第530話、わたくし、『ひぐ○し』の旧作の謎が、新作『業』で解明されるのを期待しますの。(前編)

ちょい悪令嬢「──はい、今回こそ、『ひぐ○しのなく頃』アニメ版について、旧作第一期と第二期とを全話視聴し終えた上での、全編的考証と、それを踏まえての、現在絶賛放映&配信中の、完全新作版の『業』に対する期待と展望とを、熱く語りたいかと思います!」




メリーさん太「……いや、それは前回か前々回でやっておけよ? 第二期の最終話を見終えたのは、三日前なんだろうが? それなのに何で、前々回は2020年秋アニメに対する全体的な考察を、前回に至っては【アニメの日】を記念して、これまでの日本のアニメ作品全般にわたっての、非常に偏った個人的見解を大々的に宣言したりして、無駄な寄り道をしてしまうかねえ」




ちょい悪令嬢「うっ。──そ、それは、一昨日ちょっと暇ができて、『神○になった日』と『シグ○リ』と『アサルトリリ○』を立て続けに見たものだから、ついそれらについても語りたくなったからであり、昨日については、前回ご説明した通りですよ!」


メリーさん太「その気持ちもわからなくは無いけど、今回もそのようにぐだぐだと言い訳ばかりして、また話がわき道に入り込んで迷走したら目も当てられないから、とっとと本題を始めろ!」


ちょい悪令嬢「──あ、はい、そうしますっ!」


メリーさん太「それではまず、『ひぐ○し』の旧作版全編の最終話を実際に見て、第一印象的としては、どう感じたわけ?」




ちょい悪令嬢「『ネタバレ』を避けるために詳しくは述べませんが、第一期の初期段階では想像もできないほどの、『前向きな内容』で、これ以上も無い『綺麗な形』で終了しましたね。第一期と第二期を通して、非常に壮大なる物語が、予想以上の『大団円』で終わったことに、心から大満足しております!」




メリーさん太「ほお、本作の作者には珍しく、諸手を挙げての大絶賛だな?」




ちょい悪令嬢「──しかあし! 実は、『前向きに、綺麗に終わった』ことこそが、最大のネックとなってしまっているのです!」




メリーさん太「と、言うと?」




ちょい悪令嬢「だって、まさに現在、旧作──特に第一期を再構成した、完全新作の『業』が、絶賛放映&配信されているからですよ!」




メリーさん太「……ああ、なるほど、旧作が『綺麗に終わっている』と言うことは、それだけ続編が創りにくいわけだ」


ちょい悪令嬢「しかも旧作第二期においては、旧作最大の特色である『ダウナー性』を全否定するかのような、『前向きな』終わり方をしているというのに、まさに旧作第一期をなぞるような方向性でスタートを切っていますからね。特に旧作ファンとしては、興味津々とならざるを得ないでしょう!」


メリーさん太「おおっ、むしろ逆境にあるからこそ、視聴者の興味を惹いて、注目を集めているわけか、なかなかやるな!」


ちょい悪令嬢「もちろん、確信犯的に『狙い通り』でしょうね。何せあえて新作がスタートした後になって、各動画サイトにおいて、旧作を全話一斉に無料配信させたくらいですからね」


メリーさん太「……しかしもし仮に、これでコケてしまったら、注目を集めた分目も当てられなくなるぞ? 『続編が創りづらい』ことには、何ら変わりは無いんだしな」




ちょい悪令嬢「それについては大丈夫です。実は旧アニメ版は、『前向きに綺麗に終わった』からこそ、少なからず問題が残っており、新作にはそれを解決することが期待されているのですから!」




メリーさん太「へ? 『綺麗に終わっているのに、問題が残っている』って、どういうことなんだよ?」


ちょい悪令嬢「幾つかの設定について、あまり深く掘り下げると、前向きに綺麗に終われないので、あえて放置されているのもあるのですよ」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「──その最たるものが、言うまでも無く、『雛○沢症候群』です!」




メリーさん太「ああッ、そ、そう言えば⁉」




ちょい悪令嬢「一見、第二期最終エピソードの『祭囃○編』においては、肝心の主人公グループに発症者がおらず、そもそも村民全員の発症を抑える力を有する、『女王感○者』である梨○ちゃまの殺害も防げたので、村全体の集団発症も起こらなかったので、めでたしめでたしとなったけど、当然のごとく、『雛○沢症候群』自体が根絶されたわけでは無く、これからだって村人の誰もが発症する危険性があり、すでにラスボスの『彼女』や主要登場人物の某身内に、最重篤レベルの『エ○』を発症した者がいるし、それに何よりもこれから先、梨○ちゃまが何らかの不測の事態により身罷って、集団発症が起こり得る可能性すらも否定できないのですからね」




メリーさん太「……そ、そういえば、今回新エピソードとして、雛○沢においてまたしても『繰り返しループ』が始まった発端が、中学生か高校生に成長した梨○ちゃまが死んだことが原因だとしたら、48時間以内に集団発症が起こってしまうんじゃないのか⁉」




ちょい悪令嬢「それについては、まさに旧作のラストで、入○先生が『たとえ入○機関がお取り潰しになろうが、私は個人的にも、雛○沢症候群の謎を解明してみせる!』って、決意表明していたから、もしかしたらちゃんと対応策があるのかもよ?」




メリーさん太「ああ、そうだったよな、だったら問題無いのでは?」




ちょい悪令嬢「いやだから、まさにその、『本当に雛○沢症候群の謎を解明して、対応策を確立できるかどうか』こそが、新作の焦点になるんじゃないですか?」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「そうなんですよ、確かに旧作の最終エピソードにおいて、雛○沢症候群の『原因』については、ラスボス──と言うか、日本の某国家的組織としては、一応の結論をつけました。しかしラスボスの『彼女』が主人公たちとの戦いに敗れたために、『雛○沢症候群』の完全なる『解明』のほうは、途中で放り投げられてしまいましたよね。──何せ某組織にとっては、元々『政争の道具』として利用していただけで、『雛○沢症候群』自体は、そんなに重要では無かったのですからね」




メリーさん太「……それに、ラスボスの見解自体も、かなり『眉唾』なんだよな。実は『雛○沢症候群』の原因になったものこそが、人類に知恵や感情を与えたに違いないなんて、もはやSF小説そのままな厨二的妄想レベルだろうが?」




ちょい悪令嬢「いわゆる『ハ○ヒ』における、『珪素生物の憑依説』と同様ですわよね。いっそのこと『ネタバレ』を防ぐために、ここでは『雛○沢症候群』の原因を、『珪素生物の憑依』によるものとして解説を行うことにしましょうよ」


メリーさん太「『ま○マギ』で言えば、『キュ○べえ』ってことになるよな。やはりこの二作は、共通点が多いぜ」


ちょい悪令嬢「……うふふふふ、気がついておられます? 『珪素生物』にしろ、キュ○べえ』にしろ、広義の『宇宙人』なのですよ? これは『オ○シロさま宇宙人説』が、濃厚になってきましたなあw」


メリーさん太「おいっ、『珪素生物(仮)憑依説』を語っている時に、混乱を招くようなことを言い出すな!」


ちょい悪令嬢「はいはい、これについては後ほど述べることにいたしましょう。──とにかくこの説が正しいとすれば、新シリーズの『業』においては、『人の知能や感情はどこから来たか?』という永遠の命題に、一定の解答を示すことさえも、期待できるのですよ!」


メリーさん太「……そうかあ? そんな大それたことを目指していると、娯楽作品としての視聴者サービスのほうが、おろそかになってしまうんじゃないの?」


ちょい悪令嬢「だったら、本作において、結論を出してしまいましょう♫」


メリーさん太「は?」




ちょい悪令嬢「寄生生物による知性の獲得なんて、もはや使い古されたSFネタに過ぎず、実のところ科学性も論理性もまったくございません。──当たり前ですよね? 人間の知性の目覚めを、事もあろうに『外部要因』任せにしているのだから、科学も論理もへったくれもありませんよ。それに対して本作でお馴染みの『集合的無意識とのアクセス論』ならば、単純明快でありながら、ユング心理学や量子論によってきちんと論理付けられております。まず人類にのみ知性や感情が芽生えたのは、当然のごとく、『脳みそにそれだけの容量ポテンシャルがあったから』であり、これに関しては生理学や解剖学等によって科学的に証明されております。では、これまでの人類の進化を実現してきた、いわゆる『新たなる天才的知性』は、どこからもたらされたかと言うと、それもまた脳みその中に存在していたのです。どうして未知の知識まで脳みそにあらかじめ存在していたのか、極力簡単に説明すると、この世のあらゆる現象は、当然のことながら、人間が普段使っている『言葉』で表現することができます。そしてあらゆる言葉は、『文字』によって成り立っております。よって脳みその中に、最低でもひらがな50音(英語圏では、アルファベット26)文字さえ存在してれば、後はそれを無限に組み合わせるだけで、いかなる言葉にもなり、この世におけるあらゆる現象を表現できることになるのです。ただし当然のことながら、文字の集まりである言葉が、ちゃんと意味のあるものにならなければ、話になりません。確かにすべての答えは最初から脳みそにありますが、その単なる文字を『意味のある情報』にするのは、ちゃんと目的意識を持った人間自身による、『努力に次ぐ努力の飽くなき積み重ね』なのでございます」




メリーさん太「……ああ、それって本作でお馴染みの、『自分の願望の達成のためには、けしてあきらめずに、努力に努力を重ね続ける者こそに、運命の女神は微笑む』ってやつか? そうすると、『集合的無意識』って、現実的には『各個人の脳みそそのもの』になるわけか?」







(※次回に続く)

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