第502話、【連載500回記念】わたくし、『ワルプルギスの夜』ごときには、負けませんの!
「──来た! あれが、『
魔導大陸東海岸、最終絶対防衛ライン。
ずらりと並んでいる、
そうそれは、信じられないことにも、深い海中に足元を浸からせながらも、雲をつくような高大なる、『
髪の毛から一糸まとわぬ幼くほっそりとした肢体まで、全身初雪のごとく純白に染め上げられている中で、人形そのものの端整なる小顔の瞳だけが、あたかも鮮血そのままに真紅に輝いていた。
──『
正体不明の人類の敵であり、どこかの神話の冒瀆的なまでに醜悪極まる名状しがたき邪神たちのように、必ず海から現れる、異能かつ異形の存在。
唯一『彼女』たちに対抗できるのが、同等の力を持つ超常の存在『悪役令嬢』の幼体である、
しかし、今回の『
確かに、純白の巨体の周辺を埋め尽くしている、無数の『
「……まさか、これほどの威容とは」
「アグネスはん、何でや」
「違うよ、あいつはもう、アグネスちゃんなんかじゃ無い!」
「そうよ、今の彼女は、単なる私たちの敵よ」
「情け容赦なく、最初から全力で、ボコることにいたしましょう!」
魔導大陸の誇る『魔導令嬢育成学園』特戦隊の中にあっても、自他共に認めるエースチームである、
「……息込んでいるところ、申し訳ないが、先鋒は、私たちに任せてもらえないか?」
咄嗟に振り向いたところ、そこにいた思わぬ人物に目を丸くする。
「……
一瞬、ドキッとなってしまった。
それもそのはずである。
何せ彼女ときたら、一見『
更には魔法令嬢でありながら、『吸血鬼の真祖』みたいな存在でもあって、多くの魔法令嬢の血を吸って自分の眷属にすることによって、密かに独立した軍団を創り上げて、学園に対して反旗を翻したものの、残念ながら
「ふふふ、そんなに意外そうな顔をしなくてもいいだろう? 我々吸血鬼だって、この魔導大陸における、れっきとした住人なのだし、そもそも私や眷属たちは、君たち同様魔法令嬢でもあるのだから、魔法令嬢や魔導大陸そのものを滅ぼそうとしている
そ、そういえば……。
あまりにも理路整然とした彼女の言葉に、納得しきりとなる
そんな5人の有り様を『無言の肯定』と受け取るや、自らの眷属へと言い放つ、月季ちゃん。
「──さあ、行こう、我が
「「「イエス、マイマスター!!!」」」
その瞬間、少女たちの黒衣に包まれた背中を突き破るようにして、同じく漆黒の大きな翼が生え、ミサイルであるかのごとく、大空へと飛び立っていった。
「……す、すごい」
我らが『ちょい悪シスターズ』のリーダーであるヨウコちゃんの言葉通り、まさしく嵐のまっただ中の暴風雨を切り裂くようにかっ飛んでいく、巨大なコウモリそのままな少女たちの大編隊の前には、
そしていよいよ本丸の
「「「「「………………は?」」」」」
何と、
「……何だ? まさか『カミカゼアタック』か?」
「それはむしろ、『量産型
「──あっ、ほら、見て!」
「……え、吸血鬼少女たちが皆、青い瞳をたくさん生やした、真っ赤な肉体に
「──『ショゴス』ですわ! 自ら集合的無意識とのアクセス経路をすべて
……えー。
何でここ一番の勝負時に、あえて脆弱なショゴスなんかに、
──などと、
とんでもない『異変』が、起こったのであった。
「──なっ⁉」
「……紅い肉塊が、増殖してるやと?」
「周囲の
「ていうか、『同化』じゃない?」
「つ、つまり、『集合的無意識とのアクセスのキャンセル領域』を、己の肉体以外にも、拡張しているわけですの⁉」
──そうなのである。
本来、
「……言うなれば月季ちゃんは、吸血鬼ならではの集合的無意識との上級アクセス権を使って、
「確かに驚きの戦法であったが、いつまでも指をくわえて見ているわけにもいかん。──さあ、我々も出撃するぞ!」
「「「「らじゃっ!!!!」」」」
そのようにお互いに檄を飛ばし合うようにして、いつものごとく愛機であるジェット戦闘機の、He162のコクピットへと飛び乗った。
……いや、「自分たちも魔法令嬢なんだから、翼を生やさないまでも、魔法の箒ぐらいには乗れよ?」──と、思わなくはないが、これが
「──行くぞ! 私たちの戦いは、これからだ!」
「「「「おー!!!!」」」」
そうして、5機の『
☀ ◑ ☀ ◑ ☀ ◑
メリーさん太「……だから、前回に引き続いて、一体何だって言うのよ?」
ちょい悪令嬢「え? 読んでいて、わかりませんでした?」
メリーさん太「……まさかとは思うけど、『
ちょい悪令嬢「ああでも、結局のところ、どうやら『特別警報』のほうは、適用されないことになったようですよ?」
メリーさん太「──そんな軽はずみなことを、言っちゃ駄目! 台風の進路上にお住まいの皆様! たとえ『特別警報』が適用されなかったとしても、『並以上の勢力』を伴った台風であることには、違いは無いのですから、十分にご注意のほどを、よろしくお願いいたします! けして気を抜いたりなさらないように!」
ちょい悪令嬢「まあ、それはもちろん、その通りですわね。──この作品も、別に今回の事態を茶化しているのでは無く、むしろ台風を(これまではライバルだった者が、思わず味方になっちゃう程の)強大なる『ラスボス』
メリーさん太「……相変わらず、『物は言いよう』だな?」
ちょい悪令嬢「でも、それだけではございません! 実は驚くべきビッグニュースが、舞い込んできたのです!」
メリーさん太「へ? ビッグニュースって、この全国的に危機的状況にある
ちょい悪令嬢「何と、一昨日発売されたばかりの『ダ・ヴ○ンチ』10月号において、あの超傑作魔法少女アニメ『ま○か☆マギカ』の外伝作品である、『マギア○コード』のアニメ版が特集されていて、そこでの総監督さんのインタビューにおいて、『アニメ版
メリーさん太「なっ⁉ ま、まさか!」
ちょい悪令嬢「ほんと、『まさか』ですわよね。まさかこれほどまでに、本作の作者の望んだ通りの展開になるなんて♫」
メリーさん太「……うん、もしかしたら、何度も本作で言っていた通りに、原典である『ま○マギ』との──特に、直近の劇場版である『叛○の物語』との、意外なる『繋がり』が明かされるかも知れないわね」
ちょい悪令嬢「同じくインタビューにおいて言及されていた、来年の『10周年記念
メリーさん太「まあ確かに、その可能性も、けして無くは無いよな………って、ああ! そう言うことか⁉」
ちょい悪令嬢「うふっ、ようやく気づかれました?」
メリーさん太「今回の前半部って、もろ『ワルプルギスの夜』だったのか⁉」
ちょい悪令嬢「そもそも、本作で頻繁に使っているキーワードである、『ヘクセンナハト』って、ズバリ『ワルプルギスの夜』のことですものね」
メリーさん太「本来の『特別警報』レベルの台風だったら、まさしく『ワルプルギスの夜』の襲来、そのものだしな」
ちょい悪令嬢「どのみち『マギ○コ』アニメ版
メリーさん太「それで勝手に、予想を立ててみたってわけか?」
ちょい悪令嬢「いえいえ、何度も申していますように、本作の作者はゲームオンチゆえに、『マギ○コ』のソシャゲ版はまったく行っておりませんので、ゲーム内において『ワルプルギスの夜』イベントがどんな風だったのかは、知る由もありませんから、これはあくまでも『妄想レベル』でしかないのですよ」
メリーさん太「うん、せっかくゲームシナリオに変更を加えてまで、オリジナル路線で勝負しようとしているアニメ版
ちょい悪令嬢「単純とは、失礼な。こう見えても、ちゃんと『独自色』を付け加えているのですよ?」
メリーさん太「独自色って…………ああ、『ショゴス』の
ちょい悪令嬢「そもそも『ま○マギ』における『ワルプルギスの魔女』って、複数の魔女の集合体であるという説もあるので、『マギ○コ』の独自設定の『ド○ペル化』を行って、あえて『ワルプルギスの魔女』と『同化』することによって、内部から『浸食攻撃』をするというのも、面白いとは思いません?」
メリーさん太「……なるほど、『ま○マギ』と『マギ○コ』との両方の設定をミックスしたわけか。結構希少なる(『マギ○コ』をも含む)『シリーズ全体のファン』である、本作の作者ならではの着想だな? ……とはいえ、
ちょい悪令嬢「ギクッ…………な、何のことでしょう? おほほほほほほ☆」
メリーさん太「しらばっくれるのもいいけど、何事もほどほどにしておけよ?」
ちょい悪令嬢「──それはさておいて、いよいよ『マギ○コ』アニメ版
メリーさん太「現在絶賛発売中の、
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