、つづいた、

者は、いない。

この、8ヶ月間、毎日、ひとが、かわっている。


わたしが、これを  すること で

のみ、 満足を、充せてる。

ある、モンスターの。

モンスターは、見ている。

わたしが、これを、しないなら、

それに 満足しない、モンスターが、いる。

その モンスターは

ドブの、ような、匂いの、

荒々しい、息づかいの、

けものの ような、眼光の。

その モンスターは まるで

どこにも

いないかの ように

姿を 消している。

満足を、得ているからだ。

まるで、敵意なく、まるで、自然に、

そよ風の ように  ただよう。

それは、

自分が 苦しむ ことで

モンスターの、やいばが、

自分の からだに 当たらないだけ。


だから

まるで ひっそり と

正体も ない、的も 射ることが、できない

存在してない、敵の 

まえに

まるで 自分が、自分を、追い込むのを、

待つように

なんて 自然に。

なんて 手を 汚さずに

なんて、気持ち悪い、あたりまえの

なかに、

異常は、隠されて、つづけ られる。

異常が、異常と、

発見でき、めに みることが

できるの なら

むろん 相手の 負けであり

英美香の 勝ち で ある 。

だから

じょうずに ちょうど よい かんじに

その 異常は、異常と、

認識されない。

異常の、ない 正常な、異常は、

もとより、えみかへの、

抵抗できない、暴力。

暴力が、正当で、あるかぎり、

英美香は、戦えず、

自分を、自分が、責めていく。


ときには 負けを みとめるほうが

賢く、負けを

認めざるを、えなかった。

出口は、なかった。

手だては、なかった。

救いの、舟は、みな

爆撃された。


勝算が、ないことも、なかった。

パワハラ、の あらし。

でも その 嵐に

英美香の ふねの 帆は、

かぜを キャッチ していたから

これは 重要な ことだ。


でも 不安が ないことも なかった。

その 帆が  進んでゆく ほうこうに

果たして・・ ゴールは

あるのか。


触覚の ように あいての 息づかいを

さぐる。

さぐるまでも なく、

よけても、なお、その 息 づかいは

じぶんの かおに 吹きかかった。


飢えたジレンマ

独占の 要求

強迫性。


いちばん、やっかいな、ことは

それらが、愛から、

来ていること

愛から きている、独占欲

愛から きている 強迫性

愛に うえて

飢えて うえて 飢えて いる

ときの

けものの いらだち。

うえて、いるときの、けもののまえの

まるで  えさだ。

まるで、じぶんは、えさ だった。


けもの、には、脳はない。知性は、ない。

あるのは、衝動と、自己愛だ。


英美香に もうすこし 冷静さが、あれば。

もっと はやくに モンスターは

人間じゃない そう 気づけば、

説得しようと、する エネルギーを、

逃げるエネルギーに、まわせたなら、

もっと、傷を、減らせたの では。


あとの 祭りだ。

息づかいを うまく 聞いて

じぶんの かんじょうを おさえて

恐怖や 怒り  いきどおり、

そんな、自分の 感情に すばやく、

モンスターは、反応する。

じぶんの、興味の、すべて に。

その、特徴は、抑えておく、べきだ。

自分の、感情や、きょうみに

反応する。

じぶんの、まわりの もの、

落ちてる紙くず、ひとつにも、

反応する。

英美香の、感情は もはや、

英美香の ものじゃ、なくなって、いく。

そんな、わけだから。


モンスターを、自分とは、別ものに、

検出する、ほうほうは、あった。

それは、自分が、しあわせな

とき だった。

そのときは、自分の、しあわせな、感情と

その、しあわせと、その感情とが、

うとましくて、腹ただしい、

モンスターの、感情とが、

グラフが、ふたつに、別れ、

モンスターは、自分の感情に、同化

できなかった。

・・ だが、今は・・

検出薬の、しあわせ、に

絶望的、視野が みえるので

いまは、逆に モンスターの、感情に

英美香の、感情は、ぴったりと

かさなり、

ぴったりと、要求を みたして おり

そんな わけで まるで、どこにも

いないか、のように  モンスターの

姿が、見えなかった。

モンスターは、ゆっくりと

なにも 検出できない、英美香のこころに

腰を おろす。

同化は、進行する。

憑依は、進行する。

育てて いるのは、じぶん自身だ。

自分の 養分で すくすくと

ぬくぬくと、育つ。

寄生・・・

それは・・   友好では、ないのだ。

寄生・・  それは ・・

いのちの 略奪。


ただ・・  ただ、

本人が、毒に 犯されて いた 場合は・・

その毒を、

まんまと、吸収するのかも

しれない。

まんまと、ふんだくった、つもりだが、

まんまと、うまく、毒を、

持って、逃げて、くれるかも、しれない。

モンスターを、英美香が、

英美香に、寄生させたのは、

じつは、英美香の、本能的な、

策略なのかも、分からない。

でも、だった と しても、

それは、いくらか、誤算だったの では

あぶない、かけ、では?

毒だけでは、なく、英美香の、

生命すべてを、吸収し、

したり顔で、いる のでは。

あるいわ、その 毒が、

モンスターを、何倍もの、大きさに、

変えている。


なにが、彼女を、救うの だろう。

だれに、彼女を、救える のだろう。

彼女の からだの なかで

モンスターと 彼女は

彼女の とり合いを している。

彼女に、勝ち目は、なかった。

彼女のからだを うばった

モンスターは、

彼女を、救いにきた、ものを

殺すだろう。

彼女を、救える、だれかを、

殺すだろう。


でも、彼女が、じぶんの、奴隷で、

あるかぎり、

モンスターは、彼女を、殺さない。

彼女は、

本能的に、それを、しって 

彼女は、本能的に、

大切な、ひとを、じぶんから、とおざける


彼女なりに

守っている

自分から。自分に 殺されるかも

しれない、たいせつな、失えない、ひとを。

いや、正確には・・・

彼女の・・

背後にいる・・

彼女ではない、

なにか

から。

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