第530話 「お前は大きな勘違いしている」
「えっとあの、だって、この前もさんざん脅しに脅して帰ったじゃないですか……」
半泣きになりながら、それでもココは必死に勇気を振り絞って《
だというのに――、
「? キサマは何の話をしておるのじゃ?」
「ええぇぇっ!?」
何を言っとんじゃこいつは?って感じで首を傾げた《
「えっと、ちょっと前、《
ああ……それな。
それを聞いて俺はあることに思い至ったよ。
あれだよ、時期的にはトワと出会った前後かな。
南方大森林の東側1/3を切り取ってきたとか《
森の民を脅してまわったあげく、エルフの秘宝をカツアゲしてきたんだよな……。
結果的に俺はその秘宝のおかげでトワ=《スサノオ》の荷電粒子砲を封じることができて、命を救われたから強くは言えないんだけど。
「なんじゃ、そのことか。キサマらに己の生き死にを選らばせてやろうなどと、
「えぇぇぇぇ……?」
うわぁ、すごい理論……。
しかもマジのガチで言ってるんだもんなぁ。
「で、それがどうしたのじゃ?」
「いえその、《
「殺すぞ」
「ひぃぃ――っ!?」
《
「待て待て《
俺は《
前に『
精霊さんとの知恵比べでガーゴイルをぶっ壊した時だったかな。
いやー危ないところだった。
殺人事件が起こってしまう前にギリギリ間に合ってよかったよ。
「止めるでない
「だから待てって言ってるだろ!? まず《
「勘違いじゃと……?」
「そうだ、勘違いだ。ココはな、ただ見るだけで怯えてしまうほどにお前のことが強く尊い最強の存在であるって言ったんだ。つまり今のはお前のことをこれ以上なく
「褒めたのじゃ?」
「そうだ! ストロングでノーブルなお前が来ると、
非言語コミュニケーション系S級チート『目は口ほどにものを言う』発動!
俺は、視線だけで相手になんとなく言いたいことを伝えるS級チートを発動すると、《
その甲斐もあって、
「あ、うん、そう意味だったの! ごめんなさい言葉足らずで! 反省しています!」
ココがうまいこと話を合わせてくれる。
「なんじゃ、そう言うことであったのか。そうならそうと早く言うのじゃ。危うく消し炭にするところじゃったではないか」
「あ、はい、以後気を付けます!」
その言葉と共に《
ほっ、どうにか事なきを得たようだな……んもう、《
「そう言うわけだから、おまえはちょっとお留守番していてくれ。すぐ帰って来るからさ」
「……
「分かってくれて嬉しいよ、うん……」
でも俺もだいぶん《
この手際の良さと来たら、そろそろ《
――とまぁそんなこんながあって。
俺は『ちび太』を直してもらうべく、ココと一緒にココの生まれた村へ向かうことになったのだった。
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