第1132話、わたくし、安倍元総理の突然の訃報に際し、心からお悔やみ申し上げますの。

ちょい悪令嬢「今回は予定を変更して、【特別座談会】をお送りしたいかと思います」


メリーさん太「議題はもちろん、すでに皆さんご承知の通りです」




ちょい悪令嬢&メリーさん太「「──まずは、本作の作者に成り代わりまして、第98代内閣総理大臣安倍晋三氏に対し、哀悼の意を捧げたいかと存じます」」




ちょい悪令嬢「……本来なら昨日にでも作成及び公開すべきだったのですが、本作の作者としても、いまだ心の整理がついておりませんの」


メリーさん太「現在もまだ情報が錯綜している段階だから、先走って要らんこと言わないほうがいいんだけどな」


ちょい悪令嬢「それでも、本作の作者としては、できるだけ差し障りの無い範囲で、一言言っておきたいとのことです」


メリーさん太「……まあ、特に日本国民であれば、その信条の方向性にかかわらず、何かしら言いたいことが有るのはわかるけど、うちの作者って、そんなに安倍さんに思い入れがあったっけ?」


ちょい悪令嬢「確かに『北方領土』絡みの対露政策には、少なからず苦言を呈してきましたが、何よりも世界にも通用する戦後日本を代表する、真の『指導者リーダー』であられたと認めておりますわ」


メリーさん太「……明確に批判しつつも、『指導者リーダー』として認めるだと?」




ちょい悪令嬢「政治家なんだから、批判されて当たり前なんですよ。問題は、どれだけ『功績』を残すことができるかであり、その点は安倍さんは文句無しの国際的な『功労者』であり、むしろ批判が大きいのは、その功績の大きさに比例しているとも言えるのです!」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「こうして見ると安倍さんこそは、総理大臣としてもいち政治家としても、他の保革を問わぬ政党人にありがちな『事なかれ主義』なぞ無縁な、真に理想的なリーダー以外の何者でもありませんわね」


メリーさん太「……ホント、皮肉なものだよな。『真の政治家』であればあるほど、国の内外を問わず『敵』を増やすことになって、場合によってはこんな悲劇を招くことになるなんて」


ちょい悪令嬢「悲劇、ですか……………確かにわたくしも今回の事件は、この上なき悲劇と捉えておりますが、それはあくまでも安倍さんにとってのみの、『個人的悲劇』にと思われるのですよ」


メリーさん太「あの犠牲者一人だけのテロ事件が、『個人的な悲劇』としたら、一体何だって言うんだよ?」




ちょい悪令嬢「まさしく『ロシアによるウクライナ侵攻』レベルの、下手したら日本国における『歴史的転換点』にすらなり得る、数十年から百年に一度の『大災厄』とも見なせるのです!」




メリーさん太「──はあ⁉ あの銃撃事件が、戦争レベルの大災厄だってえ⁉」




ちょい悪令嬢「考えてもごらんなさい、首相経験者と言う政権与党の大重鎮がテロ行為で殺害されるなんて、五・一五事件や二・二六事件以来であり、戦後の民主主義憲法下では初めてと言ってもいい、歴史的大事件なのですよ? これぞまさしく『国家転覆レベルのテロ行為』であり、わたくし自身も今もってしても、犯人の『国家元首レベルの要人を殺害しよう』と思い立った精神構造が、まったく理解できませんの」




メリーさん太「……た、確かに。普通一国の元首だった相手を、暗殺しようだなんて、たとえ心の中で思ったとしても、実行しようとはしないよな」




ちょい悪令嬢「やはり実行犯や事件そのものの背景には、複雑な事情が隠されているものと思われますが、ここではそんな未確認情報にあれこれ言うつもりはございません。──それよりも、このような歴史的超重大事件が、この令和の平和な日本で本当に起こってしまったと言う、『事実』こそが重要だと思うのです!」




メリーさん太「……ああ、何となくわかってきたぞ。こんなことなんて、本当はあり得ないはずだったのに、あり得てはならなかったのに、実際に起こってしまったから、とんでもないってことなんだな? ──それこそ、『ロシアによるウクライナ侵攻』そのままに!」


ちょい悪令嬢「そうです、こんな事件なんて、本来なら起こってはならなかったのです。──ここで、前々回の第1130話で当【座談会】において述べたことが、この上なく正しかったことが証明されたわけなのです!」


メリーさん太「……この【座談会】で、何か今回の事件に関連するようなことを言っていたっけ?」




ちょい悪令嬢「この国の真の自由と平穏を守るためにも、一日でも早く『内務省特別高等警察』を復活させるべき──とのことでございます!」




メリーさん太「──なっ⁉」




ちょい悪令嬢「そう、『真の日本人の敵』は、国外だけでは無く、国内うちにも存在していたのです! (『ウクライナ侵攻』を受けての)憲法改正と防衛予算大幅増による『敵基地攻撃能力』なんぞを実現する前に、是非ともやらなければならないことが有ったのです! 国内において外国工作員がうようよしていて、反政府的な言動を行っている輩が完全に野放しにされていて、一部過激な犯罪者予備軍が自由に行動できているなんて、正気の沙汰ではございません! 糞虫ども! 憲法による武力の放棄は、あくまでも『国外に向けたもの』であり、国内において善良なる日本人の皆様の『公共の福祉』を守るためなら、どのような『暴力行為』を行使しようが、現憲法においても何ら問題無く、国内はもちろん(内政干渉的にも)国外からも文句を言われる筋合いは無く、『危険分子』どもは凶行を実行する以前から徹底的にマークしておき、(『表現の自由』を除く)『思想』や『信条』や『政治行動』等々においておかしな素振りを見せたら、その時点で即逮捕拘禁して徹底的に背後関係洗い出し、外国勢力を含む関連組織を完全に叩き潰し、日本国内におけるテロ行為等の凶悪なる反日行動を未然に防ぐべきなのです!」




メリーさん太「──いやそれってまさに、戦前の『特高』や『治安維持法』の復活であり、完全に『逆コース』じゃん⁉」




ちょい悪令嬢「ええ、そうですが、何か問題が?」


メリーさん太「だからそんなもの、自由と民主主義を尊ぶ、現憲法下では絶対不可能だろうが⁉」




ちょい悪令嬢「そんなことはありませんよ、現在の様々な『自由権』も無制限で認められているわけ、国民全体の利益──すなわち、『公共の福祉』こそが優先されており、つまりは日本国そのものの正当なる利益の維持のためには、個々人の自由権なぞ、いかようにも制限できるのですよ」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「これもすべては、『ジェンダフリー』とか『ブラック校則撤廃』とか『外国人参政権の実現』とか、馬鹿どもが調子に乗って『過剰な自由権』のごり押しをしようとしたから招いた、盛大なる『しっぺ返し』に過ぎないのですよ。かつて安倍さんが今回と同様に選挙等に絡んで正当に演説をしている時に、あからさまな『妨害行為』を行った輩に対して、『国民における正当なる言論の自由権の行使に過ぎない』などと、某『ジェンダーフリー大好き』キタ地方の下級裁判所ふぜいが『合法のお墨付き』を与えましたが、それこそが今回の凶行を後押ししたとの意見もWeb上等において続出しております。──そう、糞虫危険分子どもの『過剰な自由権の主張』によってこそ、皮肉なことにもこれ以降、『自由権の抑制』が推進されていくことでしょう。これも身から出た錆であり、これからは当然のごとく公安当局によって、思想や信条的に危険なイデオロギーに染まっている輩は、どんどんとマークされて、証拠が揃えば摘発されていくことと思われますので、どうぞご覚悟のほどを♡」













メリーさん太「……え、それでは、本作激推しの『表現の自由』も、制限しなくてはならなくなるんじゃ無いのか?」




ちょい悪令嬢「いいえ、これも前々回で述べましたが、『表現の自由』だけは、未来永劫絶対不可侵なのです!」




メリーさん太「いやいや、そんなことを言っても、たとえ『思想の自由』とか『信条の自由』とか『結社の自由』とか『言論の自由』とかを規制したところで、あくまでも『創作物』として自分の思想や信条を発表可能となって、『危険思想』を広めていくことができるじゃんか?」




ちょい悪令嬢「むしろ『危険思想』に基づいた作品をどんどんと発表させれば、そう言った『主義者』どもをあぶり出すことができて、どんどんと逮捕拘禁及び排除することが可能になるではありませんの?」




メリーさん太「……え、あれ? それってひょっとして──」




ちょい悪令嬢「そうなのでーす、『主義者』の糞虫どもよく聞きな! 『戦前』ものですよ! 別に『表現の自由』は束縛されたりして、『蟹○船』なんかのプロレタリア文学も自由に出版できていたではありませんの? ──ただし、その作者さんは最終的に、逮捕拘禁及び拷問の末に獄死なされたなんて言う、(あくまでも)『噂』がございますけどね★」




メリーさん太「──怖っ⁉ つまり戦前の特高は、『表現の自由』すらも、『危険分子』をあぶり出すための『手段』にしていたってわけかよ⁉」




ちょい悪令嬢「さあて、現在参議院選挙を戦っている芸能人ふぜいを含む、これまで『反国家的発言』の数々を──特に、安倍さんに対して誹謗中傷の限りを尽くしてきた、糞虫『主義者』の皆様、わたくしは『表現の自由』を何よりも尊びますので、これまで通りの『反国家的言動』をお続けください! ──ただし、今回面目を完全に潰された日本国警察が、もはやなりふり構わず戦前の『特高』レベルで、『反国家的主義者』どもを叩き潰し始めるかも知れませんけどね♫」

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