第618話、わたくし、『無能な巨人ライナーナ』ですの♡(その5)

ちょい悪令嬢「──いやあ、『カクヨムコン6』の【読者選考期間】も、一昨日に無事に終了して、ようやく一息つきましたねえ〜」


メリーさん太「……一息ついたって、本作の作者の例の新作のほうは、ちゃんと期間内に軌道に乗ったのかよ? 確か、『ヴァルプルギスの心臓』だったっけ?(ダイマ) 言うに事欠いて『なろう系』の決定版にしてみせるとかって、息巻いていたようだけど?」




ちょい悪令嬢「一応【読者選考期間】中に、行きました」




メリーさん太「──全然、駄目じゃん⁉」




ちょい悪令嬢「いえいえ、とかく『新作』というものは、書き出すことができればOKなんですよ。そのまま勢いに乗れば、後はどうにかなりますからね」


メリーさん太「確かに『創作活動』って、大体どんなジャンルも、そう言う感じらしいな? ──とはいえ、これまでの数ヶ月間は、一体何をやっていたんだ? ……まさか、この【座談会】でたびたび言及していたように、アニメの配信ばかり見ていたんじゃないよな?」


ちょい悪令嬢「──ぎくっ」


メリーさん太「だからその『ぎくっ』というのは、いい加減やめろよ⁉ ──ていうか、ほんとに、アニメの配信のせいなのかよ?」


ちょい悪令嬢「だって、『GYA○!』様において、新章の『猫騙○編』が始まると同時に、『ひぐ○しのなく頃に業』全16話一挙無料配信が、二日間限定で開催されたりして、どうしても見逃すわけにはいかず、仕方なかったんですよ! …………とまあ、大体こんなくり返しで、数ヶ月ほど経ちました☆」


メリーさん太「何が仕方なくだ、全然仕方なくないだろ⁉」




ちょい悪令嬢「いやほら、本作でもご紹介しましたけど、『ひぐ○し業』で沙○子ちゃんの『思わぬ素顔』が暴かれたことで、ネット界隈に激震が走ったために、いろいろと考察がはかどっているのですが、その一環として、彼女の過去の言動を再検証したところ、以前ご紹介した例の『宝物探しゲーム』での、『いかにも漫画っぽい表現』のシーンにおいて、ちょっと気になる箇所が見つかったのです」




メリーさん太「……気になる、箇所って?」


ちょい悪令嬢「まさにその『漫画的表現シーン』において、なぜだか不意に07ちゃんだけがシリアスな表情になって、いかにも心ここにあらずって感じなのですよ。──まるで何かを、『思い出している』みたいに」


メリーさん太「思い出しているって、何を?」


ちょい悪令嬢「『ひぐ○し』十八番おはこの、『フラバ』とか?」


メリーさん太「フラバって、『フラッシュバック』のことか?」




ちょい悪令嬢「実はこの時点で、『猫騙○編』第17話の、『びっくり箱再び』のラストシーンが、頭によぎったりしてね」




メリーさん太「へ?………………………いやいやいや、それは無いだろう⁉」




ちょい悪令嬢「おや、どうしてです? 今回の完全新作『ひぐ○しのなく頃に業』においては、ずっと主観を担っていたK1君だけではなく、07ちゃんにおいても、『フラバ』が起こっていることを臭わす台詞を、事あるごとに連発していたじゃないですか? 特に『祟り騙○編』の時とか♫」


メリーさん太「確かにそうだけど、あれってほとんど『過去の回想』みたいなものだったろうが? そもそも『フラバ』自体が、『過去の記憶』が突然頭の中で甦るものなんだし」




ちょい悪令嬢「あら、フラバが『過去の記憶の復活』ばかりであるとは、別に決まっていないでしょう?」




メリーさん太「………………は?」




ちょい悪令嬢「──ここで突然ですが、本作の作者ってば、ついに念願叶って、『虚像歪曲のコンプレ○クス』の初視聴を果たしたのでございます!」


メリーさん太「え、何、『虚像歪曲のコンプレ○クス』ってもしかして、『シ○タインズ・ゲート』のアニメ版の第一期の? なんか、やけに唐突な話題転換だな⁉………まあ、作者としては、どうしても見たがっていたのは、知っていたけどよう」


ちょい悪令嬢「以前、『ニコ○コ動画』様で、第一期を全話無料で配信してくだされたのですが、『ニコ○コ動画』様には珍しく、各話をそれぞれ独立して視聴できるスタイルでしたので、何と本作の作者ってば途中で混乱して、『虚像歪曲のコンプレ○クス』の視聴だけを取りこぼしてしまったんですよ」


メリーさん太「──それわかる! そもそも『シ○タゲ』のアニメ版の各話タイトルって、似たようなのばかりだよな⁉」


ちょい悪令嬢「そうそう、一気に続けて見ている分には、別に問題無いのですが、食事等の所用でいったん中断してしまうと、『……あれ、俺ってどこまで見たんだっけ?』と、わからなくなってしまうんですよね!」


メリーさん太「それで見逃していたのか………うん? そういえば、『虚像歪曲のコンプレ○クス』って」


ちょい悪令嬢「そうなんですよ、『フェ○リスちゃん』メイン回だったのです!」


メリーさん太「あれま、それじゃ作内のアキバが、いつオタク街として復活したのか、知らないままだったのか?」


ちょい悪令嬢「それに何よりも、フェ○リスちゃんと倫○郎さんとの間に、『フラグ』が立ったこともね♡」


メリーさん太「いやでも、倫○郎さんが過去にメールを送ることで、またしても世界線を移動すれば、そのフラグ自体が無かったことになるんじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「──そこで、『フラバ』の御登場、ってわけですよ!」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「このエピソードのフェ○リスちゃんと、次の『自己相似のアンドロギ○ノス』におけるル○子きゅんは、どうやら倫○郎さんが移動する前の世界線の記憶も、突発的にフラバしているみたいなのですよ!」




メリーさん太「──なっ、ていうことはつまり、フェ○リスちゃんやル○子きゅんも、『リーディングシ○タイナー』の能力持ちというわけか⁉」


ちょい悪令嬢「いえいえ、そこまで正確なものでは無く、文字通りに『フラバ』のようなものに過ぎないのです」


メリーさん太「……ああ、『ひぐ○し』で言えば、全ループにおける主観者である梨○ちゃまに対する、K1君や07ちゃんみたいなものか」


ちょい悪令嬢「そうなんですよ、『ひぐ○し』も同じことなんです。果たしてこの手の作品において『フラバ』されるのは、本当に『過去の記憶』だけなんでしょうかねえ?」


メリーさん太「この手の、作品、て……」




ちょい悪令嬢「具体的に申しましょう、フェ○リスちゃんのフラバに関しては、世界線は基本的に三つございます。そのうち二つは、『秋葉原に萌え文化が有る』世界線であり、残る一つは、『秋葉原に萌え文化が無い』世界線です。──さて、この三つの世界線の『時間的前後関係』は、一体どうなっているでしょうか?」




メリーさん太「どうなっているって、そりゃあ時系列の通り、元の『萌えアキバ』から、『電気街限定のアキバ』に改変されて、更に最後に再び『萌えアキバ』に戻ったという、順番だろう?」


ちょい悪令嬢「そうです、『元』に『戻った』のです。──しかも、一種の『過去改変』の手法を使ってね。これだとむしろ、『過去に進んでいる』とは思いません?」


メリーさん太「……過去に、『進んでいる』って、何その、『未来にバック・トゥ戻っていく・ザ・フューチャー』の亜流みたいなキャッチフレーズは⁉」


ちょい悪令嬢「だって、この時点の倫○郎さんは、まゆし○の『死の運命』を覆すために、これまで自分が行ってきた『過去改変』を、元通りにしている最中なのだから、ある意味『時間を逆行している』ようなものですしね」


メリーさん太「──言われてみれば、その通りじゃん⁉ あ、あれ? そうなると、時系列的には、一体どうなるんだっけ? あれ? あれ? あれ? あれ? あれ? あれ? あれ? あれ? あれ? あれ? あれあれあれあれあれあれあれ?」


ちょい悪令嬢「うおっ⁉ メリーさんが、壊れた⁉」


メリーさん太「いや、壊れないよ! そもそもこちとら、『都市伝説』なんだし! それよりも、時系列的な前後関係については、一体どうなっているんだよ⁉」


ちょい悪令嬢「どうなっているも何も、そんなものありませんよ」


メリーさん太「え」




ちょい悪令嬢「『シ○タゲ』や『ひぐ○し』のような『ループ系作品』において、それぞれの世界線に時間的な前後関係があると思うのが、そもそも間違いなのですよ。──例えば、『シ○タゲ』において、本格的にループ(=世界線の移動)エピソードを開始する直前に、数万年前のシーンが唐突に挿入されましたけど、あれってもちろんループ内の世界線の一つだと思いますが、ループをいまだ一回も行っていない時点の倫○郎さんからしたら、果たして『過去』なのでしょうか? それとも『未来』なのでしょうか?」




メリーさん太「そ、そりゃあ、数万年前って言うくらいだから、『過去』だろう?」


ちょい悪令嬢「そうとは限りませんよ? あの世界線でのまゆし○との会話の内容からすると、どうやらあそここそが『すべての終着駅』みたいなもので、あれから先は(そもそも通信網なぞ存在しないのだから、携帯電話は使えないし)世界線は移動できないのだから、時系列的には文字通りに、『最後の世界線』であるはずなのでは?」


メリーさん太「ううっ⁉………………………あ、でも、実際にはそんなことにならずに、無事にループを脱出できるんだから、倫○郎さんにとってはけして、『未来の終着駅』では無かったのでは?」


ちょい悪令嬢「実は、そうなのです! あれこそがまさしく、『フラバ』そのものだったのですよ! ──しかも、過去の記憶でも未来の記憶でも無くてね!」


メリーさん太「……フラバなのに、過去の記憶でも未来の記憶でも無いだと?」




ちょい悪令嬢「つまり、そもそも基本的に、一定範囲の同じ日時を永遠に繰り返している『ループ』においては、それぞれの世界線の間には、時間的な前後関係なぞ無いのでございますわ!」




メリーさん太「……そ、そうか、その結果『未来の出来事のフラッシュバック』などといった、一見矛盾した現象が起こってしまうわけか」


ちょい悪令嬢「そうそう、かつて萩○望都大先生におかれましても、御著作の『バル○ラ異界』の中で、『夢とは、遠い過去か遙か未来の記憶を垣間見る現象』とおっしゃっていましたが、まさしく正鵠を射られていたのですよ! ──そしてこれは、現在話題沸騰の、『進○の巨人』も同様なのでございます!」


メリーさん太「──また、それかよ⁉」


ちょい悪令嬢「でもほら、これって『進○』の作品の根幹に関わる、最重要設定ではありませんか?」


メリーさん太「……過去だけでは無く、未来をも垣間見る、フラバがか?」




ちょい悪令嬢「『九つ○巨人』の継承者は、過去の継承者の記憶を見れるし、特に『進○の巨人』(固有名詞)に至っては、自分の次世代以降の未来の継承者の記憶も、のぞき見できることになっているではございませんか? これって、『シ○タゲ』や『ひぐ○し』のようなループ作品における、『過去や未来の記憶のフラバ』そのものとは思いません?」




メリーさん太「──‼」







(※次回に続きます)

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