第183話 いいからとっとと返してこい! 今すぐに返してこい!
「領地といえば、そうじゃ、ほれ」
言って、《
「領地とかそういう話は突拍子なさすぎて理解が追いつかないというか、できれば理解したくないので後回しにするとして……」
改めて宝石のついた首飾りをよく見てみると、それはもう誰が見ても分かる値打ち物で。
「へー、これまた綺麗な宝石のついたネックレスだな。パッと見は透明なのに、光の加減でいろんな色にキラキラ光って見えるのか。不思議な宝石だなぁ。で、こんな高そうなもの、いったいどうしたんだ?」
何気なく尋ねながら、ウヅキが淹れてくれたお茶を飲む。
あー、温かくて身体の芯から落ち着くよ――、
「これはエルフの大長老の家系が、先史の時代から受け継いできたというエルフに伝わる秘宝だそうじゃ。恭順の証として
「ブフゥッッッッ――!!??」
俺は口に含んでいたお茶を盛大に吹きだした――!
「大丈夫ですかセーヤさん!? すぐに布巾を持ってきますね……!」
「けほっ、ごほっ……。ちょっと、《
マジでなんちゅうことをしてくれてんの!?
「ふふん、驚くのはまだ早いのじゃ。なんと《
……ヤバすぎる、超マジにヤバすぎる。
そんなもんほいほいと持ってくんなや……!
そんな俺の気も知らず、《
「であるならば、この時代の《
「『
慌てて言って聞かせようとした俺に、
「残念ながら
「……なんでだよ!?」
しかし《
「恭順の証としていったん献上したものをすぐに突き返したとなれば、それは
「つまりは……?」
「つまりは《
「……」
なにそれ怖い、超怖い。
「でももし
いけしゃあしゃあと言いやがる《
「お前が言うと冗談に聞こえないんだよな……」
「
「えっ……?」
「えっ……?」
……よし、うん。
今の話は聞かなかったことにしよう……!
「じゃあ、大事な物だし無くさないようにしっかりしまっておこう……」
「それもお勧めはできないのじゃ。身につけることで、
なにこの進むも地獄、戻るも地獄な状況……。
「そう言うものなのか……。偉い人たちの世界ってのは、いろいろ面倒くさいんだな……。じゃあよし! ハヅキ、これはハヅキにプレゼントだ」
「うにゅ、いいの?」
ハヅキがちょっとびっくりしたような顔をみせたんだけど、
「俺はネックレスって柄じゃないしな。それにこれはハヅキにはよく似合うと思うんだ。神秘的で引き込まれそうな感じが、ハヅキの雰囲気にぴったりだよ。ほらこっちおいで」
「ん――」
髪を手で上げて首元をあらわにしたハヅキに、そっとネックレスをかけてあげる。
「うんうん、いい感じじゃないか!」
「ふふっ、ハヅキよく似合ってますよ」
「奥方殿に似て、
「ありがと――」
そう言って嬉しそうにはにかむハヅキは、それはもう目に入れても痛くないってくらいに可愛かったのだった。
そして、
「良かった。これでエルフとの全面戦争は避けられたんだな……。本当に良かった……」
俺はほっと胸をなでおろしたのだった。
……にしても。
「サーシャといい《
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