第584話、わたくし、「鮮血のクリスマスにようこそ♡」ですの(③死ね戻り編)

ちょい悪令嬢「──さて、『鮮血のクリスマスアニメ大考証』最終回の今回は、かねてよりお知らせていた通り、12月24日のクリスマスイヴにおける、アニメ界を代表する『鮮血系』超大作連続配信の大トリを飾った、『ひぐ○しのなく頃に業』の第1クールの最終話を、フィーチャーしてお送りいたします!」




メリーさん太「……まあ、今回の【座談会】の趣旨的に、『ひぐ○し』は取り上げざるを得ないよな。しかも内容のほうも、非常に『アレ』だったし」




ちょい悪令嬢「あ、その第13話の考証に入る前に、一つよろしいですか?」


メリーさん太「うん、どうした、また別の作品の雑談でも、おっ始めるつもりか?」


ちょい悪令嬢「いえ、『ひぐ○し』は『ひぐ○し』でも、現行の『業』の第1話についてなんですよ」


メリーさん太「え、第1クールもめでたく(?)終了の運びとなったと言うのに、今更第1話の話なの?」


ちょい悪令嬢「ほら、第1話の冒頭って、旧アニメ版の『無印』同様に、K1君がレ○ちゃんや魅○ちゃんに対して盛大に『ウッディ』するといった、衝撃的なフラバ(的な夢?)シーンから幕を開けたでしょう?」


メリーさん太「……うん、いかにも今回の第13話のラスト部分を、彷彿させるようにしてな」


ちょい悪令嬢「まあ、そのフラバのパートの最後に、K1君の家の外観が一瞬だけ出てくるのですが、何と、屋根の色が『赤』だったのです!」


メリーさん太「え、何が『何と』なの? K1君の家の屋根の色は、旧アニメ版の頃から赤色だった………………………………いやいやいや、ちょっと待てよ⁉ 確か『業』における、K1君の家の屋根の色って──」




ちょい悪令嬢「そうです、『業』におけるK1君の家の屋根の色は、『青』のはずなのですよ」




メリーさん太「…………………………ええと、それって、一体どういうこと?」


ちょい悪令嬢「わたくしも初めは、『業』になって作画スタッフも変わったことだし、単なる『ちょっとした設定変更』の類いかと思っておりましたが、旧シリーズの『ウッディ』シーンのフラバにおいて、あえて屋根の色を『赤』にしたと言うことは、間違いなく『明確なる演出コンセプト』として、意図的に変えられたのでしょう」


メリーさん太「『業』のKちゃんの家の屋根の色が『青』と言うのは、確かなのか?」


ちょい悪令嬢「一度考察スレ上に、先ほど申したような『疑問』を感じた方の書き込みがあって、それを受けて本作の作者が『業』の配信映像を注意しながら見てみると、確かに何度か映し出された前○邸Kちゃんちの屋根の色は、旧アニメ版と違って鮮やかな『青色』でございましたの」


メリーさん太「それが事実として、わざわざ主人公の家の屋根を色を変えることに、何の意味があるって言うんだ?」




ちょい悪令嬢「視聴者はもちろん、作内でループを行っていて、過去の──すなわち、旧アニメ版の『雛○沢村』を始めとする『ひぐ○し世界ワールド』を知っている者に対して、『今回の「ひぐ○し」は、今までとはんだぞ』と、『過去の知識やルールは、んだぞ』と、アピールしているのではないでしょうか?」




メリーさん太「……まったく違うって? いや、旧アニメ版もその他のメディアミックスにおいても、『カ○ラ』ごとに違いはあったじゃないの?」


ちょい悪令嬢「これまでのが、キャラの行動等によってストーリー展開にそれなりの差異が生じるものの、基本的な世界観はほぼ同一の、いわゆる『タイムスリップ』や『過去のやり直しループ』みたいなものであったとすれば、今回の『業』は、極端に言えば『異世界転生』であるかのように、根本的な違いがあるのですよ」


メリーさん太「『異』世界転生って、文字通り『世界観』自体が違うわけなのかよ⁉」


ちょい悪令嬢「よって、これまでは絶対に同一であるべきだった、『XYZ』の三つのルールすら、当てにならなくなる場合も考えられて、また最初から『どのようなルールが適用されているのか?』を導き出すところから、始める必要があるかも知れないのです」


メリーさん太「……そういえば、水車の回転の方向が逆だったりするとかいった細かい点から、富○さんトミーが最初に死体として発見されなかったり、黒幕であるはずの34みよさんとトラックで駆け落ちをしたり、入○診療所が解体されていたり、祭具殿のオヤシ○さま像の腕が欠けていなかったりといった、けして無視できない『差異ちがい』が目につき、挙げ句の果てにはどうやら最重要イベントであるはずの、『雛○沢大災害』が起こっていないようにも思えるんだよな」




ちょい悪令嬢「──それよりも何よりも、最大の違いが、『鬼騙○編』、『綿騙○編』、『祟騙○編』、それぞれのおけるクライマックスでの、大どんでん返しなんですよ!」




メリーさん太「おお、そうか、そうだったよな。最後の最後で『驚愕の展開』を見せたのは、別に今回の第13話だけじゃ無かったっけ」




ちょい悪令嬢「『鬼騙○編』では、せっかくKちゃんが仲間を信じる心を失わず『雛○沢症候群』の発症を抑えたというのに、元祖『私を信じて』のレ○ちゃんのほうが発症(発狂?)して襲いかかってきたし、『綿騙○編』では、Kちゃんが最後まで信じてくれたために、旧作の『綿流○編』とは違って魅○ちゃん(実は詩○ちゃん?)のほうも、発症(発狂?)しなかったというのに、惨劇を止められなかったのはもちろん、なぜか旧アニメ版全編通しての『最初の犠牲者』と『真の黒幕』であるはずの、富○さんトミー34みよさんが盗んだトラックで駆け落ちするし、そして文字通りの『鮮血のクリスマス』の真打ちにして大トリの『祟騙○編』に至っては、『雛○沢大災害』イベントパートを除けば大団円であったはずの『皆殺○編』通りに進みながらも、完全に打倒したはずの鉄○さんが最後の最後の現れて、あともう少しで当エピソードの最高殊勲選手になる予定だったKちゃんに襲いかかるわ、他の部活メンバーもレ○ちゃんを除いて文字通りの『皆殺し』にされてしまうわで、もはやレ○ちゃんが思わずどこかの『宇宙陰獣』そのままに『わけがわからないよ⁉』状態になるのも、無理はありませんわ」




メリーさん太「……うん、あたしも、まったくイミフだったわ」


ちょい悪令嬢「でもですねえ、これにはちゃんとした、『法則性』があったりするのですよ?」


メリーさん太「──ええっ、あのカオスそのもののぶち壊しイベントの連続に、法則性だってえ⁉」




ちょい悪令嬢「まず一つには、各編ともキーパーソンたちが、旧アニメ版での同様なシチュエーションだったら『絶対そんなことをしない』と思われていた、意外極まる行動をとったり、あたかも『雛○沢症候群』を発症したかのような、発狂状態になったりすることですよ。『鬼騙○編』では、『私を信じて』の代表選手であるはずのレ○ちゃんが凶行に走ったり、『綿騙○編』では、最後までKちゃんを裏切らない魅○(詩○?)ちゃんはもちろん、旧アニメ版では自分から振っていた『臆病な猫さん』の例え話をKちゃんのほうから聞かされた途端、梨○ちゃまがいきなり『魔女ムーブ』をぶちかましたり、『祟騙○編』では、先程も述べた『そこにいないはず』の鉄○さんによる凶行は言うまでも無く、旧アニメ版の『祟殺○編』においては、最終的にKちゃんのことを拒絶し自らの手で殺そうとした沙○子ちゃんが、デレデレデレのメス顔になって、『これからK1さんのことを、「にーにー」と呼んでもよろしいでしょうか?』とか、旧アニメ版全体においても絶対に言わないようなことを言ったり──というふうにね」




メリーさん太「──ああ、そうか! どのエピソードも最後の最後でうまく行かないのは、各編におけるキーパーソンが、それまででは考えられない突飛な行動をとるものだから、Kちゃんとか梨○ちゃまなんかの、どうにかして『問題解決』を図ろうと努力しているキャラたちさえも、まったく手に負えなくなってしまったわけか⁉」


ちょい悪令嬢「そうです、まさにそここそが、『第二のポイント』なのです!」


メリーさん太「……へ? 『そこ』って、『どこ』のことよ?」




ちょい悪令嬢「まさしく『問題解決を図ろうと努力している』キャラたち──すなわち、旧アニメ版の記憶がすべて有るはずの梨○ちゃまや、突発的なフラバによって旧アニメ版の記憶が断片的にあるKちゃん(やレ○ちゃん?)たちが、まるで自分たちの記憶とは『見当違い』に進んでいる『業』のストーリーに、翻弄され続けていることですわ」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「これはつまり、先程も申しましたように、『業』における『ひぐ○し世界ワールド』は、梨○ちゃまがループしていた旧アニメ版の『ひぐ○し世界ワールド』とは、まったく異なる世界であるためだと思われるのですよ」


メリーさん太「だからその、(公式でも盛んに喧伝アピールしている)『まだ誰も知らない、まったく新しい雛○沢』って、一体何なんだよ⁉」


ちょい悪令嬢「おそらくですね、以前からほのめかされていた、『複数人ループ説』が、やはり正しかったようなのです」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「梨○ちゃまやKちゃんたちは、旧アニメ版の記憶しか持っていないというのに、それとはまったく異なる『ひぐ○し世界ワールド』におけるループの中に取り込まれてしまったから、まったく対応できずに、毎回部活のメンバーほぼ全滅の、バッドエンドばかり繰り返す羽目に陥っているのですわ」




メリーさん太「……旧アニメ版とは異なる世界線でのループだって? しかも、梨○ちゃまがこれまでまったく関わっていなかったなんて、一体誰の主観によるループなんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「今のところ最有力候補は、沙○子ちゃん、ということになっております」




メリーさん太「……あー、確かにその考察は、いろいろなところで目にしたな」


ちょい悪令嬢「ただし、この『沙○子ちゃんループ説』は、大きく二つに見解が分かれております」


メリーさん太「それって、沙○子ちゃんが新たなるループの主体であるのは間違い無いが、加えてすべてをお膳立てしている、『黒幕かどうか』ってこと?」


ちょい悪令嬢「大雑把に言えばその通りですが、更に具体的に申しますと、肝心のループの目的が、『誰かを助けるため』か『誰かを殺すため』かという、決定的な違いが存在するのでは無いかと思われるのです」




メリーさん太「──なっ⁉ 『助けるため』はともかく、『殺すため』って⁉」




ちょい悪令嬢「ふふふ、こうなると、例の第13話の『沙○子ちゃんデレデレシーン』が、非常に意味深になるでしょう? もしも沙○子ちゃんの(ループ上の)目的が、『K1さんを助けるため』なら、額面通りに受け取れますけど、実は『K1さんを殺すため』であれば、まさしく沙○子ちゃん面目躍如の、『トラップ』そのものであったことになるのですわ♫」




メリーさん太「Kちゃんを殺すために、トラップを仕掛けたって、一体どうしてそんなことを⁉」




ちょい悪令嬢「おそらく、今回のループの原因として、将来の『聖ルチ○ア学園時代』において、何らかの事件があったのでしょうけど、これについては、これからのストーリー展開を実際に見てみないと、確かなことは言えませんね」




メリーさん太「ああ、これも前からほのめかされている、OPの『やけに色っぽい高校生沙○子ちゃん』と、EDの『妊娠の疑いのある梨○ちゃま』から想起される、(Kちゃんを巡っての?)『修羅場』説か……」




ちょい悪令嬢「──加えて申せば、これぞ本作において以前から提唱していた、『第三者型の死に戻り』の一種とも言えるのですよ!」




メリーさん太「ああっ、そういえば、その通りじゃないか⁉」




ちょい悪令嬢「これについては、(すでに作成中の)具体的な作品例を交えて、次回以降に改めて詳しく考証したいかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします♡」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る