第477話、わたくし、すべての悪役令嬢を、物語から解放いたしますの♡

ちょい悪令嬢「──ドーモ、読者の皆=サン、エセ魔法少女こと『魔法令嬢』の、アルテミス=ツクヨミ=セレルーナ、デース!」




メリーさん太「ど、どうした、冒頭からその、謎のハイテンションは?」




ちょい悪令嬢「実は前回お約束した通り、昨日の早朝より、『マギア○コード』アニメ版の、今月において最初で最後の全13話連続無料配信を、すべて漏れなく視聴したのですが、最終13話が終わった後で、現在制作中のアニメ第二期セカンドシーズンの、予告ムービーが放映されたのですよ」


メリーさん太「ああ、本放送の時もやっていたし、今も公式サイトやツイッターやニコ○コ大百科とかで、視聴可能なやつだよね」


ちょい悪令嬢「あれって、画像は使い回しですけど、テキストのほうは、いかにも意味深なものばかりがちりばめられていまして、今回改めて注視したところ、非常に気になるフレーズを見つけたのです」


メリーさん太「ほう、どんな?」




ちょい悪令嬢「──黒い背景BGに白抜き文字で、『すべての魔法少女を、物語から解放する』とか何とか、記されていたやつです」




メリーさん太「──ッ。そ、それって⁉」


ちょい悪令嬢「ええ、つまり『マギ○コ』は、本気だということですよ」


メリーさん太「……でもこれって、『メタ』だよな?」


ちょい悪令嬢「ええ、『メタ』ですけど?」


メリーさん太「いやいやいや、『メタ』って言うまでも無く、アニメとかWeb小説とかにかかわらず、創作物にとっての最大の禁忌タブーでしょうが⁉」


ちょい悪令嬢「何を今更、他でもなく本作『わたくし、悪役令嬢ですの!』こそが、これまで散々『メタ上等』でやって来たと言うのに」


メリーさん太「それはそうだけど、個人が好きなように自由に書けるWeb小説とは違って、仮にも人気ソシャゲを原作にしていて、しかもかの伝説的超傑作アニメ『ま○か☆マギカ』の外伝作品が、安易な『メタ』に走ったりしては駄目じゃないの?」


ちょい悪令嬢「何言っているのです? 安易どころか、これぞ果敢なる、『チャレンジ精神』そのものではないですか⁉」


メリーさん太「は? チャレンジ精神、て……」




ちょい悪令嬢「つまり『マギ○コ』は、『ま○マギの外伝』という『与えられた名声』に甘んじること無く、『ま○マギ』が切り拓いた『魔法少女アニメの新たなる地平線』の、『その先』を目指すことを宣言したようなものなのです! 確かに『ま○マギ』はそれ以前の魔法少女アニメが、『愛と希望と夢の実現』等々のプラス面ばかりを描いていたのに対して、『魔法少女とは何者なのか?』、『魔法少女になるとは、どういうことなのか?』、『不思議な力で魔法少女を導く使い魔とは何者なのか?』等々といった、様々な謎を解明しつつ、そこから導き出される、すべての魔法少女となった女の子たちにとっての、『絶望と代償と憎悪』等々といった、『マイナス面』を赤裸々にえぐり出すといった、多大なる功績を残しましたが、それに対して何と『マギ○コ』は、そのような『可哀想な魔法少女』たちに、真の『解放と救済』を与えることを目指すという、ある意味『ま○か☆マギカ』の『カウンターパンチ』的作品とも言えるのですよ!」




メリーさん太「か、カウンターパンチ、ですってえ⁉」


ちょい悪令嬢「第一期ファーストシーズンで明確に描写されていたもので言えば、『ドッ○ルシステム』とかがわかりやすいだろうし、第二期セカンドシーズンに登場予定のものとしては、『ウ○サ』や『キ○チ』等の、魔法少女に魔改造を施すことによって、『感情エネルギーの回収効率』を更に爆アゲするやつとかが、挙げられるわね」


メリーさん太「ああ、『ドッ○ル』は確かに、魔法少女に対する『救済』の根幹をなすものと思われるし、『神○聖女のウワサ』と化したマ○さん(略称『ホ○さん』)は、まさしく『魔女』にも等しきドッ○ル二体とさ○かちゃんを同時に相手にしてもなお、圧倒的な強さを誇っていたから、『魔女化』という、元祖『ま○マギ』テレビ版における、最大の『絶望案件』を解消してしまうどころか、とんでもない『生体兵器』の開発にすら成功しているんだよな」


ちょい悪令嬢「そして第二期セカンドシーズンにおいては、更なる『魔法少女の解放』を、推し進めていくと言うわけなのですよ!」


メリーさん太「それこそが、『すべての魔法少女を、物語から解放する』ってことか。しかしそんな『メタ』そのものなことをやって、本当にうまく行くのかねえ……」


ちょい悪令嬢「いや、もうすでに第一期ファーストシーズンの時点で、うまく行っているではないですか?」


メリーさん太「へ? 『マギ○コ』のアニメ版の第一期ファーストシーズンって、『メタ』なんかやっていたっけ?」


ちょい悪令嬢「『メタ』では無く、『解放』のほうですよ。皆さん全然お気づきでは無いようですが、『マギ○コ』アニメ版は、ソシャゲ版オリジナルキャラだけでは無く、本家本元でも不可能だった、『ま○マギ』の杏○ちゃんやさ○かちゃん等の、元祖魔法少女五人衆すらも、すでに『解放してしまっている』のですよ」


メリーさん太「………………………は?」




ちょい悪令嬢「実は『外伝』であるからこそ、本家の『ま○マギ』とは違って、神○市を中心にした『筋書きシナリオ』を推し進めていること自体が、自動的に本家『ま○マギ』の魔法少女たちの、『解放と救済』に結びついたのです。──その証拠に、本家ではとっくにお亡くなりになっているはずのマ○さんが、いまだご健在だし、彼女が生きている限りは普通の女の子のはずだったさ○かちゃんが、すでに魔法少女になっているし、その結果見○原市の魔法少女枠は満杯になっていて、よその魔法少女が付け入る隙は無いから、杏○ちゃんが自己紹介で、『は現在、魔女不足で困っている』と言っていたでしょうが?」




メリーさん太「ああっ、た、確かに! ──と、すると」




ちょい悪令嬢「何と『マギ○コ』においてはすでにこの時点で、元祖『ま○マギ』ではどうしても不可能だった、ほ○らちゃんが転校してきてから『ワルプルギスの夜襲来』までの、およそ一ヶ月間のループからの脱出を、成し遂げているってことなのよ!」




メリーさん太「……な、何と」


ちょい悪令嬢「まさしくこれぞ『外伝』ならではの、為せる業ってところよね。ループのルートから脱出するには、ループの筋書きシナリオとはまったく別のルートを選べばいいだけなの」


メリーさん太「そ、そんな、身も蓋もない。──あ、いや、待てよ? そういえば、まさにその『別ルートの筋書きシナリオ』って、すでに劇場版の『叛○の物語』で、やっていなかったっけ?」


ちょい悪令嬢「あれは、ほ○らちゃんの『疑似魔女』的な力を、キュ○べえが利用して創り上げた、いわゆる『実験世界』に過ぎず、しかも結局最後には、『ま○マギ』のシナリオルートに戻ってきて、せっかく人間をやめてまで某『ガチ○ズ』から逃げ切っていたま○かちゃんが、某『ガチ○ズ』の巧妙なる罠にかかって人間に戻されて、またしても『転校生としてスタートするループ物語』へと、回帰してしまったじゃないの?」


メリーさん太「それってつまりは、わざわざ仕立て上げた『つくりものの世界』において、真に理想的な(ガチレ○からの)『解放と救済』を目指していたというのに、結局最後には元の木阿弥になってしまったってことかよ⁉」


ちょい悪令嬢「それに比べて『マギ○コ』のほうは、あくまでも現実空間かつ『ま○マギ』と同じタイムライン上において、見○原市とは別の舞台で強引に別の筋書きシナリオを進めることによって、現時点ですでに、『ま○マギ』主要登場人物五人のうち、三人も『救済』しているからな!」


メリーさん太「……マ○さんの場合、本当に『救済』されているのかは、大いに疑問だけど、確かに『解放』はされているよな、いろいろな意味で!」


ちょい悪令嬢「これでソシャゲ版のように、『ワルプルギスの夜』に対してまで一定のケリをつけたら、ほ○らちゃんの『ま○かちゃんを救いたい』という悲願すらも、見事に達成できたりしてね☆」


メリーさん太「……え、ちょっと待って? ソシャゲ版をやっている人も含めて、こんなことに言及した人なんて、一人もいなかったじゃないの? 元祖『ま○マギ』の魔法少女たちの『解放と救済』を成し遂げたなんて、嘘でしょう? どうして誰一人として、指摘しないのよ⁉」




ちょい悪令嬢「それはもちろん『マギア○コード』が、『ま○か☆マギカ』にとっては外伝でしかないので、特に『ま○マギ原理主義者』たちから軽く見られているからなのよ。外伝のま○かちゃんやほ○らちゃんがどうなろうが、所詮は『番外編』に過ぎず、本筋には関係無いとね。──しかし実は、むしろ外伝だからこそ、ま○かちゃんやほ○らちゃんが、元祖『ま○か☆マギカ』の呪縛から『解放かつ救済』されて、真の意味で幸福になることができているのでございます!」




メリーさん太「──ッ。そ、それって、この【座談会】で、何度も何度も言ってきたやつじゃないの⁉」




ちょい悪令嬢「そうなのです。特に『ループ』や『死に戻り』作品において、真の意味で主人公たちを、解放し救済し幸せにするには、その作品の作者があらかじめ仕込んでおいた、筋書きシナリオから別のルートに脱出させればいいのよ。──例えば、『リゼ○』のIFストリーにおいて、ス○ル君がレ○ちゃんと『逃げ出す』ことによって、真に幸せになれたようにね!」




メリーさん太「──うおっ、これって『リゼ○』にも、当てはまるのかよ⁉」




ちょい悪令嬢「創作物であれば、アニメとかWeb小説とかを問わず、何にでも当てはまるのですよ。──そもそも、評論でもエッセイでも二次創作でも無い本作が、どうしてこれほどまでに熱く、『マギ○コ』アニメ版について語っているかと言うと、特にもはやワンパターンそのものの『悲劇のループ』作品において、主人公とかヒロインとかを真に『解放&救済』するには、当の作者自身がでっち上げた『筋書きシナリオルート』から、脱出させることこそが肝要なのであって、せっかく自分が考案したストーリーをぶち壊しにして、下手すると読者から『メタに逃げた』と非難されかねない選択を、できるか否かを問われることになるわけなのですよ」




メリーさん太「──いやいや、そんなことはできないだろ⁉ ループ物は今や『様式美』にまでなっているんだし、それを『メタ的ぶち壊し』にしてしまったりしたら、読者様から非難囂々となるのは、火を見るよりも明らかだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「しかし、『何度繰り返そうともけして救うことのできない相手のために、主人公がループ地獄に捕らえられてしまう』なんて、もはや食傷気味であり、極論すれば、単なる『作者による主人公いじめ』に過ぎず、そんなことでは『魔法少女の解放と救済』なんて、永遠に不可能だと思われますが?」


メリーさん太「──ちょっと待って、それって、まさか⁉」




ちょい悪令嬢「ええ、『ま○か☆マギカ』においては、いかにもま○かちゃんを救うために、ほ○らちゃんがループをし続けているように描かれていましたが、本当は『話は逆』で、そもそも『哀しきループ作品』を作成するために、どうしてもま○かちゃんが不幸になるように、『設定』されていただけなのですよ」




メリーさん太「──それこそ、身も蓋もない言い草だな、おい⁉」




ちょい悪令嬢「でも、間違ってはいないでしょう?」


メリーさん太「──うっ」


ちょい悪令嬢「確かにかなり『メタ』的ではありますが、何と言っても外伝である『マギ○コ』においては、元祖『ま○マギ』とはまったく別のシナリオルートを展開することによって、ま○かちゃんを『主人公では無くした』だけで、あっさりと『絶望のループ』からの『解放&救済』を実現したのですからね」


メリーさん太「……そ、そういえば、当の元祖『ま○マギ』テレビ版の終盤においても、真の『黒幕』のキュ○べえが、『ま○かちゃんがどんどんと「希望と絶望との感情エネルギー」を増大させていっているのは、ほ○らちゃんがループを何度も繰り返しているからなのだ』とか何とか、指摘していたよな」




ちょい悪令嬢「──そしてもちろん、この己自身の(主にループ系)作品における、『作品』自体と、『主人公(の解放と救済)』との、どちらを優先するのかと言う、『究極の選択』を突きつけられているのは、本作の作者も同様なのです。──なぜなら本作『わたくし、悪役令嬢ですの!』も、主人公であるわたくし自身の、己の『の巫女姫』としての宿命からの、『解放の物語』なのですからね」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「そもそもWeb小説における『悪役令嬢』作品なんて、基本的に悪役令嬢キャラが、『乙女ゲーム』のシナリオから脱出エスケープすることによってこそ、『解放&救済』されて、真の幸せをつかみ取っていくってのがデフォルトですし、今回述べたことなんて、Web小説界隈においては、文字通りに『今更』な話でしか無いのですよ」




メリーさん太「……うん、間違いなく今回に限って言えば、評論でもエッセイでも二次創作でも無く、まさしく『オリジナルWeb小説』にとって、最大級に重要なる討論内容だったわ」


ちょい悪令嬢「下手すると『マギ○コ』こそが、『ま○マギ』すら到達できなかった、魔法少女アニメの『新たなる地平線』を、切り拓いていくかも知れませんわね」


メリーさん太「確かに、元祖『ま○マギ』をしっかりと視聴することも、Web小説家を始めとする創作者にとっては、絶対に必要なことだけど、それと同時に『マギ○コ』等の『新しい作品』についても、ちゃんと目を配るべきってことか」




ちょい悪令嬢「そうなのです! 『たかが外伝作品』と舐めて『食わず嫌い』をするなんて、結局自分自身が損するだけですので、特にご自分で何らかの作品づくりをなさっている方は、今回本作の作者が僭越ながら示させていただいたように、『これまでに無いあなたならではの独特なる視点』で検証することも、是非とも必要かと思われますよ?」




メリーさん太「……まあ、これだけ大口を叩いたからには、本作『わたくし、悪役令嬢ですの!』のこれからの山場において、下手を打つことができなくなったわけだけど、本当に大丈夫なの?」




ちょい悪令嬢「そういうことも含めまして、そろそろ本編のほうを再開したいかと思っておりますので、読者の皆様におかれましては、引き続きご愛読のほど、よろしくお願いいたしますわ♡」




メリーさん太「──その前に、【沖縄戦終結記念特別編】のほうも、ちゃんと完結させろよな⁉」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る