第1029話、わたくし、女子制服へのスラックスの導入は、『致命的矛盾』を孕んでいると思いますの⁉(解説編)

ちょい悪令嬢「──と言うわけで、ついにアニメ版オリジナルキャラの『黒○』ちゃんが、『マギアレ○ード』原作ゲーム版に、実装されました!」




メリーさん太「……は?」




ちょい悪令嬢「いやあ、散々待ちかねましたよ、まさかこのタイミングでぶっ込んでくるとは!」


メリーさん太「えっ? えっ?」




ちょい悪令嬢「時期的に『エイプリルフール』とも思われましたが、どうやら今回はマジのようですわね!」


メリーさん太「あ、あの」


ちょい悪令嬢「おや、どうしたのですか、メリーさん。こんな超特大のグッドニュースを耳にしながら、そのいまいちノリの悪い反応は? もっと喜びを全面に押し出して、共にはっちゃけましょうよ!」




メリーさん太「──おまえははっちゃけ過ぎなんだよ、ちょっとは落ち着け!」




ちょい悪令嬢「──うおっ、いきなりダメ出しされた⁉」




メリーさん太「いや、気持ちはわからないでも無いけどな。あれ程待ち焦がれていた『黒○ちゃん実装』が、ついに実現したんだし。──でも、もっと大切なことを忘れてはいないか?」


ちょい悪令嬢「はあ? 『黒○ちゃん実装』以外に、この世に大切なものが有るとでも?」


メリーさん太「──有るよ! いっぱい有るよ⁉ 有るアルヨ!(某国人民風に)」


ちょい悪令嬢「例えば?」




メリーさん太「前回までのエピソードに関する解説だよ! あんなむちゃくちゃ物議を醸しそうな内容の【突発短編】を公開しておいて、何ら補足説明をしないままでいるつもりじゃないだろうな⁉」




ちょい悪令嬢「【突発短編】て…………ああ、あの『女子生徒用のスラックス制服の導入』についてのやつですか?」


メリーさん太「──何で、他人事みたいに言っているの⁉」


ちょい悪令嬢「だって、あれに関しては、もう語ることは有りませんもの」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「あれ程までに、『スラックス導入』の本質を突いて、その『矛盾点』をえぐり出した考察なんて、日本どころか世界中探しても無いでしょう。つまりあの短編は本編を読みさえすれば、それだけで事足りるはずなのです!」




メリーさん太「──いまだかつて無いほど、すげえ自信満々だな⁉」




ちょい悪令嬢「……というわけで、ここからは『黒○ちゃん実装』に関しての話を、再開することにいたしましょう♫」


メリーさん太「いやいやいや、ちょっと待って⁉」


ちょい悪令嬢「……何ですか、メリーさん。SNS上ではすでに数多あまたの『黒○ちゃん絵師』の方々が、ばんばん記念イラストを上げておられて、こちらとしても負けてはいられないと言うのに」


メリーさん太「──アニオリのサブキャラに、専用絵師さんなんていたんだ⁉」


ちょい悪令嬢「そりゃあ当然ですよ! 何てったって、黒○ちゃんは人気キャラなんだから!」


メリーさん太「あ、うん………(ヤベ、こいつの『狂信的なまなこ』を見ていたら、『確かに黒○ちゃんは人気者だよな、おまえの中ではな?』なんて、とても言えないぞ)」


ちょい悪令嬢「それでは、まずは、黒○ちゃんが魔法少女になったいきさつから、詳しく述べて参りましょう!」


メリーさん太「──だから、待てって! 確かにそれもちょっと聞いてみたいけど、それよりも【前回】までの内容のほうに、少々疑問が有るんだが?」


ちょい悪令嬢「え、あれ程完璧なエピソードに対して疑問なんて、正気ですか?」


メリーさん太「その自信のほどは、どこから来るんだよ⁉ ──だったら、教えてくれよ、そもそも『スラックスの導入の矛盾点』なんてものに、どうして気づくことができたのかを⁉」


ちょい悪令嬢「ああ、それについてですか。確かに普通なら気がつかないでしょうね。──特に、己自身が矛盾ばかりの『似非ジェンダーフリー』の連中なんかはねw」


メリーさん太「こ、こいつ、ここぞとばかりに、煽ってきやがって……ッ」


ちょい悪令嬢「──実はですねえ、事の起こりは、ちょっとした『違和感』を覚えたことだったのですよ」


メリーさん太「違和感?」


ちょい悪令嬢「本作の作者としては、中高生の女生徒の制服への『スラックス』の導入は、あくまでも『女生徒のためのもの』と思っていたのです」


メリーさん太「あ、そうなの?」




ちょい悪令嬢「【突発短編】の中でも述べましたが、あんな『開放感バリバリ』の衣服なんて、防寒の役に立たないのはもちろん、ちょっと気を抜けば下着が丸見えになってしまうので、年頃の女の子にとって実利的にはまったくいいところ無しですし、見映えに少々問題はあっても、スラックスの導入は一理も百理も有るでしょう」




メリーさん太「……うん、まあ、そうだな」


ちょい悪令嬢「実は本作の作者がつい最近までいた首都圏の中学高校においては、『ポリコレ一派』が騒ぎだす遙か以前からすでに、女生徒用のスラックスの制服は導入されていたくらいですからね」


メリーさん太「ああ、家の近所のショッピングセンターあたりでも、結構ちらほらと見かけていたよな」


ちょい悪令嬢「ですので、あくまでも『動きやすい』とか『スカートの欠点を補える』とか言ったふうに、女子の制服選択のヴァリエーションが増える程度の認識だったのですよ」


メリーさん太「う、うん、基本的にそれで間違っていないと思うけど?」




ちょい悪令嬢「しかし、特にマスゴミが盛んにもてはやして、全国ネットで大々的に喧伝アピールしたのは、スラックスを穿いた女生徒であり、スカートを穿いた男子生徒たち──いわゆる『トランスジェンダー』に属する輩だったのです!」




メリーさん太「そ、そういえば──」




ちょい悪令嬢「そこにこそ、作者としては、『違和感』を覚えざるを得なかったわけなのですよ」


メリーさん太「……どうしてだよ? 確かに『スラックス』の導入は、元々女生徒のためだったかも知れないけど、それを『トランスジェンダー』の生徒たちが活用したって、別に構わないじゃ無いか?」


ちょい悪令嬢「それはそうなんですけど、何だか『喉に突き刺さった魚の小骨』でもあるかのように、ずっと気になり続けていて、そしてついに気がついたのです!」


メリーさん太「気がついたって、何によ?」




ちょい悪令嬢「おそらくは『フェミニズム』的発想である、元々の『女生徒がスラックスを穿いてもいいじゃ無い?』という考え方と、『トランスジェンダー』の女生徒がスラックスをを穿きたいと望むことの間に横たわっている、『根本的矛盾』についてですよ!」




メリーさん太「『フェミニズム』と、『トランスジェンダー』──つまりは『LGBT』との、根本的矛盾だとお⁉」




ちょい悪令嬢「フェミニズム的観点から女生徒がスラックスを選択するのは、『女らしさ』や『男らしさ』という概念自体を撲滅するためであるのに対して、トランスジェンダーの女生徒がスラックスを選択するのは、自らの『男らしさ』を確固たるものとして強調するためであると言ったふうに、むしろ『真逆の選択』であったのです!」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「……ホント、能無しマスゴミどもは言うまでも無く、『ポリコレ』のやつらって、馬鹿しかいないのか? おまえらは『トランスジェンダーの女生徒がスラックスを穿いて登校した!』とか『トランスジェンダーの男子生徒がスカートを穿いて登校した!』とか、あたかも鬼の首を取ったかのように『世の中のジェンダーフリー化』を強調しているけど、実のところは『ジェンダーフリー』がどんなに歪でこの世のことわりに反しており、『フェミニズム』や『LGBT』内の個別の立場においては、お互いに矛盾していることを、まざまざと露呈しているだけなのによおwww」




メリーさん太「……た、確かに、『ジェンダーフリー』の生徒がスラックスやスカートを穿いたりしているのは、自分の中の『男らしさ』や『女らしさ』を強調しているわけで、『フェミニスト』が目指している、世界中のあらゆる分野からの『男らしさや女らしさの撲滅運動』とは、完全に相反しているよな」




ちょい悪令嬢「つうか、『フェミニスト』は男性(社会)に文句を言う前に、まずはトランスジェンダーの『概念』自体を撲滅しないと、おかしいんじゃ無いですかあ?」


メリーさん太「な、何だよ、『トランスジェンダーの概念』て」




ちょい悪令嬢「あいつら自分の肉体的性別を全否定して、自分のことを『本当は男なんだ!』とか『本当は女なの!』などとほざいているのけど、フェミ的には、『……「本物の男」とか「本物の女」とか、一体何だよって話なんですけど? こちとら男女の性差を無くそうと必死に頑張っているというのに、勝手にそんなものでっち上げるなんて、もっての外なのよ!』──てな感じなんだろうけど、これに関してのみは、『フェミ』の言い分はもっともでしょう。『男や女とはどういうものであるか』なんて、一個人で決めつけられることじゃ無いでしょうが? そもそも人の個性なんて文字通り『千差万別』なんだから、『これぞ男!』とか『これぞ女!』とかいったものなんかは存在しないわけで、元々『男と女との違い』なんて有って無きに等しく、そんなことよりも、『人間としての個々人の違い』こそが肝要だと思うのですよ!」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「──と言うわけで、比較的『フェミ寄りの視点』に立てば、『トランスジェンダー』なんてものは、『概念』自体からして『大間違い』でしか無いのですよ」


メリーさん太「……こ、こいつ、医学界や法曹界においてすでに確固として認められている『トランスジェンダー』を、全否定しやがった⁉」


ちょい悪令嬢「でも、わたくしの申していることって、論理的に何も間違っていないでしょう?」


メリーさん太「そ、それは……」




ちょい悪令嬢「もちろんこれは『LGBT』のお仲間である、『L』や『G』や『B』についても言えることなのです。そもそも現在『LGBT特権獲得』ムーブメントをしているやつらが、『存在』したり『カミングアウト』したりすること自体がおかしいのです。人はただ、誰もが他者との間でお互いに、愛し愛されようとしているだけで、その相手が異性であろうが同性であろうが、何ら変わりは無く、現在異性を愛している者が将来同性を愛することも、現在同性を愛している者が将来異性を愛することも、けしてあり得ないことでは無いのです。こう言うとまるで全人類が『両刀遣い』であるかのようにも聞こえるかも知れませんが、断じて違います。本作において何度も何度も申しておりますように、たとえこれまで同性を愛したことが有っても、たとえこれまで同性と異性の両方を愛したことが有っても、あくまでもそれは『結果論』に過ぎず、確定的に将来にわたってずっと『L』や『G』や『B』としてい続けるわけではございません。何せ先ほども申したように、これから先『L』や『G』の人が異性を愛することだって、『B』の人が誰も愛さずにいることだって、十分有り得るのですから。つまり、人生のあらゆる時点において、自分のことを『L』や『G』や『B』だと決めつけることは不可能なのであって、そういう意味では現在自らカミングアウトして『LGBT』活動をやっている輩は、すべて『偽物』と言うことになるのですよ」




メリーさん太「……だったら、『ジェンダーフリー』で本物なのは、『フェミニスト』だけになるのか?」


ちょい悪令嬢「いいえ、こちらも結局は同じことです」


メリーさん太「同じこと、って?」


ちょい悪令嬢「これまた本作において以前述べたように、『いかなる場においても男女の違いを認めない』と言うのなら、『差別の場』においても認められなくなり、『男女差別』自体が存在し得なくなるのですよ」


メリーさん太「──いやいや、それって詭弁とか極論の類いだろうが⁉」




ちょい悪令嬢「そんなことありませんよ? 男女の違いを無くしていけば究極的には、『悪い方向』であれば、共産主義的な全体主義国家の中で、すべての国民は国家や党幹部の『奴隷』となり、かつてのソビエトや改革開放路線以前の中国のように、男女の違いなぞ無い『ロボット』や『のっぺらぼう』みたいな存在になるしかありませんが、『良い方向』として日本のような完璧なる自由かつ民主主義国家においては、すべての人々が男女の格差なんかに囚われず、あくまでもそれぞれ個々の人間として、自分の努力次第でどんな願いでも叶えることのできる、真の理想的な社会を実現することができるのです!」




メリーさん太「──なっ⁉」




ちょい悪令嬢「結局すべては、『当たり前』のことに過ぎないのですよ。人はただ個々人の意思で、他人を愛し、自分の人生を切り開いていくだけの話で、自分が男だろうが女だろうが、愛する相手が異性だろうが同性だろうが、何の問題も無く、『フェミニズム』や『LGBT』なんかの『まやかしムーブメント』に騙されて、『性的マイノリティ』のみを無理やり取り上げて、特別視したり何らかの配慮をする必要なんて、微塵も無いのです」

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