第73話 《神滅覇王》
「『その名、
S級チート『剣聖』に、一部上書きされるようにして顕現したそれは――、
「これは、すごいな……!」
一言で表すならば。
それは絶大なる「力そのもの」だった。
際限なくあふれ出る黄金の力の源泉は、《
超ド級の攻撃力の源になるだけでなく、吹き上がる黄金の粒子はS級程度の攻撃ならば触れた傍から無効化してしまう、超出力のエネルギー炉だ。
神に比肩する
その中でも《
さらに心が研ぎ澄まされた『剣聖』とは正反対の、
「これが神話級・戦闘系
けた違いなほどに圧倒的な力の暴流は、しかし、
「まるでずっと使ってたお気に入りの枕って感じで、すっげーしっくりくる……」
《愚者の聖句》の完成によって、今や完全に俺の制御下へと置かれていたのだった。
心に宿った黄金の
――すると《
「おいおいどうした? でかい図体のくせして、まさかびびってるのか?」
言った直後、俺は前方上方へと大きく跳躍した。
黄金の粒子を
「おらぁぁぁ――っ!」
たったそれだけで二階建て家屋のごとき《
さっきの背負い投げに続いて、またもや背中から地面に落ちた《
「うん、軽く蹴っただけでこれとか馬力は文句なしに凄いな……今のですら『剣聖』最強奥義の《紫電一閃》の数十倍は威力があるぞ……」
ほんと、今までの必死の戦いは何だったんだ?
もちろんその戦いの末に《
「それと
初めて見せたあの痛がりようだけで、論拠を示すには十分だった。
ただ、一つだけ言わせてもらうならば、
「このレベルで攻撃してやっと痛がってくれるとか、もうそれ弱点って言わないだろ、常識的に考えて……」
弱点(ただしS級以下に対しては無敵)である。
もはやなにを言ってるか分からない。
「でもこれだけじゃあ、ちょっと決定力に欠けるか」
《
このままでも多分やってやれないことはない。
だけど
このままちんたら街中で戦ってしまえば、被害が大きくなりすぎる。
であれば――、
「ちょうど手元にいいものがあるわけだしな。使わない手はないか。おい、いつまでそのままでいるつもりだ? いい加減仕事をしろ、この不良神剣が」
言って、俺は手近な
すると、
ブォン――!
ぶつけられたことに抗議するように――しかしどこか嬉しそうに――
そう、
《
「お前の力が必要だ、力を貸せ。竜より生まれし神なる剣、
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