第251話 トリアージ黒
「どうやら威力が低めの牽制攻撃はあまり意味がないみたいね! だったらこうよ! 炎系最強精霊術! 『
…………
……
しかし何も起こらなかった。
「……? 不発弾かしら? 気を取り直して……炎系最強精霊術! 『
…………
……
しかし何も起こらなかった。
「……???? とりゃー! せりゃー!! でりゃー!! く、この……っ! うぉりゃぁぁぁぁぁぁあああああああああっっっっっ!!!!!!!!!!」
…………
……
しかし何も起こらなかった。
「ぐぬぬぬぬぬ……っ! ちょっとアンタ、なにかしたわね!? 白状しなさいよ!」
最強精霊術(苦笑)の発動が上手くいかず、精霊さん(《精霊神竜》)はついには逆切れして敵であるはずの《
「そんなもん聞いたからって、戦ってる相手にいちいち教えてくれるはずないだろ……」
俺はごく当たり前にそう思ったんだけど、
「なに、大したことではない」
《
さすが最強のSS級、種明かししても大勢に影響はないってことなんだろう。
「『
「いちいちうっさいわね! カッコいいからいいでしょ!」
「まあ別によいのじゃが……で、この技、おおかた周囲の
「うぐっ! よ、よく見破ったわね」
「別にこれくらいさらっと耐えてみせても良かったんじゃがの。いかんせん
「そ、そんなことをしていたなんて……!? くぅっ!! こんな簡単にアタシの炎系最強精霊術『
すげーな、精霊さん(《精霊神竜》)。
ここまで完璧かつ完全に、それこそ一方的にシャットアウトされてんのに、まだ対等、どころか自分の方が上っぽい発言するなんて……。
「チッ……」
しかもそれを聞いた《
本当にどうしようもないくらいに水と油だな、この2人は!
そしてそんなハイレベルなバトルを繰り広げる2人のSS級を見て、
やっべぇ……!
《
これに俺が勝てたのってもう奇跡じゃない!?
知れば知るほど《
あとさ、
「『
「ふふん、オシャレでカッコいいでしょ! アレコレいろいろ調べて素敵な名前を考えたんだよねー。なにせ時間だけはいっぱいあったから!」
「お、おう……」
ダメだこいつ、トリアージ黒。
中二病という黒き病に侵された、手の施しようがない重症罹患者だ……!
っていうかだ。
さっき「アタシ中二病に理解がある」みたいなことを言っていたけど、実際は精霊さん(《精霊神竜》)自体がガチの中二病だったんじゃないか!
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