第694話、わたくし、ヴァルプルギスの夜も『廻天』休業ですの⁉

ちょい悪令嬢「……そして、新たな始まり、」




メリーさん太「──さあ、物語を続けましょう!」




ちょい悪令嬢「皆様、ビッグニュースです!」


メリーさん太「もうご存じの方もおられるかも知れませんが、何とついに、魔法少女アニメの金字塔『ま○か☆マギカ』の、完全新作劇場版の制作が発表されました!」


ちょい悪令嬢「今年は元祖テレビ版放映10周年と言うことで、期待なされていた方も多いとは思いますが、こうして実際に公式様から告知されると、喜びもひとしおですわね」


メリーさん太「何せ、『ま○マギ』ファンの誰もが、待ちに待っていた瞬間だしな」


ちょい悪令嬢「まさしく、『──待○てたぜェ、この瞬間ときをよォ‼』ですね♫」


メリーさん太「……いや、それは別の作品だろ? ほ○らちゃんのは、『この瞬間ときを待○ていた…!』だよ⁉」


ちょい悪令嬢「とにかく、待ちに待っていたのは、本作の作者も同様で、現在狂喜乱舞しており、もはや自分の作品づくりどころではありません!」


メリーさん太「……だったら、まさにこのあたしたちの会話は、どうやって執筆しているんだよ?」


ちょい悪令嬢「『異世界通信』か何かじゃないですか? 得意の集合的無意識を通じて、自動的にWeb上に記述されているとか」


メリーさん太「──何ソレ、怖い! いや、あたしの知らないところで、新たなる『都市伝説』を生み出すなよ⁉」




ちょい悪令嬢「……そして、新たな始まり、」




メリーさん太「いや、それはもういいから!」


ちょい悪令嬢「まあ、心配なされなくても大丈夫ですよ。今回の電撃発表以前に、すでに二話分のストックを作成中でしたので」


メリーさん太「……だったら、そっちのほうを先に完成させろよ。今日は朝9時ジャストから、現在田舎の実家で介護中の父親のために、新コロナウイルスワクチンの接種予約の申し込みもしなくちゃならないんだから、スケジュールがギチギチなんだろうが?」


ちょい悪令嬢「あ、そっちのほうも問題ありません、すでに『仕込み』は済んでおりますので」


メリーさん太「ただ今日本全国的に、接種予約が非常に困難な状況下にあって、『仕込み』とは、一体何をやるつもりなんだ?」


ちょい悪令嬢「それは、ひ・み・つ、です☆ この時点で明らかにしておいて、実際に予約が取れなかったら、馬鹿丸出しですからね」


メリーさん太「予約が取れないかも知れないって、その『仕込み』、本当に大丈夫なのか?」


ちょい悪令嬢「まあまあ、そろそろ『本題』に戻りましょうよ。何せ現在においては、ネット上も大盛り上がりみたいで、『考察』もすでに始まっているようですし」


メリーさん太「『考察』って……………まだ内容については、全然公表されていない段階でか?」


ちょい悪令嬢「今回のタイトル内の『ま○か』という文字が、『黄色』系統だから、パーソナルカラーが『黄色』である、マ○さんが主役じゃないのかとかどうとか」


メリーさん太「──それは無いだろう⁉ 『叛○の物語』の正統なる続編と言うことは、当然ま○かちゃんとほ○らちゃんとの関係性を軸にして話が進んで行くだろうし、そして何よりも、あれは『黄色』では無く『金色』だろうが⁉」


ちょい悪令嬢「しかも、アルティメットヴァージョンのま○かちゃんの瞳が、金色だったりしますしね」


メリーさん太「つうか、タイトルと言えば、『ワルプル○ス』と明記されているくらいなんだから、『ワルプル○スの夜』が何らかの形でフィーチャーされるのは、現段階で間違い無しじゃん⁉」


ちょい悪令嬢「やはり、『最強の魔女』の面目躍如と言うことで、より強くなって復活するのでしょうかねえ?」


メリーさん太「あるいは、複数いると言われている、魔女の元になった魔法少女たちに、それぞれスポットを当てるとか?」




ちょい悪令嬢「一体何のことなのだ──と、思われている方もおられるかも知れませんが、実はこの時点で明らかになっている情報としては、タイトルが『劇場版魔法少女ま○か☆マギカ【ワルプル○スの廻天】』であり、『【新編】叛○の物語の正統なる続編』で、キービジュアルやティザームービーにおいては、『ひび割れた映像の中の笑顔のま○かちゃんをメインに、その後ろに「ワルプル○スの夜」が浮かんでいて、一番手前にはほ○らちゃんのものと思われる右腕が、画面に向かって必死に伸ばされている』と言った構図になっております」




メリーさん太「うん、『ワルプル○スの夜』が登場することだけは、確実だな」


ちょい悪令嬢「元祖テレビ版における、第1話の冒頭シーンや、最終二話のクライマックスシーンを、彷彿とさせますよね」


メリーさん太「……それはまた、穏やかじゃ無いな。ま○かちゃんがすでに魔法少女コスチュームになっていることからして、今度こそガチで『ワルプル○スの夜』と激突するとか?」


ちょい悪令嬢「つまり、無数に存在する別の世界線の話で、現時点のほ○らちゃんには手が出せないから、あのような『ひび割れた映像に向かって必死に手を伸ばすほ○らちゃん』と言った、キービジュアルになっているのかも知れませんね」


メリーさん太「確かに、別の世界線の話なんて、まるでモニター越しのアニメ作品を見ているようなものだしな」


ちょい悪令嬢「実はキャッチコピーの、『さあ、物語を続けましょう』には、そう言った『メタ』的な意味も含まれていたりして」


メリーさん太「そもそも、前作の『叛○の物語』自体が、原作テレビ版に対する『メタ』そのものだったからな」


ちょい悪令嬢「それを言い出したら、無数の世界線を渡り歩いているほ○らちゃんにとっては、テレビ版を含むすべてのエピソードが、メタ的な『物語』のようなものなのでは?」


メリーさん太「しかもこれって、外伝の『マギア○コード』アニメ版二期の予告動画にあった、『すべての魔法少女を、物語から解放する』と、対をなしているとも言えるよな」


ちょい悪令嬢「『マギ○コ』と言えば、こちらはこちらで、かつてのほ○らちゃんによるループ中の一世界線エピソードに焦点を当てた、『ま○か☆マギカゼロ』という、特別ストーリーをスタートするそうじゃないですか?」


メリーさん太「……『ゼロ』か、嫌な予感しかしないな」


ちょい悪令嬢「──『シ○タゲ』の悪口は、そこまでだ!」


メリーさん太「まあ、まったくと言っていいほど情報が明かされていないこの時点で、考察すること自体が無駄でしか無いんだけどな」


ちょい悪令嬢「そもそも『公開時期』さえも、明らかになっておりませんからね」


メリーさん太「それなのにどうしてここまで、ネット上で盛り上がれるんだ?」




ちょい悪令嬢「──それは何と言っても、脚本が虚○玄氏であることが、公式に発表されたからですよ!」




メリーさん太「……あー、なるほど。そりゃあ『原作テレビ版原理主義者』の皆さんにとっては、それ以外は『無い』だろうよ」




ちょい悪令嬢「『原理主義者』と言えば、早速『アンチ』の皆様が、湧いて出ているようですよ?」


メリーさん太「──あいつら一体何なんだよ、こんなめでたい時にまで、水を差すようなことばかりしやがって⁉」




ちょい悪令嬢「……可哀想な人たちなんですよ、過大な期待を抱き続けた挙げ句に勝手に裏切られたとか思い込んでいる『元原理主義者』とか、ライバル的な作品の崇拝者とか、利益的にライバル関係にある企業の工作員とか、生きている意味も無い、最底辺の糞虫どもですからねえ」




メリーさん太「おいっ、あんたこそこのめでたい時に、言いたい放題『毒』を吐くんじゃねえよ⁉」


ちょい悪令嬢「最近『進○の巨人』にばかり熱中していたとはいえ、『ま○マギ』だって、本作の作者にとっては最重要リスペクト作品ですからね。『アンチどもなんか、この世から一匹残らず駆逐してやる!』ですよ♫」


メリーさん太「混ざっている、混ざっている」


ちょい悪令嬢「ていうか、『進○』や『エヴ○』がついにフィナーレを迎えて、『艦○れ』の二次創作界隈もすっかり『ウ○娘』に乗っ取られてしまって、深い喪失感に襲われていたところに、この『朗報』ですからねえ、作者が狂喜乱舞するのも無理ないかと」


メリーさん太「それに、現在における世間一般の評価がどうであろうと、『ま○マギ』シリーズは、『創作者クリエーター』として見習うところが多々あるし、新作を創っていただけるなら、これほどありがたいことは無いよな」




ちょい悪令嬢「ふっふっふっ、しかもタイトルが『ワルプル○スの廻天』ですからね。まさかこんな偶然があろうとは、本作の作者も思ってはいませんでしたわ♡」




メリーさん太「そういや、本作の作者の最新作のタイトルも、『ヴァルプルギスの心臓』って、言うんだっけ?」


ちょい悪令嬢「それ以前発表した【試作版プロトタイプ】も、『ヴァルプルギスの亡霊』となっております」


メリーさん太「……いや、それってむしろ、『ま○マギ』シリーズの影響を受けてつけたんだろうが?」


ちょい悪令嬢「いえいえ、実在の『ヴァルプルギスの夜』当日を記念して、急遽創った連作短編なのであり、今回の『ネット小説大賞』のエントリー作品である『本当は怖い異世界転生⁉』の番外編でもあって、内容的には『ま○マギ』と言うよりも、『GET○』のアンチテーゼ的なものとなっております」


メリーさん太「……ああ、『本当は怖い異世界転生⁉』でやったやつの、正式続編なのか? あれってむしろ『進○の巨人』のほうが近いんじゃ無いのか?」


ちょい悪令嬢「目に見えない『九条の壁』に囲まれた島国『ブロッケン皇国』に閉じ込められている、凶悪なる魔女たちだけど、年に一度の『ヴァルプルギスの夜』のみは、周辺諸国を侵略しに島外に出て暴れ回ることができるという、斬新な作品です☆」


メリーさん太「──『進○の巨人』そのものじゃねえか⁉」


ちょい悪令嬢「それが驚いたことに、『進○の巨人』を実際に読んだり視聴したりする以前に、作成した作品なのですよ!」


メリーさん太「……まあ確かに、この先行作品である『ヴァルプルギスの亡霊』のほうは、『進○』の直接的な影響は窺えないけど、新作のほうはどうなんだ? このタイトルについている、『心臓』って、まさか?」


ちょい悪令嬢「──ぎくっ」


メリーさん太「『ぎくっ』って、おい⁉」


ちょい悪令嬢「大丈夫ですって、内容的にはけして、パ○リとかじゃありませんからッ!」


メリーさん太「……本当だろうな?」


ちょい悪令嬢「とにかく、タイトルに『ヴァルプルギス』とついているものの、少なくとも『ま○マギ』シリーズとは関係無いことは確かです」


メリーさん太「それなのに、本家の『ま○マギ』のほうが、今更になって『ワルプル○スの廻天』なんてタイトルをつけてくるなんて、驚きだよな?」


ちょい悪令嬢「何せ、外伝の『マギ○コ』ならともかく、本編においては、完全に打倒──いえ、『解放』してあげたキャラだと、思っておりましたからね」


メリーさん太「……一体、『最強の魔女』とは、何だったのか」


ちょい悪令嬢「その『最強』のほどを、改めてアピールする狙いもあったりして」


メリーさん太「『ワルプル○ス』のほうは、まあいいとして、『廻天』のほうは、一体何なんだ? まさか本当に『ヴァルプルギスの亡霊』そのままに、魔法少女自体を『特攻兵器』として使って、最強の魔女たる『ワルプル○スの夜』に対して、自爆攻撃させるんじゃないだろうな?」


ちょい悪令嬢「そんなヤバい偶然まであって堪るか⁉ それに特攻兵器なのは『回天』であって、『廻天』じゃ無いだろうが!」


メリーさん太「……そのヤバい内容の作品を平気で作成したのは、一体どこのWeb作家かな?」


ちょい悪令嬢「──うぐっ⁉」


メリーさん太「それに虚○氏自身、『実は「沙○の唄」の沙○は、旧日本軍が極秘に開発した生体兵器という、裏設定があったり無かったりします』とか言い出すお人だからなあ」


ちょい悪令嬢「──それはあくまでも、SNS上における冗談半分のつぶやきでしょうが⁉」


メリーさん太「と言うことは、共にタイトルに『ワルプルギス』がつくことになったのは、まったくの偶然ってわけか」


ちょい悪令嬢「しかし、この偶然によってこそ、本作の作者のほうは、俄然やる気になったみたいですよ!」


メリーさん太「──すげえ単純なやつだな⁉ あれだけ『進○の巨人ロス』で、落ち込んでいたくせに!」




ちょい悪令嬢「今回の『ネット小説大賞』も大詰めを迎えたことですし、いつまでも落ち込んではいられません! この奇跡的な偶然を天啓として、これからは新作の『ヴァルプルギスの心臓』に全力を注いでいく所存であります♡」
















メリーさん太「……だったら、こんな他人様の作品の『新作発表』をテーマにした、『評論』だか『ステマ』もどきの作品を作成するなよ?」




ちょい悪令嬢「──うっ⁉」

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