第665話、わたくし、少女の孵化を邪魔する大人たちと闘いますの⁉

ちょい悪令嬢「──皆さん、『ワンダーエ○グ・プライオリティ』の全話振り返り一挙放送のほうは、ご覧になりました? 二度目とはいえこうしてまとめて見直すと、やはり新たなる発見も多々ありますよね!」




メリーさん太「……いや、ちょっと待てよ、一体どうなっているんだよ、これって?」




ちょい悪令嬢「おや、どうしたのですか、メリーさん?」


メリーさん太「まさに今し方、各動画サイトのアニメコーナーの、無料配信スケジュールを確認したんだけど、なんかとんでもないことになっているじゃないか⁉」


ちょい悪令嬢「とんでもないこと、とは?」


メリーさん太「──とぼけるんじゃないよ⁉ 本作の作者自身、すでに『ひぐ○しのなく頃に業』の全話振り返り配信を流し見しながら、この作品を作成しているだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「んっふっふっふ、やはり前○さんには、敵いませんなあ〜♡」


メリーさん太「──だから、オー石さんのK1君への台詞の最後に、『♡』マークを付けるのはやめろって!」




ちょい悪令嬢「そうなんですよ! 昨日『ワン○グ』を一挙放送なされた『ニコ○コ動画』様に引き続き、何と『GYA○!』様においても、『ひぐ○しのなく頃に業』全24話と、『ゲキ○ル』のすでに配信済みの全11話の、無料配信サービスがスタートしたのです!」




メリーさん太「ただし『ひぐ○しのなく頃に業』の配信については、本日24時までですので、ご興味のお有りの方はくれぐれもお見逃しなく」


ちょい悪令嬢「すごいですよねえ、すでに『ア○マTV』様においては、超傑作魔法少女アニメ『ま○か☆マギカ』の劇場版総集編が、無料配信されていると言うのに」


メリーさん太「うん、それで昨日は『ネット小説大賞』も佳境に入って忙しい中、半日潰して『ワン○グ』全11話を視聴したわけだけど、さっき言っていた『新たなる発見』って、一体何のことなのよ?」




ちょい悪令嬢「以前も本作において申していたように、『ワン○グ』は間違い無く、真に理想的な『ま○マギ』のフォロワー作品だったことが、確認できたのですよ!」




メリーさん太「……ほう、まさにそれこそが、今回の『全話再検証』の最大の目標だったわけだから、五時間もかけて視聴した甲斐があったじゃないか? それで、一体どういったところが、『ま○マギ』フォロワーとして理想的だったんだ?」


ちょい悪令嬢「実は何と、かつて本作において、『真に理想的な魔法少女作品』として語った内容、そのものだったのです!」


メリーさん太「それって『ま○マギ』のみならず、『魔法少女作品』全体としても、理想的だったってことか?」




ちょい悪令嬢「『ワン○グ』の『エ○グ世界』ってまさしく、本作においてすでに述べていた、『主人公である女の子たちは、魔法少女になったとたん、異世界に転生しているようなものである』を、実現してくれたも同然ではありませんか?」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「更には最新話である第11話においては、おそらくは『すべての元凶』と思われる『つくられた女の子』が登場しましたけど、これまた本作において提唱済みの、『転生先の世界における魔法少女の肉体は、ショゴスによってつくられるべき』を彷彿とさせますよね?」




メリーさん太「──! そ、そういえば⁉」




ちょい悪令嬢「『ま○マギ』においても、魔女との対決は、主に現実世界と隔絶された『魔女○結界』(=イヌカレー空間)の中で行われておりますが、普段の日常生活の中でもたびたび魔法を使うシーンが描写されており、特にクライマックスの『ワルプルギスの夜』との対戦では、現実世界において大々的に異能バトルを展開するといった有り様ですものね。現実世界どころか『エ○グ世界』すらも、基本的に科学の力によって『超常現象』を実現している、『ワン○グ』のほうが、より現実的と申せましょう」




メリーさん太「……なるほど、『ワン○グ』のほうがSF色が強い分、『ま○マギ』よりも『リアル路線』になっているわけか」


ちょい悪令嬢「もちろん、どちらが善いとか悪いとかではありませんので、誤解の無きように。『ま○マギ』が比較的ファンタジー寄りなのは、『魔法少女作品』として、けして間違っていませんしね」


メリーさん太「いわゆる『作品のカラーの相違』、ってことか」


ちょい悪令嬢「『ワン○グ』のほうが、『自殺』をテーマにしているだけあって、『現在の日本において少女たちを取り巻いている諸問題』に対して、鋭く切り込んでいるところこそが、最大の注目点なのですよ」


メリーさん太「その諸問題の象徴こそが、『大人』と言うわけか?」




ちょい悪令嬢「そうです、まさに各エピソードにおいて描かれてきた、『いじめに対して見て見ぬ振りをする教師たち』、『愛情も無く人工的に生み出した子供たちを平気で実験材料とする科学者たち』、『自分勝手な恋愛感情や損得勘定ばかり優先して我が子を蔑ろにする親たち』、『部員たちをパワハラやセクハラの対象とする部活の顧問たち』、そして何よりも、『あらゆる意味において、少女たちを搾取し続けている大人たち』──といったところですかね」




メリーさん太「……なるほど、確かに『LGBT』も大きなテーマの一つとは思うけど、『少女対大人』の対立軸も、かなり重要であることは間違い無いよな」


ちょい悪令嬢「これぞまさに、これまでの『魔法少女作品』に無い、『ワン○グ』独自の特色ではありますが、実は『ま○マギ』シリーズも、けして負けてはいないのです!」


メリーさん太「へ? 『ま○マギ』シリーズに、『少女と大人との対立軸』なんて、含まれていたっけ?」




ちょい悪令嬢「『マギ○コ』ですよ、『マギア○コード』! この『ま○マギ』にとっての外伝作品こそ、『ワン○グ』に先んじて、少女を搾取し続ける世界そのものに対して、『NO』を叩きつけていたのですよ!」




メリーさん太「『マギ○コ』が、大人たちの搾取に対して、『NO』を叩きつけていただってえ⁉」


ちょい悪令嬢「『ま○マギ』シリーズにおける、『大人』の象徴って、一体何だと思います?」


メリーさん太「大人の、象徴?」


ちょい悪令嬢「まさしく『孵化器インキュベーター』たる、キュ○べえですよ」


メリーさん太「な、なるほど……………………って、ちょっと待てよ⁉」


ちょい悪令嬢「──ああっ、そういえば!」


メリーさん太「そうか、そういうことだったのか、野○伸司リ○ン!」




ちょい悪令嬢「番組の途中ではございますが、たった今リアルタイムに気づいたのですけど、『ワン○グ』ってまさに、『ま○マギ』シリーズにおける抑圧者かつ搾取者かつ詐欺師──つまりは、『大人』の象徴である、『孵化器キュ○べえ』を念頭に置いているからこそ、『卵』や『孵化』や『ひな鳥』等々を、『これから自我に目覚めようとしている、思春期の少女のメタファ』にしているのではないでしょうか⁉」




メリーさん太「ああ、やっぱ『ワン○グ』の世界観って、『ま○マギ』をベースにして構築されていたんだ。そうか、『孵化器キュ○べえ』を受けての『ワンダーエッ○グ』だったのか」




ちょい悪令嬢「そうなのです、『ま○マギ』シリーズにおいては、魔法少女たちのことを騙して完全に支配してそのすべてを搾取していた、『キュ○べえ』こそが、『大人たち』や『不条理極まる世界そのもの』をメタファしていたってわけなのですよ」


メリーさん太「すなわち、『ワン○グ』においては『魔女』なんかでは無く、『キュ○べえ』そのものを敵として描いたからこそ、少女たちの敵は大人たちであると言うことを、より鮮明に浮き彫りにできたわけか」


ちょい悪令嬢「実はそれを先にやっていたのが、まさしく『マギ○コ』なのでございます」


メリーさん太「へ? 『マギ○コ』って、そんな話だったっけ?」




ちょい悪令嬢「だって、メインステージの神○市においては、元祖『ま○マギ』や劇場版の『叛○の物語』でもけして不可能であった、搾取者たる大人の象徴であるキュ○べえに対する、完全なる排除に成功しているではないですか?」




メリーさん太「あっ」




ちょい悪令嬢「しかも独自の『感情エネルギーの調達システム』を構築することによって、魔法少女がキュ○べえ──すなわち、『大人たちの搾取』から、解放されているわけなのです」


メリーさん太「そ、そうか、『キュ○べえ=少女の敵=大人たち』という構図を明確にしているところこそが、『マギ○コ』の『ま○マギ』に対する、最大の違いであり、最大の長所だったのか」


ちょい悪令嬢「むしろ『ま○マギ』は、ちゃんと『理不尽なる大人の象徴』であるキュ○べえが存在しているのに、本物の大人たちも登場させていたから、非常に中途半端になってしまっているのです」


メリーさん太「……何で本物の大人を登場させたら、中途半端になるんだよ?」


ちょい悪令嬢「少女たちにとって大人たちこそが、『理不尽な世界の象徴』であり、極論すれば『敵』であるべきなのに、それを全部キュ○べえがやってくれているので、『やること』が無くなってしまい、まったく現実性の無い『いい人』ばかりになっているのですよ」


メリーさん太「そ、そういえば!」


ちょい悪令嬢「それに比べて『ワン○グ』のほうは、メインの大人キャラであるア○氏や裏ア○氏は、自分たちの願望のために主人公の少女たちを利用しているわ、ア○ちゃんのお母さんなんか、娘の憧れの先生をNTRわで、完全に『敵対どうしようもない関係』にあるじゃん?」


メリーさん太「うっ、否定できねえ⁉」


ちょい悪令嬢「それは『マギ○コ』も同様で、『キュ○べえ』を追っ払ってしまったので、例えばさ○ちゃんのお母さんたちのように、大人たちはれっきとした魔法少女の『敵』として描かれるようになったのです」


メリーさん太「おお、確かに……ッ」




ちょい悪令嬢「そもそもですねえ、『ま○マギ』における最大の『不満点』は、『大人たちの上から目線の会話パート』なのですよ。あれって、全然要らんじゃん? 一体誰の趣味よ? 脚本の虚○さん? それとも総監督の新○さん? とにかく、全部取っ払っても、何も問題無いよね? 劇場版総集編では、全シーンカットすべきだったよね?」




メリーさん太「いやいやいや、そんなこと無いだろう? ああいう日常シーンだって、ちゃんと必要だよ!」


ちょい悪令嬢「日常シーンは必要ですけど、大人たちは別に要らないでしょ? ──事実『マギ○コ』においては、魔法少女だけで日常シーンを行っていたし」


メリーさん太「──うぐっ」




ちょい悪令嬢「むしろ、見ていて腹が立つんですよねえ。あれってわざと、『ミスリード』していたのでしょうか? 何せツッコミどころ満載だし。『いち社員ごときが、会社の経営に、生意気な口を出すな!』とか、『おまえが余計なことを言ったから、ま○かちゃんが、さ○かちゃんのソウルジ○ムを車道に放り捨てるなんて言う、どう考えてもあり得ないことが(シナリオのごり押しによって)行われてしまったじゃないか?』とか、『普段アホみたいなことばかり言っていた担任教師が、母親と酒を呑むシーンで急にシリアスになられても、反応に困るんですけど?』とか、もうね、目の前の液晶モニターに向かって怒鳴りつけたいくらいでしたよ!」




メリーさん太「……ああ、そうか。『ま○マギ』最大の汚点である、ま○かちゃんのあの信じられない暴挙って、他ならぬ母親の『入れ知恵』だったっけ」


ちょい悪令嬢「いや、たとえ『ソウルジ○ム』の正体を知らなかったとしても、どう見ても魔法少女にとって大切なキーアイテムを、車道に捨てては駄目でしょうが?」


メリーさん太「あのお母さん、『そう言う時は間違えればいいんだよ』とかアドバイスしていたけど、確かに完全に間違っていたよな、ま○かちゃんてば」




ちょい悪令嬢「それに対して『マギ○コ』においては、基本的に大人を登場させないところが、わかっているよね。やはりそこは、『魔法少女の解放』こそをテーマにしているからでしょうね」




メリーさん太「つまりは、少女である自分たちを搾取し続けている、大人たちや世界そのものの束縛からの解放ってわけか」


ちょい悪令嬢「ある意味、『ま○マギ』の呪縛からの解放──という意味も、あるかも知れませんね」


メリーさん太「──なっ⁉」




ちょい悪令嬢「と言うわけで、『ワン○グ』の振り返り配信を視聴することによって、予想以上に得るところも多く、是非とも本作の作者の新作創りに生かしていきたいかと存じます♡」




メリーさん太「……ていうか、『異世界』において、『つくりものの身体』の魔法少女たちを主役にした、『実験のための実験』の物語って、現在本作において進行している【魔法少女編】そのものだからな。本作の今後の展開にも大きく影響を及ぼしてくるだろうよ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る