第521話、わたくし、たとえ世界を滅ぼしても、己の愛を貫きますの♡(後編)

ちょい悪令嬢「……そうよ、だからこそわたくしたちは、絶対に自分が性的マイノリティだと言うことを、カミングアウトしたりはしない。相手の幸せを考慮に入れずに、ただやみくもに愛する人に告白したりなんかはしない。──それこそが、『本物のマイノリティ』と言うものよ!」




メリーさん太「──ちょっと待って、あなたのような自己犠牲精神にあふれる同性愛者こそが、『本物』だと言うのなら、さも当然のようにカミングアウトして、徒党を組んで人前に出て来て、大々的に自分たちの権利ばかりを主張している、現在の『自称人道主義者』のやつらって……」




ちょい悪令嬢「そんなの全員、『ニセモノ』に、決まっているじゃないの!」




メリーさん太「──なっ⁉」




ちょい悪令嬢「例えばさあ、あなたが例の某シモ半島の『ベルリンの人たちにはとんだとばっちりな銅像少女』だったとしたら、自分から名乗り上げたりするかしら?」


メリーさん太「──とんでもない! 民族の敵に身体を売った『売国奴』呼ばわりされて、どんな酷い目に遭うかも知れないし、何よりも親兄弟親戚に、多大なる迷惑をかけて、シモ半島に居場所が無くなってしまうじゃんか⁉」


ちょい悪令嬢「普通そうですよねえ? なのにどうしてシモ半島では、あんなに臆面も無く、次々に『生き証人』が出て来て、日本に対する『叩き棒』や『金銭のゆすり手段』になってくれるんでしょうねえ?」


メリーさん太「……あ、そうか。さては、あいつらも」


ちょい悪令嬢「事実ほんのこの間、『実はあの元銅像少女のBBAは、ニセモノだったのですのよ、オホホホホ☆』などと、散々『銅像少女ビジネス』で金儲けしていた『銭ゲバ』の女国会議員が、今更になってぬけぬけと裏切り告発したりして、醜悪極まる『内ゲバ』を演じていたことですしねえ?」


メリーさん太「──怖い怖い! 何かいかにも卑劣な小悪党そのままの『ゴブリン』どもを、棒きれで殴り殺しにしそうな、『ゴブリンスレ○ヤー』みたいな顔をしないでえええ!!!」


ちょい悪令嬢「いや、ゴブリンスレ○ヤーは、顔が見えないでしょうが?」


メリーさん太「……つまり、本物の性的マイノリティだったら、意中の同性に告白するどころか、自らマイノリティであることを、名乗り上げたりはしないってことか」


ちょい悪令嬢「当然ですよ! わたくしたちのことを、一体何だと思っているんですか⁉ むしろあんな馬鹿げた『権利ごり押し運動』なんて、今すぐにでもやめて、わたくしたちのことなんて、放っておいてもらいたいほどですよ!」


メリーさん太「……まあねえ、そもそもカミングアウトしたところで、何もメリットは無いしねえ」


ちょい悪令嬢「メリットどころか、デメリットしかありませんよ! その最たるものが、他でも無く、『世界を滅ぼしてしまう』ことなのです!」


メリーさん太「せ、世界を滅ぼしてしまうって…………『足○区』では無くて?」


ちょい悪令嬢「『足○区』程度を滅ぼすくらいで、ビビるんじゃねえよ? 愛する者の世界そのものを、滅ぼす覚悟も無くて、同性愛なんてできるものですか!」


メリーさん太「愛する者の、世界を、滅ぼすって……」




ちょい悪令嬢「同性愛者の皆さん──特に、『一人っ子』の皆さん! 最近の自称人道主義者どもの工作活動によって、何だか同性愛が認められているように勘違いなされているようですが、実際には何も変わっていないのですよ? そりゃあ、あなた自身はいいでしょう。自分の性的嗜好を、世間から何の文句を言われずに、めでたく成就できるようになり、下手したら近い将来『同性婚』すら、公式に認められるかも知れないのですからね。──でも、そのことを、胸を張って主張できますの? 例えばあなた自身の、余命いくばくもない年老いた両親の前で、『俺様は一人っ子だけど、同性愛者として勝手にやらせてもらうから、あんたらにゃ孫の顔を見せることもできないし、この家も俺様の代で断絶させてしまうかもな? ぎゃはははは☆』って」




メリーさん太「……あ……あ」




ちょい悪令嬢「確かにたかだか少人数の同性愛者が、自分の欲望を貫いたくらいでは、『足○区』もあなたたち自身の『世界』も、滅びたりはしないでしょう。──でも、あなたのご両親は、どうでしょうね? せっかくこれまで必死に生きてきて、あなたのことを手塩にかけて育ててきたのに、『同性愛は病気じゃないw』そうだから、身体的かつ精神的に欠陥があるわけでも無いのに、一方的に『血筋断絶宣言』をされてしまったら、親御さんにとっては己の人生の全否定であり、世界そのものの破滅と言っても、過言では無いでしょう」




メリーさん太「……あ……あ……あ……あ……あ」




ちょい悪令嬢「──そう、まさしく『同性愛者』は、本当は最も愛すべき人たちの、『世界を滅ぼしている』のですよ。その自覚も無しに、権利ばかりを主張して、しかもほんの少しでも批判されようなら、全力で言論弾圧を行おうだなんて、一体何様なんでしょうねえ?」




メリーさん太「……あ……あ……あ……あ……あ………………って、ちょっと待ってよ⁉」




ちょい悪令嬢「うん、何ですか、メリーさん?」


メリーさん太「さっきの例え話の中の、『耐え忍ぶ女子中高生』はともかくとして、あなただって、れっきとした『百合キャラ』なんでしょうが? だったらあなた自身は、どうするつもりなのよ⁉」




ちょい悪令嬢「え、もちろんわたくしは、耐え忍んだりはいたしませんよ?」




メリーさん太「はああああああああああああああああ⁉」


ちょい悪令嬢「だって、わたくしは、覚悟しておりますから」


メリーさん太「覚悟って、まさか──」




ちょい悪令嬢「ええ、『百合キャラ』として、そして『主人公』として、この『わたくし、悪役令嬢ですの!』という物語セカイそのものを、滅ぼしてしまう覚悟ですわ♡」














メリーさん太「……何よ、『現在一番ホットな「時事問題」を、うかつに小説の題材なんかにしたら、当事者に迷惑がかかるから、控えておこう』なんて言っておいて、結局ほとんどすべてについて、語り尽くしたんじゃないの?」




ちょい悪令嬢「いや、そうでも無いんですよ、実はこれって初期案では、もっと生々しくダイレクトな『ドラマ仕立て』にする予定だったのですから、こうして【座談会】形式に変更することによって、かなりオブラートに包めていると思われますけど?」




メリーさん太「……ドラマ仕立て、って?」




ちょい悪令嬢「すでに一部書きかけていたんですけど、本編のメインステージであるホワンロン王国の女王陛下御前会議を舞台にして、『王立学術会議』のいかにも胡散臭い議長さんが、王国全土における『LGBT』の全面的推進を提唱して大絶賛を浴びていたところ、一人だけ『アーダルベルト=クーギー』という高齢の貴族の重鎮が異議を唱えるという、大注目のシーンから始まるのですわ♫」




メリーさん太「『クーギー』って、何よ、そのままじゃんw」


ちょい悪令嬢「『アーダルベルト』のほうも、本当は『アーダッチ』とかにしたかったんだけど、もろそのまんまだから自重したのですw」


メリーさん太「それで、そのクーギーさんとやらは、どうしていきなり異議を唱えたわけ? たとえ異世界においての話とはいえ、『LGBT』の推進は結構なことじゃないの?」


ちょい悪令嬢「たった一人の跡取り息子から、自分が同性愛者だと、カミングアウトされたとしても、ですの?」


メリーさん太「……ああ、そういうことか」


ちょい悪令嬢「唯一の後継者が、家系の存続を放棄してしまうなんて、父親にして現当主としては、『己の世界を滅ぼされる』も同じですよね」


メリーさん太「うん、確かに生々しいな。そのままやらずに正解だわ」


ちょい悪令嬢「更にはオチとしても、実は女王自身がいわゆる『最後まで自分の想いを秘め続けた、自己犠牲精神あふれる同性愛者』だったりして、昨今の『LGBTのごり押し』が他国による『王国弱体化工作』であることを見抜いていて、その実行機関とも言える『王立学術会議』を、むしろ解体するように命じるという、センセーショナルな結末を予定していたのです」


メリーさん太「──おい、別の『時事問題』も、絡んできているじゃねえか⁉」


ちょい悪令嬢「まあ、そういったわけでして、『お蔵入り』にしたわけですの」


メリーさん太「……一応、妥当な判断だと言っておこう。──それで、今回の【座談会】について、一つ確認したいことがあるんだけど?」


ちょい悪令嬢「はて、何でしょうか?」




メリーさん太「『本物のマイノリティ』であるならば、あえて率先して自分がマイノリティであることをカミングアウトすることなんて、ほとんどあり得ないと言うのは、理解できなくも無いんだけど、だったらどうして『ニセモノのマイノリティ』どもは、嬉々としてカミングアウトしているんだ? 大多数は文字通りに『マイノリティでも何でも無いニセモノ』だからなんだろうけど、中には本当に同性愛者でありながらも、何らかの理由で『LGBT権利ごり押し運動』に参加している人も、少しはいるんじゃないの?」




ちょい悪令嬢「──簡単なことですよ、その人たちは全員、騙されているだけなのです」




メリーさん太「だ、騙されている、ですって⁉」




ちょい悪令嬢「ほら、中つ国に限らず、北の某国とか、すでに滅び去ったソビエト連邦のことを、日本国内の夢見る左派の人たちって、何を勘違いしているのか、『地上の楽園』だか何だかと見なして、憧れ続けているじゃないですか?」


メリーさん太「ああ、よく聞くな、そのフレーズ。文字通り『隣の芝生は青く見えるだけ』ってことが、どうしてわからないんだ、おつむがレッドな人たちは」


ちょい悪令嬢「青い芝生どころか、『赤いディストピア』なんですけどね。なぜだか、共産主義と言うと、マルクス=レーニン主義の昔から、本来最底辺である労働者によって国家経営がなされていて、全人民が平等で仲良く暮らしているかのように、信じ込まれているんですよ」


メリーさん太「──ケッ、少しは現実を見ろよ、自分のことを賢いと思い込んで他人を見下すばかりの、思い上がりも甚だしい『似非リベラリスト』どもが。現在のコミー国家ってもれなくすべて、一部の党の高級幹部のみが王侯貴族そのままの暮らしを享受できている反面、その他の大多数の人民は奴隷労働者として、『平等に』こき使われているだけじゃないか?」


ちょい悪令嬢「それで、『LGBT』の人たちも、そんなコミー国家に行ったり、日本をコミー国家に作り替えてしまえば、自分たちも完全に平等に暮らしていけると、『吹き込まれている』のです」


メリーさん太「……それで、実際のところは?」




ちょい悪令嬢「中つ国あたりの辺境地域に、日本中から『LGBT』の人間だけを集めてきて、『臓器供給用牧場』を設けるというのが、お定まりってところでしょうよw」




メリーさん太「……うわあ、やっぱりそうなるかあ」




ちょい悪令嬢「そりゃそうですよ、『あなたたちには、平等に仲良く暮らせる、楽園を用意してあげるヨ♡』とか何とか、口先で言いながら、日本弱体化工作のための道具としてこき使っているだけで、用が済んでしまえばお払い箱になるに決まっているじゃん? そもそも中つ国を始めとする『特亜アルカニダ』のやつらって、心の底では『日本鬼子』に対しては『憎悪』しか持っておらず、『LGBT』だから例外扱いされて受け容れてもらえるなんて、虫が良過ぎるんじゃないの?」




メリーさん太「それって、『LGBT』だけで無く、すべてのレッド思想の日本人にも言えるわよね」




ちょい悪令嬢「おまえら、コミー思想のくせに、共産主義国家内における『権力闘争』というものを、甘く見過ぎているんだよ? 同じ中つ国人同士でも、一つの権力の椅子を巡って、殺し合いさえ行っているんだぜ? たとえ現在協力的だからって、『日本赤化革命』が成就した後で、日本人が座る席なんかがあるものか。全員『粛正』されるに決まっているじゃんか?」




メリーさん太「某半島が統合する場合を考えれば、明白なのにねえ。『南が北に統合されました、当然国防大臣の椅子は、統一国家において一つしかありません。──さて、消されるのは、北と南の国防大臣の、どちらでしょうかwww』 ……いやあ、これが国家元首ともなれば、もっとわかりやすいですよね? そこら辺のところは、南の『ドア小総統』閣下は、どのようにお考えなのでしょうねえ? まさか、自分自身は『脱北者』であり、統合における最大の功労者だから、手厚く扱ってもらえるなどと、勘違いなさっておられるとか?」




ちょい悪令嬢「──と言うわけで、『LGBT』や『某学術議会』に限らず、現在中つ国等のコミー国家に絶賛協力中の、国内の各種『左派レッド系工作員』の皆様。もはやあなたたちには、『日本赤化革命』が成功しようが失敗しようが、『地獄』しか待っておりませんので、目先の欲にくらんで国家そのものや大多数の国民を裏切った報いを、存分に味わってくださいませ♡」




メリーさん太「どうやら新生『ガースー政権』は、随分と『やる気』のご様子ですので、これからも大いに期待したいところですね☆」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る