第672話、わたくし、エロスとタナトスの、AI戦士ですの♡(中編)

ちょい悪令嬢「──そもそもですねえ、至極常識に考えて、世界がプラナリアか何かのように、分裂するなどと考えるほうが、おかしいのですよ」




メリーさん太「それじゃあ、本作の作者は、パラレルワールドの存在そのものに対して、全否定なのかよ?」




ちょい悪令嬢「いえいえ、先程も申したように多世界解釈量子論に則れば、、この世界とは別の世界が、無数に存在していることになっております」


メリーさん太「……ああ、本作お得意の、『世界は最初からすべてのパターンが揃って存在していて、未来永劫絶対不変で続いていき、増えたりも減ったりも改変されたりもしない』、ってやつか」


ちょい悪令嬢「そうです、ア○ちゃんが『小○ちゃんと出会う世界』と『小○ちゃんと出会わない世界』は、両方共最初から存在していて、途中から分裂したわけでも改変されたわけでも無いのです。何なら小○ちゃんならぬ『大糸ちゃん』なる少女と友達になる世界だって、存在し得るのですよ」


メリーさん太「……そりゃそうだよな、多世界解釈量子論に則れば、どのような世界だって存在し得るのだから、『ワン○グ』の制作スタッフがまったく考えてもいない、あたかも『二次創作』そのものの世界だって、『ワン○グ』が初期構想すらもされていない時点において、すでに存在しているわけだからな」




ちょい悪令嬢「──とにかく、『過去を改変したとたん、世界は分裂して、パラレルワールドが生み出される』なんて、頭のネジの緩んだ『俺ルール』をつくるのは、そろそろやめませんか? 何ですか、『過去改変』に『世界線分岐』に『パラレルワールド』って。『可哀想な妄想癖&駄目SF作家』的には、一発でスリーアウトじゃないですかwww」




メリーさん太「おい! 性懲りもなく、各方面の専門家の皆様をディスるのはよせよ!」


ちょい悪令嬢「ディスってなんか、いませんよ? むしろ皆様のほうが、本作の作者なんかよりも、圧倒的に『お利口さん』だと申しているだけなのです」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「大体が『お利口さん』に限って、話を無駄に難しく考えて、自縄自縛に陥ったり自滅したりするんですよ。それに比べて『お馬鹿さん』な本作の作者は、物事を常に単純にしか考えられないので、『すべての世界はすべてのパターンがすべて最初から揃って存在している』と認識していて、それこそを『パラレルワールド』──すなわち、量子論の言うところの『多世界』だと見なしているだけなのです」




メリーさん太「こ、こいつ、自分の作者のことを『お馬鹿さん』とか卑下しているようでいて、その考え方がちゃっかりと、現代物理学の根本原理である量子論に基づいていることをアピールしていやがる⁉ ──しかしそんなふうに、『パラレルワールド』のことを真に理解していないスタッフが創ったエピソードなんて、本来なら絶対に実現不可能な『絵空事』でしかないってことなのか? そもそもパラレルワールドが存在していたとしても、それはあくまでも『可能性の上の話』なので、現実のア○ちゃんとパラレルワールドのア○ちゃんとが、二人同時に存在したりはできないはずだしな」




ちょい悪令嬢「いえいえ、簡単に実現可能ですよ? 今更ながらですが、実はこれまで『ワン○グ』で描かれてきたことは、最新12話を含めて、何一つ間違っていないのですからね♫」




メリーさん太「──何その、あれだけ散々ディスっておいて、今更感なフォローは⁉」


ちょい悪令嬢「だって、『パラレルワールド』どころか、『同一人物の同時存在』すらも、十分実現可能なのですもの」


メリーさん太「なっ⁉」




ちょい悪令嬢「別に驚く必要はありませんよ、いつもの『集合的無意識とのアクセス方式』で、すべてが解決するわけです。──つまり、ア○氏や裏ア○氏が創設した『ジャパン・プラテ○』は、何と現実世界においても、『集合的無意識とのアクセス』を可能としたのですよ」




メリーさん太「──また、そのパターンかよ⁉」




ちょい悪令嬢「パターンも何も、『あらゆる超常現象は、集合的無意識とのアクセスによって実現できる』のですから、当然ではありませんか?」


メリーさん太「……だったら、『ワン○グ』の各エピソードが、『集合的無意識とのアクセス方式』だけで、どう実現できるのか、一つ一つ解説してみろよ?」




ちょい悪令嬢「まず『エ○グ世界』そのものについては、広義の『異世界』と見なすことができますけど、当然これを創造したのは『ジャパン・プラテ○』でしょうが、異世界と申しましても、『VRゲーム』とかの電脳世界等の、人為的な物で構わないと思います。──ちなみに本作の作者だったら、広義の異世界として現実的に設定するとしたら、それこそ『小説の世界』か、登場人物を始めとする世界のすべてがショゴスによって構築されている『実験場』か──と言ったところでしょうか?」




メリーさん太「……ああ、実際『ワン○グ』だと、超高性能コンピュータで構築された『仮想現実空間』か、それこそ『夢の世界』といった感じだよな」


ちょい悪令嬢「夢こそ、最も現実的な『広義の異世界』の、代表格とも言えますしね」


メリーさん太「それで、現実世界の人間を『エ○グ世界』に転移させるには、具体的にどうやればいいんだ?」


ちょい悪令嬢「そりゃあ『ジャパン・プラテ○』が、VR空間内のAIだか何だかを、集合的無意識とアクセスさせて、ア○ちゃんたちの記憶をインストールして、まるで肉体丸ごと異空間である『エ○グ世界』に転移したり、あるいはただ単に夢を見ているように、仕立て上げているわけですよ」


メリーさん太「AIを基にしたゲーム内のアバターに過ぎないのに、現実世界の人間の記憶をインストールすることで、本人そのままに行動させるってことか? ………………………なんかこれって、『VRMMO』系の作品で使えそうな設定だな」


ちょい悪令嬢「AIに現実世界の人間の人格を移植するなんて、SF系の作品ではありがちですしね。『ワン○グ』もその路線じゃないですか?」


メリーさん太「じゃあ何で、『ジャパン・プラテ○』の連中は、異世界の類いである『エ○グ世界』の様子をモニタリングできるんだ?」


ちょい悪令嬢「『ジャパン・プラテ○』自身が構築した電脳世界であれば、当然モニタリングできるだろうし、本作お得意の『ショゴスできた異世界や実験世界』であったとしても、そもそも自分自身も『つくりもの』っぽいア○氏と裏ア○氏なら、直接集合的無意識とアクセスして、『別の可能性の世界』の情報を、自らの(電)脳にダウンロードできるのかも知れませんね」


メリーさん太「まあ、『記憶』等の情報だけなら、集合的無意識を介すれば、現実世界と『エ○グ世界』の間で双方向的にやり取りできても、おかしくは無かろうが、『エ○グ世界で受けた傷は、現実世界においても反映される』って設定は、どうやって実現しているんだ?」


ちょい悪令嬢「そういえばあの設定、いつの間にか『無かったこと』になってしまっているような……」


メリーさん太「余計なことは言わずに、とっとと答えろ!」




ちょい悪令嬢「簡単なことですよ、『進○の巨人』で『始祖○の巨人』がやっていたように、『道』=集合的無意識を介して、『エ○グ世界』内における受傷情報を、現実世界の肉体に反映させればいいのです」




メリーさん太「──なっ⁉ 異世界や実験世界におけるショゴスで構成された、各種ファンタジー種族たちが、集合的無意識を介して現実世界から肉体情報をインストールして、己の肉体を変化メタモルフォーゼさせることができるのは、どうにか理解できなことも無いけれど、現実世界の本物の人間さえも、『他の世界の肉体情報』をインストールすることで、肉体を変化メタモルフォーゼさせることができるだってえ⁉」







(※次回に続きます)

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