第1142話、わたくし、マルチシナリオの『ゲーム』こそ、真に『現実的』だと思いますの⁉(後編)

メリーさん太「──実はゲームこそが、創作メディアにおいて最も『現実を体現』しているだと? おいおい、うちの作者はいつの間に、『ゲーム音痴』から『末期のゲーオタ』へと、華麗なるクラスチェンジを成し遂げたんだ⁉」




ちょい悪令嬢「まあまあ、これからメリーさんも納得しきりな理由を、順序立てて詳しくご説明いたしますから、まずはご静聴くださいな」


メリーさん太「……本当だろうな?」




ちょい悪令嬢「──さて、ここで質問です。もしもライトノベル作家志望者が、かの超傑作ラノベの代表作『SA○』が、原作者の川○礫先生の頭の中にも存在していなかった過去へと、タイムスリップをしてしまったとして、『SA○』を自分の作品として作成しプロとしてデビューできたところで、その後川○先生ご本人同様にベストセラー作家になることが可能でしょうか?」




メリーさん太「……いや、無理だろ(断言)」




ちょい悪令嬢「おお、即答ですね! ──して、その心は?」




メリーさん太「これについては、本作の作者が事あるごとに述べているけど、別にラノベに限らず『創作』と言うものには、原作者しか把握していない『裏設定』と言うものが必ず有って、作品として表に出ているのは、そのキャラのために作成されているすべての設定の『極一部』でしか無いので、原作者でも無いやつが(文字通り)表面だけなぞったところで、そのキャラを真に描ききることなぞ不可能であり、オリジナルの発表部分を越えて(独自の内容で新たに)続きを書こうとしても、不自然なキャラクターやストーリーにならざるを得ず、到底続行不可能なんだよな」




ちょい悪令嬢「さすがはメリーさん、百点満点のご回答です! ──そうなんですよ、この『タイムトラベルによるパクリの巧妙なる正当化』って、完全な『素人考え』に過ぎず、仮にも『作品』と呼ばれるものを一つでも作成したことが有れば、人の作品を完全にパクることなぞ絶対に不可能なのは、わかりきったことなんですけどねw」




メリーさん太「……この話が、『衛○さんちの今日のごはん』の原作漫画版の作者さんが、『Fa○e』本編を自分自身の作品レベルに熟知していることと、どう関わってくるって言うんだよ?」


ちょい悪令嬢「ですから、そもそも『ゲーム』を中心とした作品シリーズであれば、表現者だけでは無く、単なる作品の受け手さえも含めて、けして『表面的』では無く、作品の世界観もキャラクターも、原作者並みに深く理解することすらも可能なのですよ!」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「なぜならゲームは、漫画やアニメや小説のような『単独スタンドアローン型メディア』とは違って、複数のシナリオルートによってキャラクターを多角的に表現可能な、『複合的メディア』であるので、各キャラクターはもちろん、世界観そのものすらも、まるで現実そのままに、あらゆる『可能性パターン』を内包することができるのです!」




メリーさん太「ああ、なるほど! 同じ『Fa○e』シリーズの【stay night編】でありながらも、三つの主要『ヒロインルート』ごとに、主役の士○君の人格キャラクターは大きく違ってくるもんな⁉」


ちょい悪令嬢「しかも当然のことながら、そのすべての士○君が『本物』なのですからね」


メリーさん太「うん、現実の人間だって、時と場合によっては、まったくの『別人』にすらなり得るよな」


ちょい悪令嬢「それでこそ『現実リアル』なのであって、現在これを実現できる『オタクカルチャー』は、一応ゲームだけに限られているのです」


メリーさん太「とはいえ、まさしく『Fa○e』シリーズのように、ゲームに端を発してはいるものの、それを土台にして漫画やアニメや小説が作成されていくことによって、世界観や各キャラが、更に複雑な『パターン』を増殖していくこともあるよな」


ちょい悪令嬢「それには、今回のようなスピンアウトはもちろん、何と二次創作すらも含まれたりして」


メリーさん太「……まさに『パラレルワールド』だな。当然主人公の士○君は『無数の顔』を持つことになり、ますます『現実的リアル』になっていくわけか」


ちょい悪令嬢「そうです、『リアル』です。今回の『料理系スピンアウト』の士○君もまた、『本物』の士○君なのです!」


メリーさん太「……と言うことは、やはり『ゲーム』こそは、最も先進的な『オタクカルチャー』だと言えるのかもな」


ちょい悪令嬢「こりゃあ、うちの作者もいつまでも『食わず嫌い』なんかしていないで、『ゲーム制作』にも果敢にチャレンジしていくべきかも知れませんね」


メリーさん太「まあ、一応小説書きなんだから、シナリオづくりなんかだと、手を出しやすいんじゃ無いのか?」


ちょい悪令嬢「とはいえ、『マルチシナリオ』なんて、いかにも大変そうでは無いですか」


メリーさん太「何を言っているんだ、これまでにもやったことが有るじゃん?」


ちょい悪令嬢「へ?」




メリーさん太「『ループ』や『タイムトラベル』、それに何よりも『異世界転生』だよ。このような『時間や世界の繰り返し』こそ、『マルチシナリオ』そのものだろうが?」




ちょい悪令嬢「………………………あ」



















ちょい悪令嬢「──そんなこんなと言っているうちに、『ビッグニュース』が飛び込んで参りました!」




メリーさん太「何となく内容が被っている、『Aー○ピクチャーズ』様制作の『リコ○ス・リコイル』や『エンゲ○ジ・キス』に押され気味かと思われていた、今期の『シ○フト』様制作アニメ二作品のうち、『RW○Y 氷雪帝国』のほうにおいて、驚くべき新情報がアナウンスされました!」




ちょい悪令嬢「何と先行公開分以降の初の放映&配信エピソードである第4話からは、日本のスタッフによる『アニオリ』パートに突入するとのことです!」


メリーさん太「これに伴って、新たなるキービジュアルとPVが公開されたのですが、これまでのアメリカ版(3D)アニメに準拠した内容から、大きく逸脱した『オリジナル展開』を迎えることとなった模様です!」


ちょい悪令嬢「──これってまさしく文字通りに、『これからが本番』と言うことですよね!」


メリーさん太「……なるほど、そもそもメインスタッフに、かの虚○玄氏と冲○丁氏がお名前を連ねていると言うのに、単なるアメリカ版のローカライズで済むはずが無かったんだ」


ちょい悪令嬢「PVを拝見した感じでは、かなりダークかつシリアスな内容になりそうですしね」


メリーさん太「しかもどうやらうちの作者の大のお気に入りの、ワ○ス嬢が『闇堕ち』状態となって、話の焦点になりそうだよな☆」


ちょい悪令嬢「──こりゃあ、同じ『いいところのおじょうさん』であるわたくしとしても、一肌も二肌も脱いで、応援したいところですわね!」


メリーさん太「……黙れ『隠れ剥ぎコラ師』! おまえが脱がしたいのは、むしろワ○ス嬢のほうだろうが?」




ちょい悪令嬢「(……ヤベッ、やぶ蛇だった)と、とにかく、このように一つの作品でありながら、様々な国の様々な製作陣が様々な視点で作品に関わってこそ、作品の世界観そのものや各キャラクターたちが、様々な姿を有することになり、俄然作品に『厚みや深み』──ひいては『リアリティ』すらも、生じていくことになるのです!」




メリーさん太「──おお! 今回と前回の当【座談会】のテーマとも、見事に合致しているでは無いか⁉」




ちょい悪令嬢「実は同じ制作会社さんの『ルミナスウィ○チーズ』のほうも、驚きの展開を迎えたそうで、まさにこちらも『スト○ン』シリーズの多角化の邁進に、一役も二役もかっていきそうでございますわね♫」




メリーさん太「まさしく『シ○フト』様の、反撃開始ってところかな?」


ちょい悪令嬢「ええ、何と言っても『底力』がある会社ところですからね、これは要注目ですよ!」




メリーさん太「──いやあホント、今期の夏アニメは、間違いなく『豊作』だな!」




ちょい悪令嬢「各作品共、現在の好調さを損なうこと無く、是非この勢いのままで、最後まで突っ走っていただきたいところですわね♡」

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