第960話、わたくし、ゼイゼイくたばれ! 吸血鬼退治魔法少女アルミですの☆【解説編】

メリーさん太「……年頭早々またまた【突発短編】の登場だけど、前回のは一体何だったんだ?」


ちょい悪令嬢「何って、以前予告していた、本作の【魔法少女編】の『吸血鬼化』アレンジ版ですけど?」




メリーさん太「──何かもう、『ツッコミどころ』満載だったんですけど⁉」




ちょい悪令嬢「……ツッコミどころ、ですか?」


メリーさん太「何をさも、意外そうな顔をしているんだよ⁉」


ちょい悪令嬢「そんなにおかしな点が有りましたっけ? 具体的には、どの辺でしょうか?」




メリーさん太「有ったよ! むしろおかしなところばかりだよ! そもそもどうして、聖なる宗教団体所属の魔法少女の正体が吸血鬼で、しかもその上、自分と同じ吸血鬼を退治しているんだ⁉」




ちょい悪令嬢「これについては、最初に『既存のキャラの吸血鬼化』を扱った一本前の【突発短編】の作成中において、むしろ『魔法少女は吸血鬼であってしかるべき』であることに気づいたからですよ☆」




メリーさん太「……は? 魔法少女が吸血鬼であって、当然、って」




ちょい悪令嬢「もはや『魔法少女』作品ファンの間では、それまで普通の女の子に過ぎなかったのに、魔法少女になった途端、敵の怪物等と互角に激闘を繰り広げたりするなんて、とても『現実的では無い』のは、『共通認識』と言っても過言ではありませんよね?」


メリーさん太「まあ、そうだな。いろいろ物議を醸したとはいえ、かの超傑作アニメ『ま○か☆マギカ』シリーズにおいて、『女の子は魔法少女になった途端、肉体的にはゾンビになってしまう』と言うのは、むしろ『納得の仕儀』とも言えるよな」


ちょい悪令嬢「いえいえ、納得どころか、『ゾンビ』であること自体は、もっと物議を醸すべきなのです!」


メリーさん太「──ちょっ、よりによって今更になって、『大御所作品の重要設定』に対して、クレームをつけるつもりなのかよ⁉」




ちょい悪令嬢「基本設定を考案なされた虚○玄氏としては、『沙○の唄』との差別化を図るために、本作の【魔法少女編】とは異なり、クトゥルフ神話の変幻自在な暗黒静物『ショゴス』にすることができなかったのでしょうが、『ゾンビ』にしてしまったのはむしろ『悪手』とも申せましょう」




メリーさん太「何で、ゾンビだとマズいんだ? 言うまでも無く『アンデッド』の代表格であり、どんなに攻撃を受けようとノーダメージと言うことは、バトル系魔法少女作品においては、最適な『正体』じゃないか?」


ちょい悪令嬢「代表格と言っても、『最弱』という意味ではありませんの? むしろその『もろい肉体』は、『他のアンデッドの露払い的なやられ役』として以外は、とてもバトル向きとは言えず、せいぜいのところ、ゾンビとバレないように特殊メイクを施して、佐○県あたりにおいて『アイドル活動』をやらせるくらいが関の山でしょう」


メリーさん太「──やけにピンポイントな、活用方法だな⁉」


ちょい悪令嬢「実は『ま○か☆マギカ』シリーズにも、『カ○ハ☆マギカ』という、アイドルグループがおられまして……」


メリーさん太「そのネタ、しつこい! 確かに彼女たちは魔法少女だけど、別に『ゾンビ』であることをウリにして、『町興し』しているわけじゃ無いだろうが⁉」


???「──私たち魔法少女の正体が『ゾンビ』だと言うのなら、みんな氏ぬしかないじゃない⁉」


メリーさん太「は?」


???「……もう、氏んでいますけどね〜」


メリーさん太「──おい! 何を著作権ギリギリなことを、突然言い出しているんだ⁉」


ちょい悪令嬢「『カ○ハ☆マギカ』のマ○さんはメンタル弱過ぎますが、佐○県のゾンビアイドルグループ『フランシ○シュ』の純○ちゃんのほうは、実は意外にもかなりの『メンタル強者』だったりして?」


メリーさん太「──そんな、どこかの絵師のツイッターに有りそうな『ワンドロ』ネタはいいから、とっとと本題を続けろ⁉」


ちょい悪令嬢「はいはいw ──つまりですね、同じ『アンデッド』だったら、ゾンビなんて言う『最弱キャラ』では無く、むしろ誰もが認める『最強キャラ』にすべきってことですよ」


メリーさん太「……その『最強のアンデッド』ってのが、『吸血鬼』ってわけか?」


ちょい悪令嬢「そりゃあ当然でしょう、吸血鬼と言えば、アンデッドどころか、ファンタジーキャラ全部ひっくるめても、トップクラスの実力者と申せましょう!」


メリーさん太「それに異論は無いけど、ゾンビの代わりに『魔法少女の正体』として設定するのは、どうなんだ? 確かに今や美少女吸血鬼を主役にした『異能バトル作品モノ』なんかも少なくないけど、純然たる魔法少女とは少々イメージがズレているのでは?」


ちょい悪令嬢「おやおやメリーさんたら、さっきから一体何を聞いていたのですか? 吸血鬼とは言うなれば、『アンデッドとしてはゾンビの上位互換』的存在であり、ゾンビが魔法少女の正体になれるのなら、吸血鬼だって別におかしくは無くなるのですよ」


メリーさん太「あ」




ちょい悪令嬢「これについては、一本前の【突発短編】に基づいて、詳細にご説明申し上げましょう」




メリーさん太「ああ、あの解説編の時に述べていた、吸血鬼の『超常なる身体能力』にこそ注目して、『革新的戦争モノ』等に活用すべき──ってやつか?」




ちょい悪令嬢「もちろんそれもありますが、むしろ『魔法少女になること=吸血鬼になること』であるからこそ、本来なら叶えられることの無かった『奇跡』──すなわち、元祖『ま○マギ』や外伝『マギ○コ』において、数々の女の子たちが魔法少女になる代わりに叶えてもらった『願い』が、吸血鬼になりさえすれば、彼女たち自身の手によって叶えられることになるのです!」




メリーさん太「──なっ⁉」


ちょい悪令嬢「例えば『ま○マギ』におけるさ○かちゃんは、『魔法少女=ゾンビ』になることによって絶望の淵に叩き落とされて、最後には魔女になってしまいますが、むしろ『吸血鬼』になることこそが大正解だったのであり、何と自分の力ですべてを手に入れることができるのです!」


メリーさん太「吸血鬼化が大正解だと? しかも、すべてを手に入れるって……」




ちょい悪令嬢「まずさ○かちゃん本人が『魔法少女=吸血鬼』となることで、当然『血を吸うことで他者を吸血鬼にする』能力を有することになりますので、愛する上○君の血を吸って彼のことも吸血鬼にすれば、あ〜ら不思議、『不死王ノーライフキング』ならではの超絶治癒能力によって、絶対に治らないと思われた彼の腕が完全に快復して、ヴァイオリンも弾き放題となり、すべては最高のハッピーエンドを迎えるのです!」




メリーさん太「──いやいやいや、それは無いだろ⁉ むしろ上○君からは(お互いに死ねないこともあり)、永遠に恨まれてもおかしくは無いだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「……どうしてです? せっかく怪我を治してやったというのに」


メリーさん太「原作ではさ○かちゃん自身がゾンビになっただけでも大問題だったのに、上○君まで本人に無断で吸血鬼にしてしまって、彼が喜ぶわけが無いじゃないか⁉」




ちょい悪令嬢「そんなことはありませんよ? 作品を見ていて確信したのですが、上○君てば思春期まっただ中だというのに、自分に懸想している美少女二人の恋愛感情なんてまったく気づく素振りの無い、筋金入りの『音楽馬鹿』なのです! それが二度とヴァイオリンを弾けないという絶望的状態から、いくら怪我してもたちまちのうちに快復するのみならず、それどころか一切歳をとることも無く、永遠にヴァイオリンを弾き続けることができる身体にしてもらったのなら、さ○かちゃんに対して感謝感激雨あられ状態となり、彼女が望むなら、(暇な時に片手間にw)恋人として『いろいろなサービス♡』をしてやることも、やぶさかでは無いでしょう♫」




メリーさん太「……うわあ、もしかして『音楽家』って、そんなやつらばかりなのか⁉」


ちょい悪令嬢「少なくとも、『本気で道を究めよう』としている、俗に『天才』とも呼ばれている人たちはね。──上○君はどうやら、『選ばれた者』みたいですしね」


メリーさん太「──ここら辺についての詳しい事情は、竹○恵子先生の『変○曲』シリーズや、あざ○耕平先生の『ダン・サリ○ル』シリーズを、どうぞお読みくださいませ☆」




ちょい悪令嬢「更にわかりやすい例を挙げれば、外伝の『マギ○コ』シリーズにおける、(最近アニメヴァージョンが原作ゲーム版に実装されたばかりで話題沸騰の)や○よさんの『生き残りたい』と言う願いは、まさしく『吸血鬼化』にふさわしいし、主人公のい○はちゃんの『お願いキュ○べえ、う○の病気を治して!』は、さ○かちゃん同様にまずは自分自身が吸血鬼になって、う○ちゃんや、おまけに灯○ちゃんやね○ちゃんの血を吸って吸血鬼にすることによって、どんな難病も完全治癒させることができるといった次第であります」




メリーさん太「う、うん、『マギ○コ』に関しては、主役級のほとんどに、その『吸血鬼化理論』が通用するから文句は無いけど、元祖『ま○マギ』におけるさ○かちゃん以外の、他の主要メンバーのほうはどうなんだよ?」




ちょい悪令嬢「それに関しては、むしろ『ま○マギ』か『マギ○コ』かにかかわらず、まったく問題ありません。いわゆるファンタジー系の作品においては、吸血鬼は魔法的にも最高位の存在であって、どんな魔法でも使い放題で、例えばほ○らちゃんの『時間操作系の魔法』であろうとも、朝飯前だったりするのです」




メリーさん太「──いきなり、説明が雑になったな⁉ そんなんじゃもはや、『何でもアリ』じゃ無いか!」




ちょい悪令嬢「だったら、そもそもキュ○べえがどんな奇跡も実現可能だったり、魔法少女がどうして魔法を使えたりするのか、具体的かつ科学的に、説明できるとでも言うのですか?」




メリーさん太「──うっ」




ちょい悪令嬢「……まあ、わたくしだったら、できますけどね」




メリーさん太「──できるのかよ⁉」




ちょい悪令嬢「ですから、毎度お馴染みの『肉体のショゴス化』&『集合的無意識とのアクセス方式』ですよ。アンデッドで変幻自在な吸血鬼の肉体がショゴスで構成されているのは言うまでも無く、更には高位の魔法的存在なので当然のごとく『集合的無意識との最上位のアクセス権』を有していて、自分の身体だろうが、その他のすべての自然現象だろうが、いかようにも変化メタモルフォーゼさせることによって、ありとあらゆる『奇跡や魔法』を実現可能とするのですよ」




メリーさん太「……ああ、本当に、いつものパターンなわけだな」


ちょい悪令嬢「ポイントは、『吸血鬼には最上位の集合的無意識とのアクセス権が有る』と言うことであり、このことについては本作のこれまでのパターンからして、別におかしな話でも無いでしょう?」




メリーさん太「うん、そうなるといよいよ、『魔法少女の正体は、実は吸血鬼である』ことは、認めざるを得なくなるってわけか」




ちょい悪令嬢「──それだけでは無いのです!」




メリーさん太「は? 他にも何かあるって言うのか?」




ちょい悪令嬢「『吸血行為=性行為の象徴メタファ』であることは、もはや言うまでもありませんよね? そして何よりも『同性同士でもOK♡』なのですよ! ──つまり魔法少女が吸血鬼であれば、『百合であることが必然』となるのです!」




メリーさん太「──結局、それが言いたかったのかよ⁉」







ちょい悪令嬢「……い○はちゃんの『願い』が叶って延命したう○ちゃんだけど、元々身体が弱かったせいもあって、完全に吸血鬼化することができず、絶えず血液を与えられなければすぐにでも死んでしまうという状況に陥ってしまい、自分が吸血鬼にしてしまった負い目のあるい○はちゃんが、己自身が衰弱することも顧みずに血液を与え続けると言う、いかにも禁忌な『姉妹百合・吸血鬼ヴァージョン』!




「……ごめんねお姉ちゃん、私が身体が弱いばかりに、いつも血を分けてもらって」


「ううん、う○は悪く無いよ! 悪いのは、う○を勝手に吸血鬼にしてしまった、この私だよ!」


「そんなこと無いよ! お姉ちゃんのお陰で、私はあの時死なずに済んだんだから!」


「……う○♡」


「……お姉ちゃん♡」




 そしてひしと抱き合い、お互いの喉元に牙を立てる姉妹。


 ──ああ、何と退廃的でありながら、甘美なまでに美しいのでしょう♡」













メリーさん太「──それって、萩○望都先生の『ポー○一族』が元ネタだろうが、いい加減にしろ!」

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