第57話 阿玖真《あくま》

「……」

 一同が、白い目でボクを見詰めていた。


ソー太! 大人しく自首しろ……!!」

 優しく多羅尾はボクの肩に手を乗せた。


「あのなァ~……

 ボクは、阿玖真アイツを殺したりしてない!!」

 その手を振り払ってボクは否定した。


 校舎裏の焼却炉で何かを燃やしているのか。焦げ臭い臭いが漂って来た。


「フフ……アイツに何度も殴られ、好きな女子の前でマスを掻かされ……プライドをズタズタにされた!!

 さらには恐喝されて、多額の金品を強要され、遂に我慢できず……」


「な、ボクじゃァ~ない!!

 ボクは、阿玖真あくまを殺してなンか、いない!!」

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