第428話、わたくし、主人公だから幸せになれないのなら、主人公をやめますの。
「『ま○マギ』本編って、言わばほ○らちゃんが、何とかしてま○かちゃんを、不幸な運命から救おうとして、何度も何度も時間遡行を繰り返す、いわゆる『ループ』の物語じゃん?」
「──でも、そもそも『ループ』モノって、
「案の定ほ○らちゃんも結局は、毎回必ずま○かちゃんを失ってしまう、『バッドエンド』を繰り返すばかりだったし」
「その理由は前回述べたように、何度過去に戻ろうが、『その時点』からの未来には無限の可能性があり得るから、それ以前に得ていた知識なぞ、何の役にも立たないからなの」
「──よって、絶対に望みを叶えようと思えば、タイムトラベルやループでは無く、むしろ異世界へ転移や転生することによって、『
「そもそもが、いかにも胡散臭いエセ小動物系の自称宇宙生物と契約しただけで、魔法を使って魔女と戦い始めたり、どんな願いでも叶えられたりすることが、現実世界で実現するわけが無く、魔法少女になった時点で、(例えばQB等の宇宙人が創った?)別の世界に異世界転移させられたと考えるほうが、妥当なのではないかしら?」
「『ま○マギ』シリーズにてそれを最初にやったのが、実はすべての黒幕であるQBでは無く、最も常識人であると思われていたま○かちゃんその人で、何と『ま○マギ』の作品世界内においてはけして『魔女が発生しないようにする』と言った、主人公のくせに作品そのものを全否定するかのような、宇宙自体の大改変をやってのけてしまったの」
「これによって本編であるテレビ版のラストにおいては、魔法少女たちが絶望に囚われて魔女という『世界の敵』になってしまい、更にはその際放出される思春期の少女ならではの『感情エネルギー』を邪悪な宇宙生物から搾取されるという、『偽りの魔法少女システム』の
「そりゃあそうよね、彼女としてはま○かちゃんを救済できればそれでいいのであり、そのためだったら他のすべての魔法少女を絶望の淵に沈めようが、世界そのものを壊そうが、どうでも良かったのに、むしろ他の魔法少女や世界を救うために、ま○かちゃん一人が犠牲になってしまったようなもので、しかもある意味(本作でもお馴染みの、すべての世界の外側に存在している、本物の)『神様』にも等しい存在になった彼女とは、もはや一緒に暮らすことができず、それどころかほ○らちゃんを始めとして、親兄弟すらも含むすべての人々の、『記憶』からも消え去ってしまったわけなんだから」
「これぞまさに『本末転倒』と言うもので、こんなものはとても『ハッピーエンド』とは認めることができないほ○らちゃんが、あくまでも『自分にとっての理想の世界』として創り出したのが、実は他ならぬ劇場版新作である、『叛○』だったの」
「その
「……こうしてせっかく魔女になってまで創り上げた世界だったけど、これには重大な欠点があったの」
「それは何よりも、まさしくほ○らちゃんが『魔女』であることと、この世界があくまでも(彼女の内面に構築された)『偽りの世界』でしかないことだったのよ」
「最初のうちは、夢にまで見た『普通の魔法少女アニメ』を、愛するま○かちゃんを主人公にして、実現できたと言うことで、ご満悦だったけど、次第に『違和感』を覚え始めるの。この世界が『偽物』──すなわち、創造主である自分が、『本当に望んだ世界では無い』と言うことに」
「それと言うのも、そもそもこの世界がほ○らちゃんの『欲望』通りであるのは、文字通りに『欲望が具現化した、彼女自身の内面世界』だからであり、真の意味で(現実の世界において)ま○かちゃんを幸せにするどころか、実際に自分の許に取り戻したわけでも無いんだから」
「むしろ(己自身も忘れていた、本物の『悪魔』の)ほ○らちゃんは、あえてこの偽りの世界を創ることによって、QBやま○かちゃんの使者であるさ○かちゃんや、ひいては『全知全能の神様』であるま○かちゃんの目を欺きつつ、別にもう一つの世界を密かに創り出しつつ、機会を待ち続けていたの」
「──何よりも、己の最大の『欲望』を、叶えるために」
「それはもちろん、ま○かちゃんへの『愛』を、成就させることなのであり」
「『愛の成就』とは、言うまでも無く、ま○かちゃんを自分だけのものにすることなの」
「そのためには当然のごとく、ま○かちゃんを神様では無く、普通の女の子に戻さなければならなかった」
「まるで、これまでの『ま○か☆マギカ』そのものを全否定するような凶行だけど、果たしてそんなことなんて、本当に可能なのだろうか?」
「当然、ほ○らちゃん自身も、悩みに悩み続けたわ」
「悩んで」
「悩んで」
「悩んで」
「悩んで」
「悩んで」
「悩んで」
「悩んで」
「悩んで」
「悩んで」
「悩んで」
「──その果てに、導き出した、『答え』こそが」
「『鹿目ま○かが、
「それも、当然でしょう」
「鹿目ま○かが、『ま○か☆マギカ』という物語の中で、けして幸せになれなかったのは、彼女が主人公であったからなのだ」
「主人公だからこそ、無理やり魔法少女にならされそうになったり、ラスボスである『ワルプルギスの魔女』と戦わされたり、挙げ句の果てに最終回においては何と、神様なんかにされたりして、ほ○らちゃんと引き裂かれてしまったのだ」
「だったら、せっかくの神様同等の悪魔としての力を使って、ま○かちゃんが主人公では無い世界を創造して、更には自分自身もキーパーソンの『クーほ○』では無く、自他共に認める
「なぜなら、ほ○らちゃんにとっては、ま○かちゃんさえいれば、それでいいのだから」
「主人公で無くてもいい、魔法少女で無くてもいい、活躍なんてしなくてもいい」
「むしろ、『
「──まさしく、『マギア○コード』という外伝ゲームにおける、(女神なんかでは無い)『
「そう、ほ○らちゃんが悪魔の力を使って、ま○かちゃんとの愛のために創った真に理想的な世界こそが、本編に対する外伝に当たる、『マギア○コード』だったの」
ちょい悪令嬢「──というわけで、『ま○マギ』シリーズに対する『
メリーさん太「……今回なんて完全に、『エッセイ』か『評論』そのものだからな。本作がれっきとした『オリジナル小説』であることを示さないと、いい加減ヤバいんじゃないの?」
ちょい悪令嬢「そういうことも含めまして、次回でしっかりとリベンジいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします♡」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます