第508話、わたくし、魔法少女は大人になっても、魔女にはならないと思いますの⁉(後編)
メリーさん太「──うわあああああああああああっ! 一体どうするんだよ、これって⁉」
ちょい悪令嬢「……な、何ですの、メリーさん、いきなり奇声なぞ上げられて?」
メリーさん太「奇声も上げるっちゅうの! 本当にいいの? こんなものを、Web小説とはいえ、広く世間に公開して! 『ま○マギ』シリーズに対して、多大なる迷惑をかけてしまうことになるんじゃないの⁉」
ちょい悪令嬢「あはははは、大丈夫ですよ、そんなことにはなりませんから」
メリーさん太「だ、だって、『魔法少女が魔女になる』ことこそが、他の何よりも『ま○マギ』シリーズの根幹をなしているんだから、そこを否定されたんじゃ、堪ったものじゃないでしょうが⁉」
ちょい悪令嬢「あら、
メリーさん太「あの台詞を否定してしまえば、同じことじゃない⁉」
ちょい悪令嬢「確かに原則的には、『魔女』になり得るのは『魔法少女』では無く『魔女っ子』ですが、あくまでも原則は原則に過ぎず、そんなもの各作品上において、勝手に変えてしまっても構わないのです。──事実、『ま○マギ』シリーズにおいても、先天的な血筋とか関係無しに、ヒロイン自身の絶望という精神的理由と、ソウルジ○ムの完全なる汚濁化という物理的理由とによって、魔法少女が魔女となってしまうシステムを構築しておられますからね」
メリーさん太「……え? そんな『後付け的理由』でも、いいわけ?」
ちょい悪令嬢「そりゃあそうでしょう、個々の作品の独自の設定を否定する権利なんて、誰にもありませんし、『ま○マギ』における『魔女化のシステム』についても、非常に納得のいくところでありますので」
メリーさん太「──だったら、何でキュ○べえの台詞に対して、重箱の隅をつつくようなツッコミを入れたんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「それについては、最初から申しているではありませんか? 『安易なパクリに対する警鐘』のためだと」
メリーさん太「………………あ、そういえば、そうでした」
ちょい悪令嬢「おそらくはこの、『魔法少女であるヒロインが、実は敵である魔女になってしまう運命にある』というネタは、非常に劇的でありいかにも『受け』が良さそうなので、何らかの形で自分の作品に取り入れようとする、『フォロワー』作家の皆様も少なくは無いと思われますが、残念ながら『先天的な魔女っ子ならぬ後天的な魔法少女』は、けして『絶対に魔女となってしまう運命』
メリーさん太「……た、確かに」
ちょい悪令嬢「つまり、自分自身の頭でちゃんと考えずに、安易に人気作品のアイディアを盗用した『パクリ』作家であるほど、より大きなダメージを受けて、自らの力では修復不能となり、作品自体がポシャりかねないのです」
メリーさん太「──ちょ、ちょっと待って!」
ちょい悪令嬢「はい、何でしょう?」
メリーさん太「他でもなく、本作の【魔法令嬢編】においても、ヒロインたち魔法令嬢は、いつかは敵である『悪役令嬢』になってしまう運命にある──って設定だったじゃないの? 一体どうするのよ⁉」
ちょい悪令嬢「どうするって、別に何もしませんけど?」
メリーさん太「えっ、何もしなかったら、作品自体がポシャってしまいかねないんじゃないの?」
ちょい悪令嬢「だからそれは、あくまでも『後天的な』魔法少女の話でしょうが? 本作の設定を忘れてしまったのですか? そもそも『魔法令嬢』って、何でしたっけ?」
メリーさん太「そりゃあもちろん、読んで字のごとく、『魔法の使える悪役令嬢の、そのまた
ちょい悪令嬢「それで、彼女たちが倒すべき『敵』って、何者でしたっけ?」
メリーさん太「ええと、確か、
ちょい悪令嬢「そうです、ヒロインである『魔法令嬢』の倒すべき相手たる『悪役令嬢』こそは、将来の彼女たち自身であり、現在における彼女たちの実の『母親』なのですよ」
メリーさん太「……そういえば、初期の頃には、ヒロインであるあなたが所属している、『魔法令嬢戦隊』のメンバーの一人が、自分の母親である悪役令嬢を倒すってエピソードがあったっけ」
ちょい悪令嬢「つまり、本作における『魔法令嬢』とは、『ま○マギ』のような『後天的な魔法少女』では無く、『先天的な魔女っ子』の
メリーさん太「……この作品て別に、『ま○マギ』の『完全な受け売り』では無かった、と言うことか」
ちょい悪令嬢「前回においても、申したではありませんか? たとえ他人様の作品に影響を受けようが、ちゃんと自分の頭で考えて、原典の設定の理由付けを更に詳細に突き詰めたり、新たに独自の設定を付け加えたりすれば、けして単なる『パクリ』にはなりはしないのだと」
メリーさん太「しかしよく、ヒロインたちとその敵との『親子関係』なんか、思いついたものだな?」
ちょい悪令嬢「
メリーさん太「うん、なぜだか大人たちが普通の人間ばかりの『ま○マギ』を、そのままパクっていたら、けして考えつかないアイディアだよな」
ちょい悪令嬢「元々『ま○マギ』における大人の描写に関しては、どちらかと言えば結構不満だったのですよ。『……むしろ、あいつら必要なのか?』と、疑問を覚えるくらいに」
メリーさん太「……ああ、そういえば、どんどんとストーリーがシリアスになっていくにつれて、家族とか教師とかによる『現実パート』が、物語全体の雰囲気から浮いていったよね」
ちょい悪令嬢「その点、全編にわたって『イヌカ○ー空間』に支配されている、『マギ○コ』のほうが、本作の作者としては、性に合っているみたいですわ」
メリーさん太「ていうか、そもそもこの【魔法令嬢編】を立ち上げた段階では、『ま○マギ』シリーズについては『叛○の物語』しか見ていなかったから、『魔女化のシステム』について知らなかっただけじゃ無いの?」
ちょい悪令嬢「そういった幸運なところもあるでしょうが、何よりも、『既存の作品を鵜呑みにせずに、常に自分の頭で考える』ことをモットーにしている、本作の作者だからこそ、安易なミスを犯さなかったとも言えるのです」
メリーさん太「そういえば、本作において『悪役令嬢化』してしまう設定の一つに、『身の内に秘められた魔導力の変質』と言うのもあるから、別に『後天的な魔法少女』キャラであったとしても、『魔女化』することに妥当性が得られているよな」
ちょい悪令嬢「これについては、本作とは違って、ヒロインを『ま○マギ』同様に『後天的な魔法少女』にしてしまった『フォロワー作家』の皆様にも、活用していただけるでしょう♫」
メリーさん太「……つまり、よほど悪質なパクリをしていない限りは、十分に修復可能ってわけか」
ちょい悪令嬢「それについても、ちゃんと『自分の頭で考えることができるか』によって、左右されてしまうでしょうね。結局『安易なパクリ』しかできない人間は、いつまで経っても『自分の頭で考えること』なんてできないのだから、いつかきっと、今回のように原典において『致命的なミス』が見つかった際には、とても自分の力で修復することができず、作品生命を自ら絶ってしまうことでしょう」
メリーさん太「うん、確かに創作者にとっては、『自分の頭で考える』ことこそが、何よりも大切だわ。──本当に良かった、本作の作者が『安易なパクリ野郎』なんかじゃ無くて♡」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます