第752話、わたくし、『同性婚』を認めると『近親婚』まで認めることになると思いますの⁉

ちょい悪令嬢「──さて、最近はアニメ関係の話題ばかりが続きましたので、今回は久方振りに『ジェンダー』をテーマにいたしますよ!」




メリーさん太「……おいおい、またやるのかよ? 『政治関係』は何かとセンシティブだから、できるだけやめておいたほうがいいぞ?」




ちょい悪令嬢「ふっふっふっ、それがですねえ、ジェンダー関係の問題のうち、『同性婚』について、方法論が見つかったのですよ!」




メリーさん太「──なっ⁉」




ちょい悪令嬢「いやあ、やっぱネットは最高ですわ! 確かに『玉石混淆』であることは否定しませんが、偏向したフィルターのかかっている新聞やテレビや大衆雑誌等の『オールドメディア』ではけして見いだせない、『真実』や『真理』を手に入れられる可能性がありますものね!」




メリーさん太「……つまり、ネット上で、何か『注目すべき書き込み』があったというわけか?」


ちょい悪令嬢「はい!」


メリーさん太「うわあ、すげえ『いい笑顔』で、即答しやがった。なんか、むちゃくちゃ聞きたくないんですけど……」


ちょい悪令嬢「結局は、本作において何度も何度も申し上げているように、『リスク管理能力』こそが、すべてなんですよ!」


メリーさん太「『リスク管理能力』? ジェンダー対策が?」


ちょい悪令嬢「ほら、『同性婚』を認めるのなら、『ロリコン』や『重婚』や『死体婚』や『近親婚』とかも認めるべきだという、『暴論』があるでしょう?」


メリーさん太「暴論て…………まあ、暴論といえば、暴論だよな。『ロリコン』や『重婚』や『死体婚』は、下手したら犯罪だし、『近親婚』に至っては、『道徳上』はもとより、『遺伝学』的にも禁忌の行為だしな」


ちょい悪令嬢「おや、道徳が問題になるのなら、『同性婚』も駄目なのでは?」


メリーさん太「な、何を言い出すんだ、アルテミスさん! もしもそんなことを誰かに聞かれてしまったら、『差別主義者』の烙印を押されてしまうぞ⁉」


ちょい悪令嬢「え、『同性愛』って、道徳的に問題あるんじゃないですか?」


メリーさん太「一体いつの時代の話をしているんだ⁉ もはや人を愛することは、『性別の境界線』を越えて、人権を獲得しているんだよ!」


ちょい悪令嬢「だったら、同じく道徳的に問題があるとはいえ、『近親婚』を否定するのも、差別ではなくって?」


メリーさん太「『近親婚』は、道徳上のみならず、『遺伝学』的にも問題があるだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「ほう、でしたら、『遺伝学』的に問題が無かったら、『近親婚』も認められるわけで?」


メリーさん太「『近親婚』において『遺伝学』が、問題では無くなるって? そんなことはあり得ないだろう。──万が一『遺伝学』をクリアしたとしても、道徳的に問題あるしな!」


ちょい悪令嬢「あら、道徳的な問題を指摘するのなら、『同性婚』も駄目になるのでは?」


メリーさん太「……う、う〜ん、確かに道徳的な問題が取り沙汰されないとしたら、後は『遺伝学』上の問題だけになるけど、こればっかりはけしてクリアされないからなあ」


ちょい悪令嬢「そんなことありませんよ、もしも『同性婚』が法的に成立すれば、『近親婚』に関しても、一部とはいえクリアされますよ?」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「兄弟や姉妹や親子や祖父母と孫とで、結婚すればいいのですよ。『同性』だったら『近親者』同士であろうとも、絶対にので、『遺伝学』上の問題は、完全にクリアできるのでございます」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「いやあ、これって本作の作者が自分で気づいたのでは無く、ネット上の書き込みで見つけたのですが、見事なまでな『論理的思考』ですなあ。心から感服いたしましたわ♡」


メリーさん太「い、いや、ちょっと待て!」


ちょい悪令嬢「おや、メリーさん、何かご不審な点でも?」


メリーさん太「それってつまり、『同性婚』と『近親婚』とを、悪魔合体させたわけえ⁉」


ちょい悪令嬢「悪魔合体て………………ええ、まあ、そうですわ」


メリーさん太「いや、それって、どうなの⁉」


ちょい悪令嬢「別に何も問題は無いと思いますが?」


メリーさん太「問題は無いって、『同性婚』だけでもアレなのに、『近親婚』まで絡めて、問題が無いわけが──」


ちょい悪令嬢「──逆、なのですよ」


メリーさん太「へ? 逆、って?」


ちょい悪令嬢「問題だらけの『同性婚』と問題しか無い『近親婚』を合体させたからこそ、それぞれの『問題部分』が、対消滅してしまったのです!」


メリーさん太「つ、対消滅う⁉」


ちょい悪令嬢「何せ『同性』であれば、『近親』であっても、『遺伝学』上問題は無くなりますからね」




メリーさん太「──いいや! 問題は別に、消滅したりはしないよ! たとえ『遺伝学』的に問題が無くなっても、同性だけでは無く近親までとなったら、もはや『道徳』上絶対に許されないだろうが⁉」




ちょい悪令嬢「御名答」




メリーさん太「え」




ちょい悪令嬢「これまでの『同性婚』推進派の主張は、『もはや同性愛は道徳的に問題無い! 今時道徳がどうのこうの言うやつは、時代遅れの差別主義者だ!』と言う、むしろ『おまえこそ偏見に満ちた差別主義者じゃねえのか⁉』と言いたくなるような詭弁まがいの暴論でしたが、『同性』だけでは無く『近親』までも絡んできたんじゃ、もはや『道徳的に認められない』という正論を黙殺することは不可能でしょう」




メリーさん太「で、でも、『同性婚』が法的に認められたからって、同性の親子や兄弟で結婚するとは限らないだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「どうしてそんなことが断言できるのです? 『遺伝学』的に問題が無いのだから、新たに設けられた法制度に基づいて結婚したっていいじゃないですか?」


メリーさん太「いやだから、道徳的に問題があるし……」


ちょい悪令嬢「そもそもかつて道徳的に問題があると思われていた、『同性婚』が認められようとしているのですから、もはや『道徳的か否か』は問題にならないのですよ」


メリーさん太「いやいやいや、『同性婚』だけならともかく、『近親婚』は絶対に認めちゃ駄目だろうが⁉」




ちょい悪令嬢「だからこそむしろ、『同性婚』自体、絶対認めてはならないのです!」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「このように、一度『同性婚』を認めてしまうと、何と『近親婚』の遺伝学的問題すらも解消してしまうことになって、更なる由々しき問題を生み出す可能性があるのです! ──あなたは、『同性の兄弟や親子が正式に結婚できる日本』なんて、許せますか? そんなもの、絶対に許せませんよね⁉ まさしく『人間としての倫理観の崩壊』以外の何物でも無いでしょう! だから絶対に、『同性婚』なんて認めては駄目なのです!」




メリーさん太「いやでも、『近親婚』については、遺伝学だけでは無く、民法等のれっきとした法律によって、『直系及び三等親以内の親族間での婚姻は認められない』とかいった規程があったんじゃなかったっけ?」




ちょい悪令嬢「だから、『同性婚』を認めてしまうと、その民法の『近親婚禁止』の規程すらも、『遺伝学的に問題が無くなったんだから別に認めてもいいだろう?』とか、『道徳観を問題にして愛の形を規制するのは差別だ!』とか、『よって同性の近親者間の婚姻を禁止した規程は、法の下の平等を定めた憲法違反だ!』とかいったふうに、『ジェンダーのいつもの手口』によって、強行突破されかねないのですよ!」




メリーさん太「──うわっ、やりそう! ジェンダーのやつらだったら、ガチでやりそう!」




ちょい悪令嬢「ね、『同性婚』にしろ『LGBT』にしろ『夫婦別姓』にしろ、『エセ人道主義者』どもに少しでも隙を見せたら、おしまいなのですよ! 何よりも『リスク管理能力』こそが、為政者に最も求められる資質なのであって、今回の国会における政府与党の厳然たる姿勢は、十分に『合格点』と申せましょう! もちろん日本国民の皆さん一人一人も、けしてエセ人道主義者どもの『甘言』に騙されること無く、日本ならではの美しき伝統と倫理観と道徳とを、全力で守って参りましょう♡」












メリーさん太「……ちなみに、『LGBT』や『夫婦別姓』には、どんな『派生的なリスク』が考えられるわけ?」




ちょい悪令嬢「『LGBT』については、すでに本作でも何度も指摘しているように、『政界やスポーツ界における、女性の権益の横取り』──つまり、同じ『ジェンダー』でありながら、『フェミ』勢力と矛盾的かつ対立的関係にあるのです。『夫婦別姓』については、『家庭』という日本社会の最小単位における構成メンバーの解体による、社会そのものの解体の促進に、戸籍制度や結婚制度の形骸化や、災害時等における避難及び救助活動の混乱等々が考えられます」




メリーさん太「──むちゃくちゃ危ないやつリスクばかりじゃんか⁉」




ちょい悪令嬢「このように、いかにも『いいこと』のように思えても、その裏に何らかの『リスク』が潜んでいないか、ちゃんと見定めることができてこそ、『真の為政者』というものであるからして、政府与党の皆様にはけして『誤った道』に進まれることの無きよう、どうぞよろしくお願いいたしますわ☆」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る