第1011話、わたくし、終末は暇だから、最終兵器ヒロインを救ってみますの⁉

ちょい悪令嬢「さて今回は、本年中に放映&配信が予定されている『艦隊これくし○んー艦○れー』アニメ版第二期に関連して、最近動画サイトで全話一挙無料配信が行われた、人外の女の子とその指導者的青年との活躍を描いたアニメ作品について、いくつかピックアップして詳細に考証したいかと思います!」




メリーさん太「お、久方振りの【アニメ談義】かよ? 確かに前々回までの【突発短編】は、『艦○れ』的な内容だったしな」




ちょい悪令嬢「──と申しますか、少々現在の『国際的政治問題』に突っ込み過ぎましたからね、ここいらで純然たる【アニメ評論】を行っておこうかと」


メリーさん太「まあなあ、確かに今一番ホットな話題とはいえ、実際に『被害者』の出ている戦争を、無節操に作品化し続けるのはよろしくないわな」


ちょい悪令嬢「そういう意味では、本作の作者のポリシーの一つである、『戦争時における最大の加害者は、自国の政府である』に基づいて、『兵器として扱われる少女』たちの悲哀を訴える作品をセレクトしてみました」


メリーさん太「……うん? 『艦○れ』アニメ版て、そんな作品だったっけ?」


ちょい悪令嬢「『艦○れ』自体については最後に述べるとして、まずは『関連作品』からご紹介したいかと存じます」


メリーさん太「ほう、つまりまさにそれらの作品こそが、『亡念のザ○ド』同様に、前々回までの【突発短編】に影響を与えていたわけだな?」


ちょい悪令嬢「ええ、その筆頭的作品として、まずは『ブラック・ブレ○ト』からご紹介して参りましょう!」


メリーさん太「おおっ、いきなりいろいろな意味で、『問題作』が来たな⁉」


ちょい悪令嬢「『問題作』も『問題作』、内容のほうもさることながら、何と原作ラノベ版からして、『未完』のまま放置されておりますからね」


メリーさん太「それだけでも『大問題』なのに、数年間もまったく音沙汰無しだと言うのに、いまだに本編の続編やアニメ版の二期を待ち望まれていることこそが、『最大の問題』だよな」


ちょい悪令嬢「それだけ『ブラック・ブレ○ト』が、作品的に衝撃的かつ革新的だったのですよ!」


メリーさん太「……『衝撃的』ってのはわかるが、『革新的』と言うのは?」




ちょい悪令嬢「実は『ブラック・ブレ○ト』って、あの短い内容のうちに、何とかの超傑作たる『進○の巨人』のストーリーのほぼすべてが凝縮されていると言っても、過言では無いのです!」




メリーさん太「はあ?……………………………いやいやいや、そんなまさか⁉」




ちょい悪令嬢「強大なる怪物に対して巨大なる障壁を築いて、わずかに残された生存圏に立てこもる残りわずかの人類。それでもけして無くならない、醜悪極まる人間同士の諍い。最後の希望はまるで『ア○カーマン』そのものの、化物の力を秘めた異能の幼女たち。しかし何と彼女たちこそは、それこそ『化物になってしまう(=巨人化)』可能性を有していると言うことで、他の人間たちから忌み嫌われ『差別&排除』の対象となっていたりするのです!」




メリーさん太「──まったく『進○の巨人』の世界観、そのものじゃ無いか⁉」




ちょい悪令嬢「それどころか、『主人公の悲哀さ』においては、『進○の巨人』を上回っているのでは無いかと言うのが、今回のテーマだったりするのですよ」


メリーさん太「主人公の『悲哀さ』って…………おいおい、あの自他共に認める『悪魔の子』のエ○ン君の悲劇的立場を上回るなんて、全創作物の主人公が束になってかかっても不可能じゃ無いのか⁉」




ちょい悪令嬢「エ○ン君自身の『悲哀さ』ならね。──ですけど言ったでしょ? 今回のテーマは、『兵器として扱われる少女たちの悲哀さ』って。よって今回取り上げる作品の主人公って、そんな『兵器として扱われる少女たち』を指導教育して、実際に戦場に送り込む立場にあるのですよ!」




メリーさん太「──何と、エ○ン君みたいに自分一人が辛い目に遭うことによって、仲間たちを助けようとするのでは無く、むしろ立場上、仲間を辛い目に遭わさなければならないってことか⁉ 確かにそっちのほうが、主人公にとっては辛いかも!」




ちょい悪令嬢「しかもさっき言ったように、この作品の(幼女)ヒロインは、『ア○カーマン』そのものだったりするのです」


メリーさん太「──そ、それって⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、『進○の巨人』で例えれば、エ○ン君が使命のために、ロリミ○サちゃんを、絶望的な戦闘に赴かせるようなものなのですよ」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「ねえ、このように申しますと、現在全話順次無料配信が行われている今こそ、『ブラック・ブレ○ト』アニメ版を視聴すべきでございましょう?」




メリーさん太「ま、まあな。特にこれまで原作ラノベ版も含めて、『ブラック・ブレ○ト』に一度も触れていない人には、超お薦めだよな」




ちょい悪令嬢「──実はこの『ヒロインが兵器だからこその主人公の悲哀』は、何も『ブラック・ブレ○ト』だけの話ではございません! むしろ次にご紹介する作品こそ、『真打ち』と言っても構わないでしょう!」


メリーさん太「『ブラック・ブレ○ト』に匹敵する作品が、まだ他に存在しているだと⁉」




ちょい悪令嬢「『すかすか』こと、『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもら○ていいですか?』でございます!」




メリーさん太「──それが有ったかああああああああああ!!!」




ちょい悪令嬢「『ヒロインが兵器だからこその主人公の悲哀』と言ったら、むしろこちらのほうが『究極の逸品』とも申せましょう」


メリーさん太「一時期ラノベ界隈では話題騒然だったけど、知名度で言えば『ブラック・ブレ○ト』よりもやや劣り、まさしく『知る人ぞ知る』珠玉の名作だよな」


ちょい悪令嬢「アニメ化することによって、その愛らしいキャラたちや、美麗な世界観設定を始めとする高水準な作画が評価されるとともに、その悲惨なストーリー展開に、多くの視聴者が衝撃を受けましたからね」




メリーさん太「……確かに、主人公と親しくなった幼女たちが、敵の怪物たちなんかよりも守るべき人間側の『悪意』によって、次々に惨殺されていく『ブラック・ブレ○ト』も、『主人公曇らせ』という意味ではトップクラスだけど、むしろ全人類どころか全種族の希望の星である『妖精』たちが、最初から『兵器』として生み出されていて、周りの人たちが心底その身を案じていると言うのに、彼女たち自身は『死を恐れる心』自体を有せず、笑顔で特攻していくところを見せつけられる主人公の心境ときたら、もはや『曇らせ』レベルじゃ無いよな⁉」




ちょい悪令嬢「本作の作者自身、原作ラノベ版をまったく読まずにアニメ版を見たので、その作画とストーリーとのギャップに、とてつもない衝撃を受けたそうですよ」


メリーさん太「……そういや、この(情け容赦なく救いようのない)ストーリー展開って、同じラノベの『魔王城○限目』シリーズを彷彿とさせるよな」


ちょい悪令嬢「……ああ、あれもむちゃくちゃ『鬱展開』でしたよね。まあ、『すかすか』のほうは、それ程『鬱』ってわけじゃ無いんですけど」


メリーさん太「え、そうなの?」


ちょい悪令嬢「確かに妖精たちは過酷な状況におりますが、先ほども申したように、周囲の人たちは『軍部』さえも含めて、彼女たちに好意的なんですよ」


メリーさん太「え、『兵器である種族』に対して、それを実際に戦争に使っている軍部すらも、好意的って……」


ちょい悪令嬢「実はこの作品も、全種族を滅ぼしかねない『怪物』たちとの絶望的な戦いを繰り広げており、妖精たちは『必要不可欠な犠牲』として、断腸の思いで死地に向かわせているのです」


メリーさん太「……ああ、『ブラック・ブレ○ト』とは違って、妖精たちを迫害したり、味方同士で争ったりはしていないんだ」


ちょい悪令嬢「怪物たちとのバトル中心という意味では、『ブラック・ブレ○ト』をも含めて、『正しいマブ○ヴ』と言ってもよろしいかも☆」


メリーさん太「──唐突に『マブ○ヴ批判』を挟み込むのは、よせ!」




ちょい悪令嬢「いえ、むしろ批判すべきは、『マブ○ヴ』よりも、『艦○れ』アニメ版のほうなのです」




メリーさん太「……え、何でここでいきなり、『艦○れ』の話が出てくるの?」


ちょい悪令嬢「まさしく『艦○れ』こそが、『一見か弱そうな女の子たちが強大なる怪物と戦い続ける物語』ではありませんか? しかも敵の『深○棲艦』が『艦む○』のもう一つの姿だとしたら、『ブラック・ブレ○ト』のヒロインたちそのままになるし。──だとしたら、『ヒロインが兵器だからこその主人公の悲哀』成分がまったく見られないのは、文字通りに『片手落ち』と言わざるを得ないのでは?」




メリーさん太「──そうか、それって例の、『アズ○ン』アニメ版でも槍玉に挙げられた、『提督不在』問題か⁉」




ちょい悪令嬢「そうなんですよ、『異能の力を秘めた女の子』たちを、怪物たちとの絶望的な戦いという『死地』に赴かさなければならないと言う、『監督指揮官』である主人公サイドの忸怩たる想い──これこそが、『艦○れ』において最も足りないファクターであり、これを取り入れることによってこそ、物語として格段のレベルアップが実現することでしょう!」




メリーさん太「二次創作では結構有るんだけどな。『艦む○』が悲惨な状態ニクタイとなって帰港してきて、提督が自責の念に駆られたり、轟沈した知らせを聞かされて、悲嘆に暮れたりするのって」




ちょい悪令嬢「そういう作品に限って『傑作』揃いなのに、何で『公式』はわからないのかなあ?」


メリーさん太「……ま、まあ、描写的に『グロ』どころか、もはや『リョナ』と言ってもいいのもの有るくらいだしな、公式的にアニメ化等は不可能だろう」


ちょい悪令嬢「かと言って、今更『史実』通りに艦む○たちに『悲劇のヒロイン』を演じさせても、興ざめなんですよ。日本が戦争に負けて、ほとんどの軍艦が撃沈されたことなんて、もはや先刻ご承知ですしね」


メリーさん太「あー、特にうちの作者は、『改変戦記モノ』は大嫌いだからなあ」




ちょい悪令嬢「せっかく軍艦擬人化少女などと言う、無限の可能性を秘めたキャラを設定したんだから、本作のように『異世界転生』させろとまでは言わないから、せめて最近公開したばかりの『ウクライナ編』みたいに現在や過去の事実に即して、架空の戦場で『艦む○』たちに思いがけない大活躍をさせるという、『進○の巨人』ばりの野心作にチャレンジすればいいのに」




メリーさん太「……いや、鬼才中の鬼才である本作の作者と比べるのは、さすがに気の毒なのでは?」




ちょい悪令嬢「なんか話に聞くところ、そろそろ放映&配信が始まりそうなアニメ版二期は、『し○れ』ちゃんを主人公にして『ソロモン海戦』を舞台にした、『史実ベース』になりそうですからね」


メリーさん太「いやいや、実際に放映を見てみないと、まだまだわからないぞ? 予想外に超革新作だったりして」


ちょい悪令嬢「そうですかあ、あまり期待できないんですけどねえ……」


メリーさん太「まあ確かに、せっかく軍艦を女の子にしたんだから、史実通りに海戦をさせるのでは無く、本作みたいに『異世界転生』は無理でも、陸戦で効果的に使って、絶望的な戦況を覆すなんてシークエンスは、是非とも見てみたいよな」




ちょい悪令嬢「それよりも何よりも、年端もいかない少女たちを戦場に送り込まなきゃならないという、提督さんの悲哀を、今回のアニメ版においてこそ実現なされるよう、是非ともよろしくお願いいたしますよ、制作スタッフの皆様♡」

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