第70話 は、はぅううううううううう~~~~!
「ありがとうな、ウヅキ。おかげで色々と吹っ切れた」
「えへへ、なら良かったです。わたしも来た甲斐がありましたね!」
ウヅキが両腕をよせて「がんばりました」ポーズをする。
おっぱいがぎゅむっと寄せられたせいで、うん、色々と大変なことになっていた。
「ふぅ……」
やれやれ、あいかわらずの俺を魅了してやまない魔性のおっぱいだぜ……。
うん、でもま。
これを見て本当にもう全てが吹っ切れた。
こんな情けない俺を「好きだ」と言ってくれる
こんなダサい俺を「さすがです」と褒めてくれる
「なら――ここでいいかっこ見せないで、どこで見せるっていうんだよ!」
格好いいとこ見せて見せて見せまくって、可愛い女の子にモテモテで賞賛されまくりのグゥレイトな異世界生活を、俺は絶対に諦めない――!
「――っと、そうだ。これもありがたく頂くよ」
言って、俺はさっき払いのけてしまった
ウヅキが俺のためにと用意してくれた、『
「さっきはその、手を払っちまってごめんな。ちょっと頭の中がゴチャゴチャになっててさ。本当にごめんなさい」
俺はしっかと頭を下げて謝った。
「そんな、謝らないでください。わたし全然ちっとも気にしてませんので! それにイライラしてたセーヤさんも、その、ワイルドで格好良かったですから、えへへ」
「お、おう……そうか……」
多分だけど、これもラブコメ系S級チート『ただしイケメンに限る』のおかげだろう。
「このチートのカバー範囲の広さときたら、ほんと半端ないからな……」
ダメ男に酷いことをされて喜んでしまう、そんな特殊な性的嗜好にウヅキが目覚めてしまったのではないと思いたい。
ウヅキは包容力が高くて我慢強い女の子だけに、ちょっとだけ不安だぞ?
それはさておき。
俺は
「なんていうか、普通に苦い……」
「薬草を
でもわずかとはいえ、ちゃんと気力・体力が回復しているし、なによりこれはウヅキが危険を冒して取りにいったものだ。
その
「病は気から。誰かを想う心には、最高のプラシーボ効果があるはずだ!」
……ついでに。
肩車をしてスカートの中に頭を突っ込んだことも思い出して、さらに気力がみなぎっていた。
エロは偉大なり、それもまた男の子の真理なのである。
「ところで……ナイア。いつまで寝たふりをしてるんだ? 盗み聞きとは、趣味が悪いじゃないか」
俺は少し離れたところにあるがれきの山へと問いかけた。
元気になったついでに使った知覚系S級チート『龍眼』で、ナイアがそこにいるのは確認済みだ。
わずかな間があった後、
「たはは、別にそういうつもりじゃなかったんだよ? ただほら、いい雰囲気だったからさ。今出ていくのはちょっと野暮かなって思ってね」
ガラガラと音を立ててがれきが崩れると、中からエロ美しいビキニアーマーをまとった白銀の女騎士が立ち上がった。
「ふぇ? あわわ――ナイアさんっ!? い、いい、いつからそこに!?」
「ん? ずっと気を失ってたから、いつからって言われるとずっとかな? 聞いてたのは『大大大大――大好きです!』のあたりからだけど。大きな声だったから一発で目が覚めたよ」
「は、はぅううううううううう~~~~!」
ウヅキの顔がリンゴのように真っ赤になった。
両手で顔を覆い隠しているものの耳まで真っ赤なので、まったくもって隠し切れていない。
「あのなぁナイア、あんまりウヅキをからかってやるなよ」
「なはは、ごめんごめん」
「でもナイアも大きな怪我はないみたいでよかったよ」
「あの時セーヤが、自分を犠牲にして突き飛ばしてくれたおかげさ。でも風圧をもろに受けてがれきの山に突っ込んじゃってね。アタイとしたことが、そのまま疲労とダメージで気を失っちゃったんだ」
照れ隠しをするようにナイアが頬をかく。
「俺がもたもたしてたせいで、ナイアにはだいぶ無理させてたからな……わりぃ」
「いいよ、戦場ではお互い助け合ってナンボだからね」
気にしないでいいさ、とナイアがニカッと笑った。
「ウヅキも、ほら、深呼吸をして落ち着こう」
「は、はい……すー、はー」
ウヅキの大きなおっぱいがその圧倒的サイズを誇示するかのように、呼吸に合わせてぐいっ、ぐいっと上下した。
「ご、ごくり……」
ウヅキはただ深呼吸しているだけなのに、俺の目はどうしようもなくその動きに吸い寄せられてしまう……!
「よ、よし。落ち着いたみたいだな」
ガン見していたのがばれないように、さも何事もなかったかのようにおっぱいから視線を外す俺。
「セーヤさん、また胸を見ています……」
はい、ぜんぜん視線が外れていませんでした!
魔性のおっぱいを見まくってました!
「えっちなセーヤさんも嫌いじゃないですけどね……えへへ」
くっ……!
怒られると思ったらなんだよこの反応、可愛すぎるんですけど!?
ほんと可愛くて可愛くて、どうしようもないくらいに可愛くて。
こんな可愛いウヅキと死んでサヨナラだなんて、そんな未来は――、
「そんなバッドエンドは絶対に受け入れられないよな……!」
なにがなんでも俺は勝つ……!!
「いろいろとありがとうウヅキ。ここは危ないからさ、ちょっと下がっててくれ」
「はい――!」
期待に満ちた顔で、こくりと一度大きく
「ナイア、もう全部出し尽くして限界なのは分かってる。その上でお願いしたい、ウヅキのことを頼む」
「《
ナイアに連れられるようにしてウヅキが下がっていく。
時々振り返ってくるので笑って手を振ってあげると、嬉しそうに手を振りかえしてきた。
それを見た俺の胸の中に、じわっと温かいものが溢れてくる――!
さて、と。
俺は《
「長々と手持無沙汰で待たせて悪かったな《
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