第611話、わたくし、『無能な巨人ライナーナ』ですの♡(その2)

ちょい悪令嬢「……ええと、今回は【無能なナ○の超能力講座】の2回目として、主人公のナ○しゃんの『読心能力』について解説する予定でしたけど、大変申し訳ございませんが、変更させていただきます」




メリーさん太「──やっと始まったかと思ったら、もうスケジュール変更かよ⁉」




ちょい悪令嬢「あ、予定変更と申しましても、【超能力講座】自体をお休みするわけでは無く、前回の補足説明をさせていただこうと思っているのです」


メリーさん太「……補足説明って、あれだけ語っておきながら、まだ話し足りないことがあるとでも言うのか?」


ちょい悪令嬢「非常に重要なことについて、言及するのを忘れていたのですよ」


メリーさん太「非常に重要なこと、って……」




ちょい悪令嬢「実は前回における、『あらゆる超能力の無効化能力とは、そもそも超能力に立脚している創作物フィクション世界そのものの、全否定に他ならない』という見解は、本作『わたくし、悪役令嬢ですの!』のオチの『ネタバレ』だったりするのですよ☆」




メリーさん太「うおいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ⁉」




ちょい悪令嬢「昨日前回の分を読み返していて、思い出したのでございます。それで今回、詳しく説明を加えようと──」


メリーさん太「加えるな! 何をわざわざ、自分の作品の致命的なネタバレをしようとしているんだ⁉」


ちょい悪令嬢「何分前回の内容と密接に関連していることですし、説明するのなら、いい機会かと思いまして」


メリーさん太「──いい機会なわけあるか⁉ そういうのは、本編の最終回のあとに改めてやれよ!」


ちょい悪令嬢「そうですか、せっかく無効化能力についての、『究極の考証』をご披露して差し上げようと思ったのに。……仕方ありません、それでは『他の作品』を例に挙げて、考察することにいたしましょう」


メリーさん太「他の作品、て?」




ちょい悪令嬢「もちろん、現在アニメ版最終章ファイナルシーズンが、各国のランキングを総なめ中の、『進○の巨人』でございます☆」




メリーさん太「──また、それかよおおおおおおおおおお⁉」




ちょい悪令嬢「実は前回のテーマは、こちらにも密接に関連していることをお話しするのを、すっかり忘れておりましたの」


メリーさん太「……『進○の巨人』が、無効化能力と、どう関わってくるって言うんだよ?」


ちょい悪令嬢「実は無効化能力って、『精神面』限定とはいえ世界そのものを改変し得る、『進○の巨人』の『始祖ユ○ル』由来のレ○ス一族ならではのチートスキルである、『全人類規模の記憶の改竄能力』と同様に、『集合的無意識との最上位のアクセス権』を有している必要があることは、すでにお伝えしていたでしょう?」


メリーさん太「ああ、まあな。無効化能力があれば下手すると、すべての『超能力系』作品を全否定しかねない、『メタ的な世界改変』を実現できるそうだしな」




ちょい悪令嬢「──と言うことで今回は、無効化能力によって、『巨人化』を始めとする『進○の巨人』における各種超能力を、発動させたり抑制したりできることを、詳細に解説していきたいかと思います♫」




メリーさん太「は? 無効化能力で、『進○』における数多あまたの超常現象を、すべて論理的に説明できるだと?」


ちょい悪令嬢「もちろん! 何せ何度も何度も言うように、超能力の類いはすべて、『集合的無意識とのアクセス』によって論理的に実現できますので、その『最上位のアクセス権』を有しているともなれば、できないことなんて何もありませんよ!」


メリーさん太「いや、『進○の巨人』において、『何でもアリ』の超能力なんて、行使されたことは無いだろうが⁉ もしそうだったら、レ○ス王家もマ○レの戦士も、もっと楽に目的を達していただろうし!」


ちょい悪令嬢「それでは一つ一つ、ご説明して参りましょう。最初は何と言っても、そのものズバリの、レ○ス家における『無効化能力』です!」


メリーさん太「……へ? パラデ○島において、無効化能力なんて使われていたっけ?」




ちょい悪令嬢「もし本当に、レ○ス一族に『全人類規模の記憶の改竄』などと言った、神様レベルの『最上位の集合的無意識とのアクセス権』があるとしたら、マ○レの戦士を含む、『巨人化能力』を秘めている作中の敵味方のメインキャラたちを全員、集合的無意識とのアクセス権を強制的に奪うことで、巨人に変身できないようにしたり、現在巨人となっている場合も、無理やり人間に戻すことすらも、十分に可能なのですよ」




メリーさん太「なっ⁉ つまりは、『巨人化の無効化能力』ってわけか⁉」




ちょい悪令嬢「当然のごとく巨人化についても、集合的無意識とのアクセスによって実現されていますので、『記憶操作』などという最上位のアクセス権を有するレ○ス家の人間にとっては、けして不可能では無いはずですが?」


メリーさん太「……いやそもそも『巨人化』って、集合的無意識論や量子論に則れば、具体的にはどういう仕組みで実現しているんだ? 巨人に変身するごとに、集合的無意識にアクセスしているわけか?」


ちょい悪令嬢「もちろんアクセスしなければ、あれ程の大変身をすることなんてできませんよ。──ただし、変身する本人は、『無自覚』なままですがね」


メリーさん太「巨人に変身するのが、無自覚だって? そんなことは無いだろう。確かエ○ンたちって、巨人に変身する時には必ず、自分の身体のどこかを傷つけていたじゃないか?」


ちょい悪令嬢「あれはあくまでも、『巨人化のスタートの合図』でしか無く、肝心の『集合的無意識とのアクセス』については、最初から無自覚に『整っている』のです」


メリーさん太「最初から、整っているって?」




ちょい悪令嬢「実は潜在的に巨人化の能力を秘めている、すべての『ユ○ルの民』のうち、エ○ンたちのようにすでに『巨人化能力』が活性化していて、いつでも巨人に変身できるようになっている者は、全身を構成している量子が、常に変幻自在の『重ね合わせ状態』となっているのですよ」




メリーさん太「肉体がすべて、ミクロレベルの量子ならではの、重ね合わせ状態になっているって──」




ちょい悪令嬢「そうです、クトゥルフ神話で高名な、不定形暗黒生物『ショゴス』へと還元しているようなものなのですよ。だからこそ、『己の肉体を傷つける』という『発動条件スイッチ』さえポチれば、いつでもどこでも直ちに巨人化できるようになっているのですわ」




メリーさん太「……確かにショゴスだったら、地球上のあらゆる物質どころか、巨人のような創作物フィクションの存在であろうが、何にでも変幻自在だと思うけど、そもそも『質量保存の法則』はどこに行ったんだ? 人間の肉体がアッと言う間に巨人に変身してしまうなんて、どう考えてもおかしいだろうが?」


ちょい悪令嬢「そこら辺は、本作ではすでにお馴染みの、『軍艦擬人化少女の変化メタモルフォーゼ能力』と同じなのですよ。彼女たちはどのようにして、自分の身の回りに、軍艦の兵装を出現させていましたっけ?」


メリーさん太「そりゃあもちろん、空気等の周辺の物質を、集合的無意識と強制的にアクセスさせて、形態情報を書き換えることによってだろう──って、ああ、そういうことか⁉」


ちょい悪令嬢「エ○ンたちは、それを無自覚で行うことで、自分自身の肉体のみならず、周囲の空気等の物質をも併せて、いったんショゴスに還元させてから、形態情報を書き換えることによって、巨人化しているのでございます」


メリーさん太「何で巨人化のほうは、無自覚でできるんだよ?」


ちょい悪令嬢「そもそも『巨人化能力』って、どうやって獲得ゲットするんでしたっけ?」


メリーさん太「ええと、すでに巨人化能力を有している者の肉体を、捕食して己のものにするってのが、セオリーだったっけ…………あっ、まさか⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、すでに『ショゴス化』していた肉体を、捕食によって己の肉体に取り込むことによって、自分自身も自動的に『ショゴス化』してしまっているのですよ」




メリーさん太「うおっ、すげえつじつまが合っている⁉ そうか、『巨人』て、クトゥルフ神話の『ショゴス』だったのか⁉ ────って、そんなわけあるか! 原作者でも無いのに、勝手に設定をでっち上げるんじゃないよ⁉」


ちょい悪令嬢「しかし、量子論や集合的無意識論的には、非常に納得がいく見解かと思いますが?」


メリーさん太「──うっ」


ちょい悪令嬢「特に、巨人化する際には単に自傷行為だけでは無く、何かしら『強い意志』が必要になってくるところなんて、本作等において何度も何度も申し上げてきた、『集合的無意識とのアクセスは、強い願望を持つ者だけが実現することができる』と、完全に合致しておりますからね」


メリーさん太「──ほんとだ⁉ 何それ、何で最近存在自体を知ったばかりの『進○の巨人』と、無茶苦茶シンクロ率が高いの、この作品の作者って⁉」


ちょい悪令嬢「おそらく、『考え方』が、似通っているのでしょうね」


メリーさん太「考え方、って?」




ちょい悪令嬢「もしも『ユ○ルの民』がユダヤの人々そのものだとしたら、パラデ○島とはまさしく、(別の世界線において)第二次世界大戦に勝利しヨーロッパを完全に支配した、ナチスドイツの暴虐から逃れてきた人々が建設した『イスラエル』そのものであり、それなりの軍備を整えてヨーロッパから独立して、つかの間の平和を謳歌していたところ、ヨーロッパより化物そのものの生物兵器が多数襲撃してきて、国を挙げて激闘を繰り広げていたら、実は敵の正体はナチスに洗脳された同胞のユダヤ人たちが、バイオテクノロジーによって変貌した人体兵器だった──と言うのが、『進○の巨人』の大まかなストーリーの流れとなりますが、これって、本作の作者の別作品である『ヴァルプルギスの亡霊』における、自衛隊の転生者と大日本帝国軍人の転生者とによる、異世界を舞台にしたガチのバトルそのものとは思いません?」




メリーさん太「──ッ」


ちょい悪令嬢「もちろん、ただ単に『進○』のストーリー設定をなぞるだけでは、わざわざ本作において考証する意味はありません。やはりここは、『独自の展開』も見せないと」


メリーさん太「……独自の展開、だと?」


ちょい悪令嬢「強制的に記憶を改竄することが可能なレ○ス一族だったら、不特定多数の人々を、強制的に巨人化させることもできたりしてね☆」


メリーさん太「──ちょっ、それって⁉」




ちょい悪令嬢「そう、このやり方だったら、わざわざ『壁』を壊すこと無く、例の『巨人による全人類の踏み潰し計画』である、『地な○し』がより簡単に遂行できるんですよ」




メリーさん太「……でも、そんなことを強行したんじゃ、下手するとパラデ○島の住民のほうも、(無理な巨人化によって)共倒れしてしまうかも知れないじゃないか?」


ちょい悪令嬢「え? いつ、パラデ○島の人たちを、巨人化させると申しました?」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「レ○ス家の『記憶操作すらも可能な最上位のアクセス権』を行使して、『ユ○ルの民』を強制的に巨人化できるとしたら、それは敵地である『マ○レ』においても、十分可能とは思いませんか?」




メリーさん太「何だと⁉ それって、パラデ○島では無く、マ○レにいるエルデ○ア人を、巨人化させるわけか⁉」


ちょい悪令嬢「うふふふふ、あたかも日本の銀座のような休日の繁華街において、いきなり周囲の人たちが、知能どころか人間性すら皆無の『無垢○巨人』となって、マ○レ人どころか同胞のエルデ○ア人すらも食べ始めたら、文字通りの『阿鼻叫喚の地獄絵図』となることでしょうねw」


メリーさん太「そんなえげつないことを、笑顔で言うんじゃないよ⁉ ──ていうか、これって本作の作者の別作品である、『本当は怖い異世界転生⁉【病院編】』そのまんまじゃないか?」




ちょい悪令嬢「これぞ『独自設定』そのものであり、今季のコンテスト用の完全新作『ヴァルプルギスの旭光』においては、本来弓状列島『ブロッケン』の外には出られないはずの『魔女』たちが、大陸や半島の人々に転生することによって、いきなり『宣戦布告』をぶちかまして、大虐殺を展開することになっております☆」




メリーさん太「……本当に、それをやるつもりなのかよ? いろいろと問題があるんじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「そこはほら、『進○の巨人』同様に、ちゃんと『娯楽作品エンターテインメント』としてまとめるつもりですから」


メリーさん太「ほんとかよ? ………………………まあ、それも、コンテストの締め切りに間に合っての話だけどな」




ちょい悪令嬢「──ぎくっ」




メリーさん太「……いやその、『ぎくっ』で終わろうとするのは、そろそろやめようよ?」

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