第517話、わたくし、日本のアニメが世界一なのは、『エヴ○』や『ま○マギ』がすごかったからだと思いますの♡

ちょい悪令嬢「──さて、今回こそは前回お伝えしていたように、『鹿目ま○かちゃんのお誕生日』と『新世紀エヴ○ンゲリオン放送開始25周年』を祝して、この二作品を中心にして、日本のアニメ界全体について熱く語っていく、【特別座談会】を行いたいかと思います!」




メリーさん太「……え、それって本当に、やるつもりだったの⁉」




ちょい悪令嬢「やるに決まっているではないですか⁉ 何を言い出すんですか、メリーさん!」


メリーさん太「いや、前回のはあくまでも『前置き』として、それっぽい話題を語っただけだと思ったもので」


ちょい悪令嬢「日本のアニメ史に残るに大傑作を、単なる『前置き』ですってえ⁉」


メリーさん太「それにそもそも、『ま○かちゃんの誕生日』も『エヴ○の初放送記念日』も、すでに日にちが経っているから、今更取り上げる意味は無いんじゃないの?」


ちょい悪令嬢「意味は大いに有りますよ! むしろそれをこれから語っていくために、【特別座談会】を組んだんじゃありませんか⁉」


メリーさん太「ほう、それでは聞かせていただこうではないですか、少々時宜を外してでも、『ま○かちゃんの誕生日』や『エヴ○の初放送開始記念日』について語るべき、意味と言うものを!」




ちょい悪令嬢「まずは何と言っても、日本のアニメが世界一となり、そしてこれからも世界一であり続けられるのは、『エヴ○』や『ま○マギ』や『ガン○ム』や『宮○アニメ』や『押○アニメ』等々の、国の内外を問わず他の作品を寄せつけない、革新的な超傑作が存在しているからなのでございます!」




メリーさん太「──ええっ、日本のアニメが、世界一ですって⁉」


ちょい悪令嬢「……何ですか? 何か異論が、あるとでも?」


メリーさん太「あのさ、そんなふうに『世界一』と言い切るには、少なくとも外国製のアニメとの間に、圧倒的なレベルの差が存在すべきだと思うんだけど、実際には、もはや技術面では中国や韓国の作品と、それほどの違いは無く、特に圧倒的に多数の人口を誇る中国においては、『収益面』では、むしろ完全に負けているんじゃないの?」




ちょい悪令嬢「……チッ、これだから、トーシロは」




メリーさん太「──何であたしいきなり、舌打ちなんかされているの⁉」


ちょい悪令嬢「確かに技術面においては、日本もうかうかしていられないし、収益面においては、むしろ日本製のアニメも、人口14億の中国市場には、大変お世話になっているとは思いますが、まさかアニメのレベルを計る指標が、この二つだけで十分だと、思っているんじゃないでしょうね?」


メリーさん太「な、何よ、技術や収益じゃ無かったら、『伝統』とか『心意気』とか言った、日本人お得意の『精神論』で勝負をしようとか、言い出すんじゃないでしょうね⁉」




ちょい悪令嬢「──と言うよりも、日本とその他の国との違いとは、まさしく日本以外の国には、『エヴ○』や『ま○マギ』や『ガン○ム』等に匹敵する作品が無く、宮○監督や押○監督のようなクリエーターがいないことこそが、『すべて』なのですよ」




メリーさん太「………………………は?」




ちょい悪令嬢「メリーさんはこれまで、中国や韓国やその他の国で、これらの作品やクリエーターに匹敵する作品や人物が、一世を風靡したとか、聞いたことがありますか?」




メリーさん太「……いや、少なくとも本作の作者自身は、聞いたことも見たことも無いんじゃないの?」


ちょい悪令嬢「あの少なからずアニメに興味のある作者が、このインターネット全盛時代において、まったく情報を得ていないと言うことは、そもそも日本以外に、そのようなアニメ作品やクリエーターは、『存在していない』と断言しても構わないでしょう」


メリーさん太「そんなほんの少しの作品と、両手で数えられるくらいのクリエーターが、存在しているか否かだけで、いくら技術や収益面で追いつき追い越そうが、埋められないレベル差が生じるというわけ?」




ちょい悪令嬢「そりゃ当然ですよ、これらの超天才クリエーターの革新的作品こそが、アニメ界に激震を生み、そのつど業界全体を大躍進させて、繁栄を続けてきたのであり、また、そんな天才や革新的作品に憧れて、多くの若者がアニメの道を選び続けることによってこそ、更なる革新的作品が生まれるという、『好循環』が続いていっているのであって、最近のアニメ界の低迷ぶりが如実に証明しているように、単なる技術や収益面の向上ばかり目指していても、真の発展は望めないのですよ」




メリーさん太「──時代を変え得る天才クリエーターによる革新的作品があってこそ、アニメ界に真の発展をもたらし得るですって⁉ だったらどうして中国や韓国においても、現在アニメ界が活況を呈しているのよ⁉」




ちょい悪令嬢「決まっております、単なる『模倣』と『金儲け主義』によって、見かけだけ発展しているだけで、このまま真に革新的なクリエーターや作品が出現しないままだと、そのうち潰えてしまうのみの運命でしょうね」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「特に韓国においては、『日本に対するコンプレックス』のみを原動力としているので、救いようがありません。確かにその『追いつき追い越せ精神』によって、技術面については向上するでしょうが、自動車産業とかフッ化水素化合物の精製とかならともかく、何よりも『登場人物の心理描写』等の『精神面』にも重きを置かれているアニメ作品においては、小手先の技術力の向上のみでは、真に革新的なアニメを実現することなぞ、絶対に不可能でしょう」




メリーさん太「……だったら、中国のほうは?」


ちょい悪令嬢「こちらのほうがよりわかりやすくて、一言で言えば、『金と人口での力押し』ですわ」


メリーさん太「……ああ」




ちょい悪令嬢「そもそも中国においては、アニメの純粋なる質的発展なぞ目指しておらず、かの悪名高き『中華ソシャゲ』なんかと同様に、ただ単に『政治工作』や『金儲け』の道具として利用しているだけで、その制作に当たってはパクリ等を当たり前に行い、創作者としての誇りなぞ微塵も無く、出来上がった作品も日本を含むアジア市場に強引にねじ込んで、それこそ金や人口に飽かして、『大ブーム』を仕立て上げて、国の内外から大金を巻き上げて、党や軍部の資金源にしたり、マネーロンダリングの手段にしたりする一方で、『洗脳』や『個人情報の収集』等々、政治的工作をも密かに進めているといった、やりたい放題の有り様なのでございますわ」




メリーさん太「──うわっ、何だよそれって? 中国や韓国は、そんな歪んだ意図に基づいて、アニメを作成しているのか⁉ そんなんじゃ、日本のレベルに追いつくとかどうかとかの、話じゃ無いだろうが!」


ちょい悪令嬢「まあ、日本だって、よその国のことは言えませんけどね」


メリーさん太「へ? 日本が、どうして?」




ちょい悪令嬢「言うまでもなく、アニメ大国日本においても、天才的クリエーターや革新的作品なんて、無数の作品の中のほんの例外的な一握りレベルに過ぎないのです。確かにCGを中心とした作画技術の向上によって、アニメにおける神髄である『動き』については、昔とは比べ物にならないほど、非常に自然かつなめらかなものとなり、BGバックグラウンドについてもリアルなものになるとともに、一昔前では考えられないほど『背景動画』という超絶に面倒くさいテクニックが、今では『当たり前のもの』となりました。──しかし、いくら技術が向上しようとも、現在におけるアニメ界全体の凋落は、隠しおおせるものではありません。なぜなら一番肝心な内容の『面白さ』が、ストーリーよりも萌えキャラ重視路線──下手すると、声優人気におんぶに抱っこであることや、すべての作品が『売れ線』ばかり追求することによって、現在の『なろう系』の作品群のように、同じような作品ばかりになってしまうことで、完全になおざりにされて、視聴者の皆様から見放されてしまっているからなのでございます」




メリーさん太「……つまり、日本のアニメ界においても大筋では、『技術&金儲け主義』が蔓延っていると?」


ちょい悪令嬢「悲しいことですが」


メリーさん太「だったら、実際上は中国や韓国と同レベルということになって、そのうち本当に抜かされてしまうかも知れないじゃないか⁉」




ちょい悪令嬢「──ところがどっこい、このように一見腐りきっている土壌においても、時たま天才的作家が現れて革新的作品を創り上げるのが、日本のアニメ界の独特な面白さでして、けして『技術&金儲け主義』は、絶対に悪いわけでも無いですよ」




メリーさん太「それなら、中国や韓国にもそのうちに、そんな革命的な作家や作品が現れたって、おかしくは無いのでは?」


ちょい悪令嬢「だから先ほど申したではございませんか? 韓国は『日本に対するコンプレックス』のためだけに、中国は『金儲けと政治工作』のためだけに、アニメを作成しているのであって、元々そこに純粋なる向上心なぞ存在せず、真に革新的な作家や作品が生まれてくるための、土壌自体が無いのですよ」




メリーさん太「……なるほど、まず誰か一人でも、革新的な作品を創らなければ、話は始まらないってわけか」




ちょい悪令嬢「まさしく『言うは易く行うは難し』で、実行するとなると、茨の道ですよ? 日本だって別に、最初から天才を生み出す土壌が、漫然と存在していたわけでは無く、そもそも『テレビ漫画なんて、小さな子供が見るもので、芸術性なぞ必要無い』と、制作会社やスポンサーのお偉方から決めつけられて、予算内に適当に創ればそれで良く、『意欲作』なんて創る機会なんて、万に一つ有るか無いかでございました」




メリーさん太「……つまり、その万に一つのチャンスをモノにしたのが──」


ちょい悪令嬢「宮○監督を始めとする、現在アニメ史に名前を残しておられる方々ですわ」


メリーさん太「た、確かに、宮○監督の時代なんて、いちアニメーターが、自分の創りたい作品を創ることなんて、夢のまた夢だっただろうな………………………うん? だとすると、その当時よりも格段に技術も創作環境も進化している現在においては、もっと天才的クリエーターや革新的作品が生まれなければ、おかしいんじゃないの?」




ちょい悪令嬢「先ほども申したではありませんか? 時代とか国籍とかにかかわらず、ほとんどの人間は『売れ線』に迎合して、同じような作品しか創れないと。──そんな中で、真に『やる気』のある者だけが、実際に革命を起こすことができるのですよ」




メリーさん太「……ああ、なるほど」




ちょい悪令嬢「実は今回この話題を取り上げたのは、別にアニメ業界を上から目線で批判するためでは無く、むしろ我が『Web小説界』のほうにこそ、反省を促すためなのです。莫大なる制作費やマンパワーを必要とするアニメ界に比べて、個人の意思でどんな作品であろうと、ほとんど費用を要せずに創作できるWeb小説こそ、もっと時代を一変し得る革新的作品が現れてしかるべきだと思うのに、そのような作品なぞとんと見かけることはありません。せいぜいかつて個人サイトで公開された、『ソ○ド・アート・オンライン』が、発表当時それなりに画期的だった程度でしょうか? ──Web作家の皆さん、アニメとかゲームとか他の分野を批判する暇があるのなら、一作でも多くの、時代すらも変え得る革新的作品の実現に、全力で取り組んでください! このまま陳腐極まる『なろう系』ブームに甘んじていると、Web小説界そのものが衰退してしまいますよ!」




メリーさん太「……また最後の最後に来て、熱く語ってくれちゃって。それこそ『だったら、まずおまえから始めろよ?』と言われそうですが、もちろん本作の作者自身も鋭意努力して参りますので、皆様も是非ご参加のほど、よろしくお願いいたしますね♫」

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