第863話、わたくし、『集合的無意識』は少女たちの『心を映す鏡』だと思いますの⁉
ちょい悪令嬢「──はい、ついに現在絶賛全話順次無料配信中の超必見カルトアニメ『シリアル エクスペリメンツ レ○ン』において、最重要設定とも言える『集合的無意識』(に関する描写)が登場しましたよ!」
メリーさん太「ほう、前々回において当【座談会】で取り上げた途端、早速か? ──して、内容のほうはどうだった?」
ちょい悪令嬢「どうだった、とは?」
メリーさん太「おいおい、何をすっとぼけているんだ、決まっているじゃん? 前々回における最大のテーマである、本作と『レ○ン』との、『集合的無意識の捉え方の違い』についてだよ」
ちょい悪令嬢「ああ! そうそう、そうでした!」
メリーさん太「いやいや、そこが一番大事なとこじゃないか? 下手に同じようなものになったら、『
ちょい悪令嬢「おっと、いけね、面目次第もございません!」
メリーさん太「……やけに反応が軽いな? 肝心の内容はどうだったんだ?」
ちょい悪令嬢「──ご安心ください! 本作と『レ○ン』における『集合的無意識』の捉え方は、異なっていたどころか、下手すると『真逆』と言ってもいいほどでございました!」
メリーさん太「真逆、だって?」
ちょい悪令嬢「簡単に申しますと、本作においては、あらゆる世界のあらゆる存在から無数の情報が『集約』することによって、集合的無意識が象られているのに対して、『レ○ン』においては、集合的無意識を
メリーさん太「む、『集約』に『分散』か。なるほど、確か『レ○ン』の(裏)テーマの一つに、『偏在』と言うのがあったっけ」
ちょい悪令嬢「これでひとまずは、安心ですね。──もちろん、『レ○ン』を全話視聴し終えてみなければ、確信は持てませんけど」
メリーさん太「でもよお、
ちょい悪令嬢「……あー、言われてみれば、そうかも知れませんねえ」
メリーさん太「認めるのかよ⁉ だったら、駄目じゃん!」
ちょい悪令嬢「いえ、一応作中においては、個々人のパソコンに現れる『魔法少女』にしろ『クトゥルフの怪物』にしろ、それぞれ『別々の存在』としましたからね。『レ○ン』とは明らかに『差別化』がはかられております」
メリーさん太「だったらどうして、さっきはあたしの指摘に同意したんだよ?」
ちょい悪令嬢「ですから、『言われてみれば』、気がついたのですよ」
メリーさん太「気がついた、って……」
ちょい悪令嬢「アイディアの一つとして、個々人のパソコンにアクセスしてくるのは、まったく別々の『魔法少女』や『クトゥルフの怪物』や『異世界の魔物』であるようでいながら、実はすべて同一の存在でしか無く、『受け手』側によってそれぞれ『別物』に見えてしまうって
メリーさん太「ああっ! そういや『沙○の唄』なんて、まさしくそんな感じだったよな⁉」
ちょい悪令嬢「元々すべては、『クトゥルフ神話』において高名なる不定形暗黒生物『ショゴス』によって、『つくられている』んですしね」
メリーさん太「なるほど、各個人の脳みその中に元々存在していた『情報』が、各々(パソコンやスマホ等を通して)目の前に現れたショゴスに影響を及ぼして、その情報そのままに
ちょい悪令嬢「『幽霊の正体見たり枯れ尾花』ってやつですよ。例えば『自殺した親友や幼なじみに負い目を持っている』者だったら、自分の前に『化けて出てきて当然』と思っていてもおかしくはありませんからね」
メリーさん太「……つまり、『魔法少女』や『異世界の魔物』の正体は、その者の『心の影を映し出す鏡』のようなものってことかよ?」
ちょい悪令嬢「まさしく、『マギ○コ』の『ド○ペル』そのものですわね」
メリーさん太「うん、あくまでも『アイディアの一つ』と言うことなら、十分にアリじゃないのか? …………少々『ありがち』とは思うけど」
ちょい悪令嬢「ところがどっこい、これが『レ○ン』の世界観で行われるだけで、むしろ独特な雰囲気さえもかもし出すんですよねえ〜」
メリーさん太「……そういや、『沙○の唄』も似たようなものだったのに、むしろ『オンリーワン』な世界観になり得ていたよな」
ちょい悪令嬢「これも『レ○ン』に教えてもらったことですが、要するに『世界観』──いわゆる『作品の雰囲気』と言い換えてもいいんですけど、これにしっかりと『独自性』が保たれていると、けして『ありがち』になったりはしないのですよ!」
メリーさん太「おお、結局のところ何よりも重要なのは、『
ちょい悪令嬢「それでなくても『集合的無意識』をモチーフにした作品は、けして少なくは無いし、極論すれば、すべての作品は『集合的無意識』に何らかの影響を受けているとも言えますからね」
メリーさん太「へ? それって……」
ちょい悪令嬢「例えば『マギ○コ』特有のギミックである『ウワサ』なんかは、『思春期の少女たちの無意識の感情エネルギーの集合体』のようなものだと言う見方もあるそうなんですよ」
メリーさん太「『ウワサ』が、女の子の感情の集合体だって?」
ちょい悪令嬢「ざっと名前を挙げるだけで、『絶交階段○ウワサ』に『ひとりぼっちの最果て○ウワサ』に『透明人間○ウワサ』ですよ? それぞれ思春期の女の子同士の、『友情のこじれ』や『ディスコミュニケーション』や『無個性な生徒を主に無視するいじめ』なんかを想起いたしません?」
メリーさん太「──言われてみれば⁉」
ちょい悪令嬢「もちろん『マギ○コ』本編の設定では、『ウワサ』は『マギ○ス』によって人為的に創り出されていることになっていますけどね。──でも、世界観における『メタファ』としては、そういったことも有り得ると思うのですよ」
メリーさん太「そもそも『魔法少女』──ひいては、その『裏の顔』である『魔女』や『ド○ペル』が、少女たちの『願望』のメタファであるとする、『ま○か☆マギカ』シリーズにおいては、大いにありそうだよな?」
ちょい悪令嬢「そうでしょうそうでしょう、まさしく『目の付け所』が違うでしょう!」
メリーさん太「いやいや、これって別に、本作の作者自身が気づいたんじゃ無いんだろうが?」
ちょい悪令嬢「ええ、『リス○ニ!』というアニメ雑誌の、『マギ○コ特集』のコーナーにおいて述べられておりましたの」
メリーさん太「『リス○ニ!』って初耳だな。どんな雑誌なの?」
ちょい悪令嬢「アニメ作品におけるOPやEDを始めとする主題歌や劇中歌等、使用楽曲の紹介&評論をメインとしながら、ひいては作品そのものの秘められた意義を浮き彫りにするといった、重度のアニメマニアの皆様にとって必読とも言える書物ですわ」
メリーさん太「楽曲の評論によって、作品の真の意義をえぐり出すだと?」
ちょい悪令嬢「あら、意外ですか?」
メリーさん太「……確かにアニメ作品にとってOPやEDは、今や『作品の顔』と言ってもいいくらい重要だけど、むしろそれ故に、とにかく見る人の関心を集めるために、場合によっては作品の本質をも無視した、『インパクト優先』のものも少なくないんじゃないのか?」
ちょい悪令嬢「もちろんそう言った面も十分あり得ますが、それは特にOPやEDにおける、『メロディ』や『アレンジ』や『作画』方面の話で、皆さん意外に『聞き流しがち』な歌詞に注目(ていうか注『耳』か?)してみると、またガラッと印象が変わるものなんですよ?」
メリーさん太「歌詞? 『マギ○コ』のOPやEDの歌詞って、それ程メッセージ色が強かったっけ?」
ちょい悪令嬢「おや、そんなことをおっしゃるくらいなら、メリーさんはOPやEDの歌詞を、一文一句覚えておられるわけなのですか?」
メリーさん太「えっ⁉ い、いや、そのう……」
ちょい悪令嬢「まあ、そんなところでしょうね。アニメのOPやEDなんて、聞くほうも『フィーリング優先』で聞いており、サビの部分や印象的なフレーズ以外の歌詞なんて、ろくに覚えてはおられないでしょう」
メリーさん太「だったらあんたは、ちゃんと覚えているのかよ?」
ちょい悪令嬢「ここで具体的に語り始めると、某『うるさい団体』様がうるさいですので、控えさせていただきますが、『リス○ニ!』における『マギ○コ』EDを担当なされた『TryS○il』の皆様のインタビューによると、これまでに無くかなり『絶望的な』フレーズが網羅されており、『マギ○コ』の先行きの不穏さを感じられたとのことでした」
メリーさん太「絵面だけなら、OPはいかにも『魔法少女モノ』って感じだし、EDは言わずと知れた『百合全開』って感じなんだけどな」
ちょい悪令嬢「そうですかあ? EDに関しては早くからネット上等において、『死のイメージを彷彿とさせる』と言われていましたし、『リス○ニ!』のインタビューにおいても、『石が
メリーさん太「……ああ、だからタイトルがラテン語で『石』を表す、『Lap○s』だったのか」
ちょい悪令嬢「何せ外伝と言っても、れっきとした『ま○マギ』シリーズですからね。『TryS○il』の皆様におかれましても、自分たちの演じるキャラたちが今後どんな悲惨な目に遭うのか、戦々恐々といったご心境だそうですわ☆」
メリーさん太「うんうん、確かにセカンドシーズンは、序盤はい○はちゃんを、終盤は鶴○ちゃんを焦点にして、や○よさんが踏んだり蹴ったりの目に遭うという、『TryS○il』のメンバー受難のシーズンだったよなw」
ちょい悪令嬢「更にはEDをビジュアル的に象徴している『蝶』についても、古来から『あの世への道先案内人』と見なされてきましたし、『胡蝶の夢』や『バタフライエフェクト』等においては、『集合的無意識』や『量子論』のメタファであるところも、本作的には見逃せませんよね!」
メリーさん太「……あー、そういや元祖『ま○マギ』における、ま○かちゃんに対する『因果律』関連の
ちょい悪令嬢「『多世界解釈』こそ、『集合的無意識』にとっての、『量子論』が根幹をなす現代物理学における、最大の根拠とも言えますしね」
メリーさん太「なるほど、集合的無意識と関連付けることのできる作品て、結構少なく無いんだな」
ちょい悪令嬢「──ていうか、本作において何度も述べているように、インターネットをモチーフにしている
メリーさん太「……だったら、『異世界転生』をモチーフにしている、特に『なろう系』と呼ばれているWeb小説はどうなんだよ?」
ちょい悪令嬢「もちろん本作に代表されるように、『集合的無意識』と『多世界解釈量子論』との両方と、切っても切れない関係にありますの♡」
メリーさん太「……何だ、結局今回も、『手前味噌』の結論に落ち着くわけかよ?」
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