第613話、わたくし、『無能な巨人ライナーナ』ですの♡(その4)

ちょい悪令嬢「──【緊急連絡】です! 現在動画サイト『GYA○!』様において、本日と明日の二日間限定で、完全新作『ひぐ○しのなく頃に業』の、全16話一挙無料配信が行われております!(※ただし最新第17話のみ有料) まだ未見の方はこの機会を逃さずに、是非ご視聴なされることをお勧めいたしますわ♡」




メリーさん太「おお、『ひぐ○し業』も、一挙配信するのか⁉ 同じく『GYA○!』様において、『シ○タインズ・ゲート』の全話日替わり配信が始まったばかりだし、『ア○マTV』様においてもつい一昨日まで、『ま○か☆マギカ』が全話配信を行われていたしで、まさしくこの1月は『超傑作ループアニメ祭り』じゃねえか⁉」




ちょい悪令嬢「特に『ひぐ○し業』は現在、最新第17話の驚愕のラストによって、国内どころか国外さえも大盛り上がりに盛り上がっていますからね。ここでこれまでの全話を振り返る一挙配信をなされた『GYA○!』様は、まさにグッジョブでしょう!(※【鬼騙○編その四】のK1と07とのドツキ漫才をリアルタイムで見ながら)」


メリーさん太「……ああ、【猫騙○編】に入ってから、初っぱなの【その壱】では、いきなりクラウドがはっちゃけて、【その弐】では、まさかのチーバン発狂からの4連発という怒濤の展開で、【その参】では、『クレイジーサトコレズ』という新たなるパワーワードを生み出したかと思えば、最新話の【その四】に至っては、まさにその沙○子ちゃんが最後の一分で盛大にやらかしてくれるという、息もつけないほどの驚愕の連続だからな」


ちょい悪令嬢「本編の二十数分間がすべて、最後の一分間のための前フリに過ぎなかったなんて、ほんとにすごい! これぞまさしく、『演出』というものですわ!」


メリーさん太「しかも、ネット上の『考察厨』の皆様の誰もが、『絶対これは伏線に違いない』と指摘なされていた、【鬼騙○編】の『アレ』が、見事に回収されたからな」


ちょい悪令嬢「いかにもな『漫画的表現』が、実は伏線だったという、ある意味『反則技』とはいえ、マニアの間では結構受けが良かったりしてね☆」


メリーさん太「……ま、まあ、『ひぐ○し業』最新話については、いくら語ってもキリが無いから、このくらいにしておいて、そろそろ本題に入ったほうがいいのでは?」




ちょい悪令嬢「そうですね! 字数にも限りが有ることだし、早速参りましょう! ──さて、4回目を迎えた【無能なナ○超能力講座】の今回のテーマは、これまた要注目のチートスキル、『不老不死』です!」




メリーさん太「……ということは、キ○ウヤ君の固有スキルか。そうか、そういえば彼も『レギュラーキャラ』の一人だから、他のキャラに先んじて、その能力を明らかにしておいたほうがいいよね」


ちょい悪令嬢「しかも何と言っても、『不老不死』ですからね! これは現在の【座談会】シリーズが『無能なナ○』だけでは無く、これまた『ア○マTV』様において全シーズン無料配信されている、『進○の巨人』も隠しテーマにしていることからも、是非とも詳細に考証すべきですし」


メリーさん太「そ、そりゃあ、タイトルからして『ライナーナ』とか言っているくらいだから、確かに『進○の巨人』もこっそりと対象にしているけど、『不老不死』とか関係あったっけ?」


ちょい悪令嬢「一応弱点はあるとは言え、巨人の強力無比の『自己修復能力』って、ほとんど『不死』の領域に達しているとは思いません?」


メリーさん太「ああ、そうか、それがあったな」


ちょい悪令嬢「実は『不老』のほうも、該当していると言えなくも無いのですよ?」


メリーさん太「え、そうなの?」




ちょい悪令嬢「ただし、本命のキ○ウヤ君を始めとして、本当に『不老』であるのかは、非常に微妙なんですけどね。そもそも『何をもって不老と言うべきなのか?』自体が、大変あやふやだったりするし」




メリーさん太「へ? 『不老』の定義なんて、簡単だろう? どちらかと言うと、男よりも女にとっての『永遠の夢』である、『若い姿のままでけして年をとらない』ってやつで、特に『吸血鬼』作品なんかでよく使われている設定じゃないか?」


ちょい悪令嬢「そこなんですよ、何で『不老キャラ』って、『若い』男女ばっかりなのでしょう? 特に主人公やヒロイン等のメインキャラともなると、少年や少女か、いいところ『青年』といった年頃だし。生まれつき『不老』の力を持った、『永遠の赤ん坊』とか、老境に達して『不老』の力に目覚めた、『永遠の老人』なんて、一人もいないのでしょうか?」


メリーさん太「……『ポ○の一族』のような吸血鬼作品モノだったら、後天的に吸血鬼になった時点で成長が止まるので、結構外見的な年齢にばらつきが有ったんじゃ無かったっけ? 『無能なナ○』の超能力も、別に『生まれつきの力』では無いのなら、キ○ウヤ君も現在の年格好になって初めて、『不老』の力を獲得したんじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「……うう〜ん、そこが解せないのですよねえ」


メリーさん太「解せないって、もしかして『無能なナ○』の超能力って、すべて生まれつき与えられるものだったっけ?」


ちょい悪令嬢「いえ、個々の作品については、それぞれの作者様の御一存でどうとでもなるので、別にいいのですが、どうしても『不老』だけが、『メタ的に特別扱い』されてしまうことが、納得いかないのです」


メリーさん太「メタ的に特別扱い、って?」


ちょい悪令嬢「個々の作品において、そのように設定しなければ済む話とはいえ、すべての超能力が『生まれつき』効力を発しても別に構わないと言うのに、『不老』だけがストーリーの都合上、絶対に『生まれつき』獲得されることが無いのが、あまりにも『作為的』で気持ち悪いのですわ」


メリーさん太「う〜ん、そうは言っても、主人公がずっと赤ん坊のままだったら、話が始まらないからなあ。でもこれって、『すべての超能力は絶対に、生まれつき獲得される』というルールをあえて設定しない限りは、別に問題は無いのでは?」




ちょい悪令嬢「……ったく、他ならぬ我々が、そんなことを言っては駄目でしょうが? 何せWeb小説のメインステージである『なろう系』は、まさしく『転生』──すなわち、異世界人として『生まれ変わる』その瞬間に、チートスキルが与えられることになるのだから、もしも『不老』のチートスキルを与えられたら、その転生主人公は、本編中ずっと赤ん坊のままとなってしまうのですよ?」




メリーさん太「──何その、斬新極まる『なろう系』作品は⁉ 蜘蛛とかスライムとかに転生するよりも、あまりにも『無理ゲー』過ぎるじゃん⁉」




ちょい悪令嬢「そもそもですねえ、この『不老』という文字通りのチートスキルを、論理的かつ現実的に実現できるかどうかについては、これまた非常に微妙なんですよ」


メリーさん太「え? 本作においては、あらゆる異能の類いは、『集合的無意識とのアクセス』によって実現できるんじゃ無かったの?」


ちょい悪令嬢「そりゃあ、できるかできないかで言えば、一応『できる』のですが、先ほども申したように、『何をもって不老と言うのか?』が、大変難しいのです」


メリーさん太「難しいって、不老がか? あたしなんかは、『成長を止める』の一言で理解しているけど」


ちょい悪令嬢「そうですね、もっと気取った言い方をすれば、『私は私自身の時を止めたのだ☆』と言ったところでしょうか?」


メリーさん太「ああ、まさにそんな感じだな」


ちょい悪令嬢「そこで質問です、同じく超能力か何かで、自分以外の者の時間を止めた場合、一体どうなるでしょうか?」


メリーさん太「そりゃあ、三流SF小説やラノベや漫画では、自分以外のすべての有機物は言うに及ばず無機物に至るまで、まるで石像か何かのように、完全に静止してしまうんじゃないの?」


ちょい悪令嬢「本当はそんなことなんか、いろいろな意味で絶対あり得ないのですがね、まあここでは本題で無いので不問にしておくとして、それよりも、先ほどわたくしが申したように、もしも不老の力が自分自身の時を止める効果があるとしたら、それを発動した時、その能力者──例えばキ○ウヤ君は、一体どうなってしまうでしょうねえ?」


メリーさん太「それはもちろん、先ほどの『時間停止』能力の逆になるから、周りのすべてが動いているのに、キ○ウヤ君だけが完全に静止してしまって………………………あ、あれ?」




ちょい悪令嬢「そうなのですよ、『不老』とはまさしく、『その時点で成長を止めてしまう』ことなのだから、肉体を構成するすべての細胞が『変化を停止』してしまい、当然のごとく脳みそをも含むすべての器官が活動を停止するので、あらゆる動作は言うに及ばず、思考すらもできなくなるのですよ」




メリーさん太「──なっ⁉ つまり脳機能も心肺機能も、完全に停止してしまうって言うのか⁉ ……それってむしろ、『ただの死体』になってしまっただけじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「そこはほら、キ○ウヤ君は『不死』でもあられるのだから、絶対に死ぬことは無いのですよ──それこそ、永遠にね」


メリーさん太「永遠って…………あれ? これってさっき言っていた、『赤ん坊のまま、永遠に年を取らない』のと、それ程違いは無いのでは?」




ちょい悪令嬢「そうなのですよ、実は『不老』というチートスキルは、あらゆる理由から、絶対にあり得ないのです」




メリーさん太「……確かにな、少しでも細胞に変化を加えたら、それはもう『不老』では無くなるから、内臓一つ動かすことはできなくなるわけか」




ちょい悪令嬢「──と言うことで、『無能なナ○』を始めとして、これまでのすべての創作物における『不老』能力は、すべてインチキだと決定しましたあああ!!!」




メリーさん太「いやいやいやいや、だからやめろよ、その全方面にケンカを売るスタイルは⁉ おまえ、それってすべての『吸血鬼』作品を全否定するようなものだから、下手すると作家生命を失うことになりかねないぞ!」




ちょい悪令嬢「大丈夫です、吸血鬼は明らかに、『人間ではありません』ので。同様に、『進○の巨人』の巨人やその力を秘めている主要キャラたちも、『不老』能力を有していて、何ら問題は無いのです」




メリーさん太「え、人間で無ければいいって、吸血鬼や巨人には、内臓器官どころか細胞すらも無いとか、言い出すつもりか?」


ちょい悪令嬢「内臓やそれを構成する細胞はちゃんとありますが、彼らは肉体そのものが『特別』なのですよ」


メリーさん太「吸血鬼や巨人が、特別な肉体だって?」




ちょい悪令嬢「『ショゴス』ですよ、ショゴスは不変ではありませんが、むしろ何にでも変化メタモルフォーゼが可能だからこそ、人間サイズの吸血鬼にでも巨大な巨人にでもなれるとともに、日常的行動はもちろん、異能バトルすらこなしながらも、見かけ上成長を止めているように、肉体の変化をコントロールすることなぞ、朝飯前なのですよ」




メリーさん太「ああっ、そうか、そもそも前々回あたりで、どうして人間サイズのエ○ンが『進○の巨人』(固有名詞)に変化メタモルフォーゼできるのかについて、実はエ○ンは巨人の力を継承するとともに、『ショゴス』のようなものになってしまったからだと、論理づけていたんだっけ⁉」




ちょい悪令嬢「これは『不死』も同様なのであって、そもそも変幻自在なショゴスの肉体を有していれば、肉体がどのように損傷しようが修復可能であり、ほぼ完璧に不死を実現できることでしょう」


メリーさん太「つまりは、集合的無意識に自分自身の現時点の形態情報を保存しておいて、後は肉体破損時等において、その情報を再インストールして、ショゴスの変形能力によって元通りに修復すれば、不老も不死もほぼ完璧に実現できるってことか」


ちょい悪令嬢「──ええ、すべての超常現象は、集合的無意識とのアクセスによって実現できるのであり、それは不老や不死でも変わりは無いってことですよ」












メリーさん太「……ということは、もしもキ○ウヤ君もショゴスであれば、『不老不死』であることに問題は無くなるわけか?」




ちょい悪令嬢「あら、『ショゴスであること』自体が、問題ではありませんの?」


メリーさん太「そ、そういえば⁉ ……大丈夫かな、ナ○しゃん。いきなり世界観が『クトゥルフ神話』に変わったりして、SAN値を維持できるのだろうか」


ちょい悪令嬢「意外と、『スライムプレイ』を、お気に召したりして♡」


メリーさん太「──何が、『スライムプレイ』だ⁉ それにナ○しゃんとキ○ウヤ君は、そんな関係にはありません!」




ちょい悪令嬢「わかりませんよう? ミチルちゃんを失った絶望感に、キ○ウヤ君がつけ込んできたりして☆」




メリーさん太「キ○ウヤ君は、そんなゲス野郎じゃねえよ⁉ いい加減にしろ!」











ちょい悪令嬢「そういえば、本作のような『集合的無意識とのアクセス』による、いわゆる『精神的ループ』では無く、実際に物理的にループする場合なら、一定の期間内においては年をとることなく、何度死んでも次の『周回』においては生き返ることができるので、別にショゴスの肉体なんかになる必要も無く、事実上『不老不死』を実現できますわね♫」




メリーさん太「──おお、うまく冒頭の『ひぐ○しのなく頃に業』の全話無料配信の、『ステマ』会話パートと繋がったじゃないか⁉」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る