第1050話、わたくし、某『北の大国』を恨んでいる国は、結構多いと思いますの⁉

ちょい悪令嬢「──それではお約束通り、今回は本作の作者が先日の日曜日に、小説づくりをほっぽり出して一日中だらだらと、どのようなアニメや戦争映画を見ていたかを、詳細に語りたいかと思います!」




メリーさん太「……え、本当にやるのかよ?」




ちょい悪令嬢「? そりゃあわざわざ予告したのだから、やるに決まっているでしょう?」




メリーさん太「──それってもはや、作者の『日常レポート』じゃん! この連載本気で、『エッセイ』にでも鞍替えするつもりかよ⁉」




ちょい悪令嬢「………」


メリーさん太「………」


ちょい悪令嬢「………」


メリーさん太「………」


ちょい悪令嬢「………」


ちょい悪令嬢「………」


メリーさん太「………」


ちょい悪令嬢「………」


メリーさん太「………」


ちょい悪令嬢「………」




メリーさん太「──おい、何か言えよ⁉」




ちょい悪令嬢「……メリー、さん」




メリーさん太「な、何だよ? そのいかにも、人のことを蔑みきった目つきは⁉」




ちょい悪令嬢「何を今更なことをおっしゃっているのですか? ほんのつい最近には『Web小説データの理想的なバックアップ方法』を、前回なんてそれに併せて『田舎の不動産屋訪問レポート』を、詳細に語り倒したと言うのに」




メリーさん太「──そういえばッ⁉」




ちょい悪令嬢「それに、今回取り上げる件については、『時事問題』とも密接に関連していますからね」


メリーさん太「……時事問題、だと?」


ちょい悪令嬢「もちろん、『ロシア&ウクライナ問題』でございます」


メリーさん太「──まあた、それかよ⁉」


ちょい悪令嬢「それでは、まず最初の作品から、ご紹介いたしましょう!」


メリーさん太「おい、人の話を聞け!」




ちょい悪令嬢「知る人ぞ知る、戦場の人間ドラマ、『19○4 独ソ・エストニア戦線』でございます!」




メリーさん太「……え、あれ?」


ちょい悪令嬢「あら、どうかなさいましたか、メリーさん?」


メリーさん太「それって、アニメじゃ無いよね?」


ちょい悪令嬢「ええ、文字通りエストニア(&フィンランド)制作の、実写映画です」


メリーさん太「あの作者がアニメ以外を見るなんて、珍しいこともあるものだな?」


ちょい悪令嬢「実は本作の作者は、大の『戦争映画』愛好家でもあるのですよ」


メリーさん太「……ああ、そういや元から何となく、その傾向は窺い知れていたよな?」


ちょい悪令嬢「あっ、誤解しないでくださいね? 単なる『ミリオタ』というわけではございませんわ」


メリーさん太「違うのか?」


ちょい悪令嬢「はい、『シン・レ○ド・ライン』等の、人間ドラマ中心の文芸的作品を、主に嗜んでおりますの」


メリーさん太「ああ、なるほど。そもそも『シン・レ○ド・ライン』は、うちの作者の大のお気に入りの人間ドラマの極地たる『天国○日々』と、同じ監督さんが手がけていたんだっけ?」


ちょい悪令嬢「実は彼が『戦争映画』に興味を覚える切っ掛けともなった、『遠すぎ○橋』も、スペクタクル大作であると同時に、深い人間ドラマが演じられていましたからね」


メリーさん太「あと、『戦争○はらわた』とかもな」


ちょい悪令嬢「『地獄○黙示録』もですね」


メリーさん太「……なるほど、確かに作品傾向としては、単なる『ドンパチ物』ってわけじゃ無いようだな。それで、問題の『19○4 独ソ・エストニア戦線』ってのは、どんな内容だった」


ちょい悪令嬢「エストニアと言えば『バルト三国』の一角であり、第二次世界大戦においては、ドイツ第三帝国軍とソビエト赤軍との激戦に巻き込まれて、国土を再三にわたって蹂躙されて、若者たちのほとんどが両国に徴兵されて、同じエストニア人同士で最前線で戦わされてしまうといった、悲惨で救いようの無いストーリーでした」




メリーさん太「……うわあ、非力な小国ならではの、悲哀の極地って内容だな」




ちょい悪令嬢「戦闘地域であるにもかかわらず最前線付近に留まり続けていた、農家の老夫婦が、同じエストニア人の兵士たちに食料を振る舞ってくれるんだけど、ドイツ側の兵士と親交を温めた後で、次の日に侵攻してきたソビエト側のエストニア人部隊にも同じように食料を振る舞った際に、『昨日の部隊の兵士たちは、どこに配置換えされたんだい?』と無邪気に聞いて、まさしくその『同胞の兵士』たちを皆殺しにしたソ連側の兵士たちが、表情を固まらせてしまうシーンは、むちゃくちゃ衝撃的でした」




メリーさん太「この映画を見た後においても、『ウクライナは勝ち目の無い戦争をやめて、さっさとロシアに降伏すべきだ』とかほざけるようなクソ野郎は、その後にウクライナ人にどんな運命が待っているか、その豆粒程度の脳みそで考えてみるといいよ」




ちょい悪令嬢「非常に考えさせられた作品ですが、もちろん毎度お馴染みのアニメのほうもちゃんと視聴しております。──ただし、今回においては、『同傾向』の作品限定なんですけどね」


メリーさん太「アニメで、『人間ドラマ的戦争映画』と、同傾向って……」


ちょい悪令嬢「現在動画サイトの『GYA○!』様で全話順次無料配信中の、『トータル・イク○プス』でございます」


メリーさん太「え、あれって、この前も配信をやったばかりじゃないの?」


ちょい悪令嬢「わたくしも怪訝に思ったのですが、前回は終盤部しか見ていなかったので、これ幸いと冒頭から視聴し始めたのですけど、それによってすぐさま疑問が氷解いたしました!」


メリーさん太「へ? 何で」


ちょい悪令嬢「ほら、あの作品て、ソビエト軍所属の美女&美少女ペアの二人が、結構重要な役所だったでしょう?」


メリーさん太「……ああ、ネタバレ防止のために詳しくは言えないけど、彼女たちって、衝撃の『バックボーン』が有るんだよな」


ちょい悪令嬢「そのためソビエト軍内で特別扱いされていて、国連軍所属の主人公たちに対しても、常に高飛車な対応をしていたのですが──」


メリーさん太「『ですが』?」




ちょい悪令嬢「無料配信の最新話において、同じソビエト軍人たちから、『私刑リンチ』に遭いそうになったのですよ!」




メリーさん太「何でだよ⁉ 彼女たちって存在そのものが、『最高軍事機密』なんだから、ソ連軍関係者としては、何をさておいても尊重すべきじゃないのか⁉」


ちょい悪令嬢「ソ連軍における、『正統派』の兵士たちならね」


メリーさん太「な、何だよその、正統派って……」




ちょい悪令嬢「生粋のロシア人(ということになっている)彼女たちに危害を加えてきたのは、グルジアやカザフタン等の出身の、連邦内自治区の兵士たちだったのですよ!」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「ねえ、この時期にこの作品や『19○4 独ソ・エストニア戦線』が、無料配信されている理由が、ようくおわかりになられたでしょう?」




メリーさん太「……旧ソ連内の自治区の人たちって、それ程までにロシア人のことを恨んでいたのか?」


ちょい悪令嬢「そりゃあ勝手に自分の国を併呑されて、共産主義を押しつけられて、モスクワの独裁者を頂点とする『党』に無理やり従わされて、洗脳や弾圧は言うまでも無く、下手すると粛正や民族浄化さえもされ続けてきたのだから、恨み骨髄でしょうね」


メリーさん太「……え、もしかして、現在の戦局の移行次第では、ロシアってヤバいんじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「これ以上『敗色濃厚』となれば、その機を逃さずに、周辺諸国が一斉に攻め込んできたりしてねw」


メリーさん太「──そんなに恨まれているのかよ、ロスケのやつらって⁉」


ちょい悪令嬢「聞くところによるとプ○チンプリンて、『ウクライナのNATO加盟』を、侵略の口実にしているみたいですが、むしろすでに旧東欧諸国やバルト三国がNATOに加盟しているからこそ、ロスケどもは『助かっている』とも言えるのですよ?」


メリーさん太「……何だと?」




ちょい悪令嬢「当該諸国にとって、まさしく現在のウクライナは、かつての自分たちの姿であり、本当なら今すぐにでも宣戦布告をして、ロシアを袋だたきにしたいところなんですか、NATOに加盟しているで、他の加盟国の意向を無視して戦争をおっ始めるわけにはいかないのでございます」




メリーさん太「──ああ、そうか! ある意味NATOに加盟していることが、『足枷』になっているのか⁉」




ちょい悪令嬢「そうじゃ無かったら、エストニアやポーランドあたりは、すでに参戦していることでしょう」


メリーさん太「……だったら、フィンランドがNATOに加盟したがっているのは、なぜなんだ? あの国こそ、今にでもロシアに攻め込みたくて、うずうずしているんじゃ無いのか?」


ちょい悪令嬢「まだそれ程、ロシアが追いつめられていませんからね。下手すると今のところ余力を残しているロシアが、膠着した戦況の打開を図るために、いまだNATOに所属していないフィンランドやスウェーデンに侵攻するかも知れませんので、現段階ではNATO加盟諸国の助力を必要としているのですよ」


メリーさん太「……つまり逆に言えば、この先ロシアが進退窮まって、しかもフィンランドがいまだ正式にNATOに加盟していなかったら、単独でも喜び勇んでロシアに攻め込む可能性が有るってことか?」


ちょい悪令嬢「そりゃあ、かつての『冬戦争』において領土を奪われていますからね、この機を逃さず『失地回復』を図るのは、当然の仕儀でしょう」


メリーさん太「──ちょっと待て、それって⁉」




ちょい悪令嬢「ええ、日本もけして、他人事では無いのです」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「確かに現在の日本は、周辺諸国からの侵略の危機にさらされておりますが、逆に申せば『失地回復』のチャンスでもあるのです。──いっそのこと、以前からの友好国である、エストニア等バルト三国やフィンランドあたりと、『大ユーラシア防共同盟』を締結して、同盟国がロシアと戦争状態に陥った際には『集団的自衛権』を発動して、米軍を始めとするNATO軍とともに、日本固有の領土である北方四島に『再進駐』するのもいいかも知れませんね♡」

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