第403話、わたくし、Web小説こそ、非常事態に強いと思いますの♡

ちょい悪令嬢「──はい、こうして本作において【連載400回突破記念企画】をやっているうちに、とうとう東京を始めとする七都府県において、非常事態宣言が発令されてしまいました。そこで今回は、現在の世が世なら『戒厳令』が公布されかねない異常事態においては、本作を含むWeb小説こそが、この高度に発展したIT社会においては、言わば『家内工業的』シンプルさゆえに、むしろ最強のメディアであることについて、大々的に述べていきたいかと思います!」




メリーさん太「……いや、むちゃくちゃ大上段に構えてきたけど、そんなに大したものかしら、Web小説って。何か最近になって、それほどネット上を含む世間において、話題を呼んだ新作なんて、あったっけ?」


ちょい悪令嬢「うん? 個々のWeb小説自体はむしろ、いつも通りの『平常運転』ですけど?」


メリーさん太「だったらどこが、最強なのよ?」


ちょい悪令嬢「最強ということは、『他のいかなるメディアよりも強い』ということなのだから、『比較』をすればいいのですよ、比較を」


メリーさん太「他のメディアって、例えば?」


ちょい悪令嬢「例えばですねえ、今季の──つまりは、『2020年冬アニメ』の、特に終盤の各作品の状況をご覧になって、何か気がつきませんでしたか?」


メリーさん太「……う〜ん、やはり今期の覇権は、『マギ○コ』かなあ? それに比べて、『アズ○ン』は惜しかったわね」


ちょい悪令嬢「そういうことを、聞いているのでは………って、あれ? 『アズ○ン』って、『2019年の秋アニメ』じゃなかったっけ?」


メリーさん太「ほら、最終二話だけ、延長したじゃないの?」


ちょい悪令嬢「えー? それだけで、冬アニメ扱いされるわけ?」


メリーさん太「やはり作品的には、最終話までちゃんと吟味しないと、正しく評価を下せないでしょうが?」


ちょい悪令嬢「……まあ、そりゃあ、そうでしょうけど」


メリーさん太「そのため奇しくも、作者がイチオシの作品が、ほぼ同時期に揃って、最終話を迎えることになったってわけなのよ」


ちょい悪令嬢「作者イチオシ、ねえ……」


メリーさん太「おや、違うとでも?」


ちょい悪令嬢「確かに『アズ○ン』は、第一話に関しては、得るところの多い、革新的な大傑作とは思いますが、肝心の最終二話がねえ……」


メリーさん太「へえ? 何かご不満な点でも、お有りなの?」


ちょい悪令嬢「特に不満は無いんだけど、むしろその、『不満が無いところこそが、問題なのだ』といった感じなのよ」


メリーさん太「ほうほう」


ちょい悪令嬢「あまりにも予想通りの終わり方で、文字通りの『予定調和』以外の、何物でもなかったの」


メリーさん太「言うなれば、オーソドックス過ぎたと?」


ちょい悪令嬢「う〜ん、それなりに趣向もこらしていたし、作画的にも問題無いし、及第点はマークしていたんだけどねえ」


メリーさん太「それってやはり、三ヶ月も放送を延期したのが、マイナス評価に繋がったのでは?」


ちょい悪令嬢「ああ、まさにそんな感じね。『三ヶ月もあるんだから、よほど奇抜な展開を、とてつもない作画とアクションとで、見せて──否、「魅せて」くれるに違いない!』と、かなり過度に期待をつのらせていたために、それなりのシナリオと作画だったというのに、『肩すかし』を食らった感じと言うのが、正直なところじゃないかしら」


メリーさん太「そうなると、制作陣の『自業自得』って、わけか。──だったらいっそのこと、作品の既定路線をぶち壊すような、掟破りな終わり方をすれば良かったのでは?」


ちょい悪令嬢「例えば、『バッドエンド』とか、『俺たちの闘いはこれからだ!』とか?」


メリーさん太「あはははは、さすがにそれは無いかあ?」


ちょい悪令嬢「いやむしろ、大いにアリよ!」


メリーさん太「えっ、ちょ、ちょっと、何を言い出すのよ? それってアニメ制作者としては、絶対にやってはいけない、『禁じ手中の禁じ手』じゃないの⁉」


ちょい悪令嬢「そうとも言えないの、まさに『マギ○コ』最終話が、これだったのですもの」


メリーさん太「ええっ⁉」




ちょい悪令嬢「『マギ○コ』も『アズ○ン』同様に、アニメ開始以前から、盛大にアンチ勢に叩かれ続けて、なかなか正当な評価を受けられなかったのですが、『アズ○ン』とは違って脚本に関しては常に野心的であり、御本家である『まど○ギ』原理主義者に絶不評だった、ゲーム版『マギ○コ』のストーリーラインとキャラクター設定を、大胆にいじって、オリジナル展開に持って行っているうちに、第一話の円盤の売り上げも今季最高枚数をたたき出し、その余勢を駆っての最終話においては、ゲーム版においても話題騒然だった、魔法少女に関する『衝撃の事実の発覚』エピソードを、あえてバッドエンドにしつつ、『まど○ギ』以来の大人気キャラの『マ○さん』を、本作の作者大好きな『カッコいい悪役』に昇華させて、文字通り『神作画』によって視聴者を完全に魅了するとともに、『これってナ○ス第三帝国の、意志の勝利じゃん⁉』と言う他は無い、不気味で雰囲気たっぷりな、『魔法少女のためだけの帝国』を思わせるシーンを、最後の最後で登場させつつ、主人公を不幸のどん底に突き落とすところで幕にするという、誰もが唖然とした、これぞ最も理想的な『予想外のバッドエンドで、むしろわくわくするぜ! 当然二期はあるんだろうな⁉』と、SNS上でも大盛り上がりに盛り上がったところで、分割2クールの『セカンドシーズン』の予告ムービーが発表されるといった、心憎い演出。いやあ、どうよ? 作者の『マギ○コ推し』は、間違いなかったでしょう?」




メリーさん太「──わかった、わかったから、【座談会回】で、どれだけ長文を続けるつもりなのよ⁉ こんなものむしろ、単発の『エッセイ作品』でやるべきでしょうが? それにあんた、『アズ○ン推し』のほうは、盛大にコケてしまったじゃないの?」


ちょい悪令嬢「ところがどっこい、これこそ本作『わたくし、悪役令嬢ですの!』の作品全体の根幹に──ひいては、Web小説全体の『在り方』そのものに、密接に関わってくるのよ!」


メリーさん太「へ? 本作の、根幹、って……」




ちょい悪令嬢「つまりね、結局アニメでもWeb小説でも、最終評価的にプラスかマイナスかを問わず、『熱量』が無いと始まらないわけなのよ。『マギ○コ』は少なくとも最終話においては、燃え上がるような『熱』があったし、それに比べて『アズ○ン』の最終二話のほうは、ほとんど『温度』というものを感じられなかったのよ」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「『小説家になろう』サイト上で人気を博していた『なろう系』作品が、アニメになった途端、評価ダダ下がりとなってしまうのも、少なくともアニメ版においては、視聴者の皆さんが、『熱』を感じられなかったんじゃないかしら?」




メリーさん太「──あー、あー、そうそう、まさにそんな感じじゃん! そうか、そういうことか、納得した!」


ちょい悪令嬢「だから、作画面はもちろん、ストーリーすら破綻が目立つ作品であろうとも、妙な『熱量』がある作品て、意外と好評を博しているでしょう?」


メリーさん太「……ああ、『魔王様リト○イ』とか『慎○勇者』とか、それに当てはまるわね」


ちょい悪令嬢「もちろん、本作も最近では、『転生法』的番外編だとか、『新型ウィルス』関連シリーズだとかで、屁理屈ばっかりこねているじゃん。やっぱこれじゃ駄目だよね」


メリーさん太「うおっ、珍しい。あの『俺様作者』が、自己批判しやがった。確かにこれって、本作を始めとして、Web小説全体にとっても、非常に大事な話だわ」


ちょい悪令嬢「実はもっと大事な話があるんだけど、それは後回しにして、『アズ○ン』についてもまさに、『マギ○コ』の最終回みたいにすれば良かったのよ」


メリーさん太「え?『アズ○ン』を、『マギ○コ』みたいに、って……」




ちょい悪令嬢「『アズ○ン』が不評だった主な原因の一つに、ドイツ艦──いわゆる『鉄○』勢の出番がほとんど無かったという意見があるじゃん。そこで『マギ○コ』最終話そのままに、ドイツ本国に鉄○勢の軍艦擬人化少女たちが、それこそ文字通りに『意志の勝利』そのままにずらりと整列していて、壇上に本編においてまったくと言っていいほど出番のなかった『ビスマルク閣下』が登場して、『──諸君、我々は、セイ○ーンひいては、その背後で糸を引いている、人類に騙されていたのだ! 彼らは我々軍艦擬人化少女を、あたかも将棋やチェスの駒でもあるかのように、勝手に陣営を分けて、延々と戦わせ続けていたのだ! そしてその結果、体力的疲弊や精神的苦痛が限界に達して、我々にとっての魂そのものである「メンタルキ○ーブ」が黒く濁りきってしまい、何と我々は、これまで散々我々の最終的な敵だと教え込まれてきた、「海底の魔女」であるところのセイ○ーンになってしまうという、馬鹿げた「運命」を強いられていたのだ! 結局我々は、人間どもの「道具」として使い潰され、そのすべてを搾取されるばかりの「消耗品」でしかなかったのだ! 我々の「願い」や「想い」は、人間どもの暇つぶしの海戦ゲームとして、消費されるだけだったのだ! だけど、絶望するには及ばない! 我々「レッドアク○ズ」は、すべての「軍艦擬人化少女」を解放する手段を見つけたのだ! 諸君も我ら「アク○ズ」のもとに集い、「アク○ズの翼」となるのだ!』とか何と、檄を飛ばアジテーションしたりしてね♡」




メリーさん太「──『マギ○コ』最終回、そのものじゃん⁉」


ちょい悪令嬢「でも、ドイツ艦なら、いかにも言いそうなことだし、『アズ○ン』の設定的にも、別に間違ってはいないでしょう?」


メリーさん太「……ほんとだ、確かに、これが『アズ○ン』の本当の最終回だと言われても、全然違和感が無いわ」




ちょい悪令嬢「実はこれって、現在連載中の作者の別作品である、『なろうの女神が支配する』と、『ナデシコ転生!~軍艦擬人化美少女無双物語~』における、『裏設定』そのものでもあるの。つまり軍艦擬人化少女は、『沈没船の怨念』が具現化した存在である、『海底の魔女』こそが本来の姿であり、それに集合的無意識を介して『人間の少女としての自我』を付加インストールすることによって、人間がコントロールすることが可能となる、『兵器』に仕立て上げることを為し得ているっていう次第なのよ」




メリーさん太「エグっ、ほんとこの作者って、『某鬱系魔法少女アニメ』のメインシナリオライター並みに、エグいわよねえ⁉」


ちょい悪令嬢「まさにそれこそが、この作者の持ち味ですもの」


メリーさん太「……それで、結局Web小説こそが、現在のような非常事態において、最強のメディアであるというのは、どういうことなのよ?」


ちょい悪令嬢「まさに、今回のエピソードなんかが、その最たる具体例ですけど?」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「文字通りに、こうした【座談会】形式のアニメ評論なんかを、プロットも無しで、ちょちょいのちょいとでっち上げることだって、十分に可能だということよ!」




メリーさん太「──それって、別に誇るところじゃないだろうが⁉ むしろ、読んでくださっている皆様に対して、失礼まであるぞ!」


ちょい悪令嬢「果たして、そうかしら? あなた本当に、今期の冬アニメの緒作品を見ていて、何も感じなかったわけ?」


メリーさん太「何ですって?」


ちょい悪令嬢「明らかに『新型ウィルス騒動』の影響を受けて、作画がガタガタになったり、酷いのになるとまさしく『アズ○ン』みたいに、放送を延期したり途中で打ち切ったりする作品が、目につかなかった?」


メリーさん太「──っ」




ちょい悪令嬢「そうなの、今回の新型ウィルス問題は、オタクの皆様を主にターゲットにしている、各種創作物メディア分野においても、深刻な影響をもたらしているの。複雑な手間を必要とし、それこそ中国や韓国をも含む莫大なマンパワーの結集によって制作されている、アニメ作品は言うまでも無く、人や物資の移動が制限されている現状においては、実際に出版するまでに多数のプロセスを必要とする商業用の漫画や小説も、まったく安泰とは言えず、状況の悪化によっては、発行自体が途絶える怖れもあるわ。(とか何とか言っているうちに、昨日のニュースで、我が国で最も人気のある少年週刊誌の、突然の販売中止がアナウンスされたりして⁉)──しかしそんな中にあって、基本的に個人によって創作されており、ネット環境さえあれば世界中に発表することすら可能な、『Web小説』は、今回の新型ウィルスによる非常事態においても、ほとんど影響を受けること無く、作者の皆さんにやる気が有る限り、無数の読者の皆様を楽しませることができるとともに、この絶望的な状況下において、少なからず勇気づけることだって可能なの! ──そう、Web小説こそが、どのような悪条件下においても、他人様に娯楽を与えることが十分可能な、エンターテインメントにおける究極的な理想形態とも言えるのよ!」




メリーさん太「……た、確かにな。すげえ、Web小説、すげえ。実は『なろう系』って、このような災害時においても、人様の役に立つことのできる、優秀極まるメディアだったんだ⁉」




ちょい悪令嬢「まあそれも、ネット自体が万全の状態を維持できていて、それに何よりも、各創作サイトの運営様の、『小説発表の場を、いつでも誰にでも、提供し続けていこう!』という、不断のご努力があっての話だけどね。──というわけで、本作を発表させていただいている、『小説家になろう』並びに『カクヨム』の運営様に対しましては、心よりの感謝の念と、最大級の賛辞を、お贈りいたしたいかと存じます」




メリーさん太「……最後にちゃっかりと、運営様に媚びを売るのを忘れないところも、この作者ならではよねえ。まあ確かに、すべては運営様あっての話であり、各作家の皆様も、そのご努力に報いるためにも、現在非常に困難な状況におられる読者様方を勇気づけるためにも、一つでも多くの作品を作成なされることを、切に期待したいところよね」

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