ぼくのはつこい

海野ぴゅう

第1話 野球部員のカワイイ水玉タオル

 女の子は包んである食べ物が好きだと思う。

 

 生春巻き・餃子・クレープ・ロールキャベツ…中が透けて見えていると可愛いし、見えていないとわくわくする。

 そんな仕掛けに女の子は弱い。



 それと同じで意外性のある男にも弱い。

 野球部なのにカラフルでカワイイ水玉のタオルを愛用している、みたいな感じ。

 そういうのは女子だけだと思っていたが、男も意外性に弱いということがわかった。

 

 僕も自分がそんな意外な一人だと初めて知った。



 彼女の第一印象は、クールな男子だった。

 黒髪のショートヘアであまりしゃべらず周りをじっと見て観察している。

 でも後でわかったが本当はぼうっとしていてとても優しいし、よくしゃべる。

 そのギャップに僕はボッコボコにやられてしまったのだ。


 僕は彼女に認めてもらえる男になれるよう努力することにした。

 それも急遽きゅうきょだ。

 この夏休みに僕はなんとしても変わらなくてはいけない。

 だって彼女は夏休みが終わったらアメリカへ帰ってしまうのだから。

 

 高校1年生の夏休みは始まったばかりだ。

 のんびり生きてきた僕の、生まれて初めての負けたくない戦いが始まった。

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