レベル15暫くの日常

「ティファニー様がお好きなんですね。」


クエストの討伐任務をソロで倒した僕は

ギルドで受付にカードを呈示して

受付にいるのはすっかり世間話する相手の

最初に声を掛けたお姉さんこと、

マリーさんに恩人のティファニーの生活を

話したら、何故かそう言われたのだ。


「マ、マ、マ、マママ、マリーさん!?

そ、それは検討違いも甚だしいですよ。

どど、ど、どうしてそう思うのですか!」


まさか、そう言われるとはおもわずにいた僕は、なんども噛んで否定をなんとかする。

そのマリーさんは、明るい表情で言う。


「だって同棲していて、休みの日は必ず

一緒に過ごすことを自慢をされると・・・

いつ告白するのか気になってきますよ。」


た、確かにそんな風な事を言った覚えはあるけど、同棲とか一緒になんて単語を使って

いないと思うのだけど・・・。


「え!?シゲザネさん。とうとう

ティファニー様と求婚するのですか!」


マリーさんの隣から活発そうなお姉さんが

楽しそうに割り入ってくる。そして、新たなる影が現れる。


「キャァーーー!!結婚式するのでしたら

わたし達もお呼びくださいな。」


このギルド一にうるさいと冒険者に定評がある自称元貴族の令嬢さんが騒ぐ。

そして、騒げば周囲にも耳が入るわけで・・


「ほう、ガキだと思っていたがとうとう

あのティファニーに結婚するのか。

あの子は色々あって心配していたが・・・

お前なら幸せに出来るって期待していたん

だぜ。ガッハハハ!!」


肩を叩き嬉しそうに祝福するの

スキンヘッドした筋肉隆々の冒険者。


「なんだよ!長くなるって賭けていたのに

早すぎだろシゲン!」

「いやー、まさか捨てた掛け金がまさかの

大金になったよ。ありがとうなあシゲン!」


次々と冒険者が押し寄せって来る。ちなみにシゲンは、僕のあだ名だ。語呂がいい呼び方にしようぜ!・・・なんて冒険者が騒ぎ始め

勝手に決められ呼ばれる。

あれ、あだ名ってそんなものか?ぼっち歴が長すぎて分からないが。それよりも・・・

盛大な勘違いされ広まっているこの状況

どうしよう・・・・・。

質問攻め、祝福・・・とうとう胴上げ起きて

しまいシゲザネが正しい状況を説明すれば

次は罵声である。受付の人までも。


「まぎわらしいんだよ!」

「イヤーホォ!この勝負は延長だ!」

「ちっ!ぬか喜びさせやがって・・・」

「まったく、人を思い違いさせるなんて

たわむれ過ぎますわ!」

「イヤ!そもそもの原因は・・・ハァー、

なんでもない。それじゃあー。」


指摘しようとしたが途中からバカバカしさと、さらなる災いがもたらされそう

なのでやめた。それよりも、ここから

早く出てティファニーに会う方が最優先。

出入り口に向かって相手の返事も待たず

ダッシュ敢行する。


「あっ!シゲザネさん報酬の金額を忘れていますよー。」


・・・さて、受け取って早く出るとしよう。

冒険者や受付の人達は僕の行動に爆笑する。


「アハハ、すみません笑ってしまって・・・でも皆さんシゲザネさんが気に入っている

から、こんなに笑っていると思いますよ。」


マリーさんはそんな事を言うけど、

そんなのもう知っているよ。

この暖かな表情を見れば――


「だと・・・良いですけどねぇ。」


恥ずかしいので、こんな風に答える。


「それに・・・こんな風に話が出来なくなると、さびしいですから・・・・・・はっ!?

わ、忘れてください!今の失言ですー!!」


マリーさんは、つい本音が漏れてしまい

強めに否定をするが、頬を赤らめ強く否定をすればするほど、確証することに。


「マリーさん!そう思って下さると

大変嬉しく存じます・・・なんて

固いですよね。実は僕もこんな風に話するのがけっこう気に入っているんです。」


そう言うとマリーさんは、目を見開き

驚いてフリーズする。そして周りは

ざわつく。おかしな事を言って

いないはずだけど?


「・・・・・え、えぇぇぇ!!?

で、でもティファニー様がいるのに・・・」

「え?どうしてここでティファニーの名前を言って・・・ああ!心配ご無用ですよ。

確かにティファニーと一秒よりも早く話したいけど、マリーさんと話するのも・・・・・僕の中では大事ですから。」


僕も恥ずかしくなり笑って答えると、マリーさんは、みるみる赤くなっていく・・・

あれ?なんか様子がおかしい。具体的に言うと乙女のような反応なのをする。つまりは、

告白されたような反応をする。


「・・・あー、そういうことですのね。

マリーさん少しいいよろしいですか?」


なにか気づいた自分を元は、令嬢さんが

常識人のマリーに小声でなにかを伝える。

すると、マリーさんはあー・・・納得する。


「シゲザネさん。わたしも知己として

想って下さって恐縮ですわ。」


すると、減っていた野次馬が勘違いかよ!

なんて去っていくのだけど、なにが?


「あっ、はい。・・・マリーさん口調が

変わったような気がするのだけど・・・」


ついおずおずとなり質問してしまう。


「え?なにを仰るのですか!そんなことは

聖剣を湖に落としてリヴァイアサンですよ

シゲザネさん。」

「え・・・なにその謎の慣用句みたいな

言葉?」


暫くそんなやり取りが続いた。マリーさんが

マリーさんとして取り戻すのに一時間ぐらい

用いてしまった。―――影響を受け過ぎて

変な考察してしまうけど、致し方ない。

そう無理に納得しギルドを出る。


「あ、あの!・・・少しいいですか?」


可愛い声だな。ティファニーほどじゃないけど、声優レベルの美声に声のした右を向くと

儚そうな美少女の魔法使いが第一印象。

ありふれたロープをしていて上目遣いで

僕の後ろを・・・・・おどおどして

いている、されど強い意思を感じる眼差しを見るとここで誰かを告白するのだろうか?そうだとしたら、チラ見とかしないで早々と立ち去らないと失礼だろう。その告白する相手の間に入っているなら、尚更だし。


「求婚をたまたま訊いてしまって・・・

それで思い切って・・・・・その・・・

こくは・・・くをしよう・・・あ、あれ?」


ティファニーの仕事は早朝ですぐに終わるようだから、今頃は夕食が出来いて俺を待って

いる・・・そう考え始めるとにやけてしまうのと同時に待たせてられるか!っと

強く感情が燃え上がる。

そうと決まれば衝突しないよう駆けよう!


「わたしの話を訊いてくれませんか?」

「なっ!?」(ぶつかる!?)


急に目の前に先の女の子が現れた。

なんとか駆ける足を止めようとするが

至近距離だったので間に合わず激突してしまい転倒する。その転倒の刹那の時間に僕は

地面を跳躍するような力で蹴り彼女の背後に回ることに成功すると両手を広げ体を密着させ衝撃を和らごうと試みる。

後ろから地面に衝突し軽い傷みが襲う。


「だ、大丈夫だった?」

「は、はい。・・・大丈夫・・・ですけど

・・・・・近すぎな気が・・・」


そう指摘されると、これは後ろからハグしたような形に見えてしまうのと同時に

無礼を働いているようで・・・!?


「ご、ごめん、今すぐ離れるよ。」

「・・・・は、はい。そうしてくれると・・・助かります。」


変な所は触っていないはずだけど、知らない

人に触られていい気分はしないだろう。

今でも顔を赤くして俯いているし・・・

本当に申し訳ない。


「そのなんだか怒らせてしまってごめん!

憤っているのは分かる。それに突然ですけど

冒険者で当たっていますか?」

「へっ?・・・は、はい!

その通りですけど・・・えーと?」


怪訝そうにする被害者の魔法使いさん。

改めてみると若葉色のショートヘアーに

青みがかった紫色の瞳をした中学生か

高校生ぐらい年齢の幻想的な要素の収束した

ような美少女であった。

もし、ティファニー会う前だったら一目惚れしていたかもしれい。

それよりも、早く答えないと二重の意味で

失礼になる。


「やはりそうですか。クエストで困っているならいつでも声を掛けてほしい。

僕はかなりの腕前だから力になれると

思う・・・なんだか自画自賛だったけど、

本当に力を貸すからそれじゃあー!」


手を振り強引に区切りらせると、今度こそ

走っていく。


「へっ・・・あ、ありがとうございます?」


背後から声を放つのは彼女の戸惑いと疑問の

声音だった。

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