第717話、わたくし、『同性愛者』は社会に迎合するよりも、『反逆者』であるべきだと思いますの!(前編)
ちょい悪令嬢「──とまあ、三回にわたって、『LGBT保護』や『同性婚』を中心にして、現在の『ジェンダー問題』に深く切り込んだわけですが、どうしてここまで執拗に、現在表舞台に出て来て様々な『権利要求』をしている、『性的マイノリティ』たちに対して攻撃的なのかと申しますと、ちゃんとした理由が有るがあるのです!」
メリーさん太「……はあ? あれだけ『ポリコレ活動をやっている同性愛者』の皆様を、すべて『偽物』と決めつけかねないディスり三昧に、理由が有るだって?」
ちょい悪令嬢「ええ、あいつらにはあまりにも、同性愛者にとって、有って当然のものが、『無さ過ぎる』のですよ」
メリーさん太「有って当然のもの、って……」
ちょい悪令嬢「『ポリシー』、ですよ」
メリーさん太「………………………は?」
ちょい悪令嬢「現在『ジェンダー界隈』で、表立って権利を要求したり、『お気持ち表明』をしたりしている、自称『同性愛者』どもは、どいつもこいつも『ポリシー』が無さ過ぎるのです!」
メリーさん太「……何で、赤の他人であるあんたが、そんなことを断言できるんだ?」
ちょい悪令嬢「だって、『ポリシー』があれば、人前で自分が『同性愛者』であることを宣言したり、しかも厚顔無恥にも、必要以上に『権利を主張する』ことなぞ、絶対あり得ないのですもの」
メリーさん太「え?」
ちょい悪令嬢「──ていうか、『ポリシー』が無いと、そもそも(本物の)同性愛者なんかに、なるはずは無いのです!」
メリーさん太「ええっ⁉」
ちょい悪令嬢「これは別に本作の作者自身の体験談というわけでは無く、あくまでも『知人の話』なのですが──」
メリーさん太「………………おい?」
ちょい悪令嬢「彼のポリシーとしては、同性愛者になるのに、『それなりの覚悟』が必要になるのでは無く、そもそも『それなりの覚悟』があるからこそ、人は同性愛者になれる──とのことなのです」
メリーさん太「それなりの覚悟、って?」
ちょい悪令嬢「本作の作者お得意の、『ぶち壊し』、ですよ!」
メリーさん太「はあ?」
ちょい悪令嬢「そもそも同性愛なんて言う茨の道を選ぶに当たって、『自分の本当の気持ちに従う』ためには、『世の中の常識に背く』ことも厭わずに、『誰かの理解を得る必要も無く』、『己の意志を貫き通す』と言う、不断の決意があるべきなのです!」
メリーさん太「──‼」
ちょい悪令嬢「どうです、これぞ『本物の同性愛者』と言うものですよ」
メリーさん太「……ほ、本物の、同性愛者?」
ちょい悪令嬢「同性愛を選んだのは、あくまでも自分自身であり、自分の意志であり、自分の主義であって、誰からも理解を得られずとも、自分の道を進むのみなのだ! ──もちろん、自分が他の人たちとは『違う』ことは、先刻承知! むしろ『違う』ことがこそが、
メリーさん太「──ど、同性愛、道⁉」
ちょい悪令嬢「だからこそ
メリーさん太「──うおおおおおおおおっ⁉ か、カッコいいいいいい!!!」
ちょい悪令嬢「ふふふ、どうやらメリーさんにも、ご理解いただけたようですね」
メリーさん太「そうだよな! 自ら『アウトロー』としての道を選んだんだ。それなのに自ら社会に迎合しようとして、どうする⁉」
ちょい悪令嬢「それこそまさに現在、『同性婚』だの『LGBT』だのと言っているやつらが、『偽物』であることが、ようくわかったでしょう?」
メリーさん太「うんうん、あいつらのやっていることってすべて、『真の同性愛道』とは、真逆のことばかりじゃん!」
ちょい悪令嬢「……ほんと、見ていてイライラするんだよ、『おまえら』って。『
メリーさん太「──どうどうどうどう! 気持ちはわかるが、もうちょっと落ち着け! 言っていることは論理的に正しいかも知れないけど、そのように一方的にまくし立てるだけでは、前回までのシリーズ同様、読者の皆様の共感を得られないぞ⁉ もうちょっと、わかりやすい『例え』とかを交えて、穏便に解説を行ってくれ!」
ちょい悪令嬢「ああ、それならば、『暴走族』なんかは、どうでしょう?」
メリーさん太「暴走族う⁉」
ちょい悪令嬢「そうです、まさにこれぞ、社会への『反逆者の代名詞』! 疾走し続ける『暴力青春』! 彼らは自分の意志によって、自分がやりたいから、どこまでも自分勝手に、『ツッパリ』続けているのです! ……そんな彼らが突然、『俺たちだって平等に扱われる権利があるんだ!』とか、『暴走族に対する偏見をやめろ!』とか、『暴走族に対するすべての差別やヘイト行動を、法律で禁止しろ!』とか言い出したら、どうです? 『興ざめ』もいいところでしょう? 世間の理解を得ようとしたり、世間に迎合しようとしたり、世間に庇護を求めようとしたりする、暴走族なんて、もはや暴走族ではありませんよ!」
メリーさん太「……
ちょい悪令嬢「──さあて、何のことやら」
メリーさん太「とぼけるんじゃないよ⁉ 確かにかなり熱が入った説明だったし、大筋のところは同意だけど──」
ちょい悪令嬢「けど?」
メリーさん太「『暴走族』なんかを例に挙げても、ほとんどの人が共感できないと思うんだが? 主に『ジェネレーションギャップ』的に」
ちょい悪令嬢「……あ」
メリーさん太「もう少し、時代に即応した例えを、お願いいたします」
ちょい悪令嬢「そ、それなら、『ピアス』なんて、どうでしょう!」
メリーさん太「……ピアス? ああ、まあ、いいんじゃないの?(少なくとも、『暴走族』なんかよりは)」
ちょい悪令嬢「
メリーさん太「──おお、なるほど!」
ちょい悪令嬢「これを『同性婚』に当て嵌めて言えば、『同性愛なんぞ、結婚にふさわしくない!』の一言で、終わってしまうんだよ!」
メリーさん太「……え?」
ちょい悪令嬢「結婚とは、家庭を築くものであり、新しい世代を生み出し、育んでいくものだ! それに対して、『同性愛』は何だ? 単なる『同じ性癖同士の共同生活』に過ぎず、何の生産性も無いし、わざわざ結婚
メリーさん太「──いやいやいやいや、そんなに『正論』で追い込むなよ⁉ そのうち逆ギレして、手のつけようが無くなるぞ!」
(※次回に続きます)
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