第332話、【緊急特番】わたくし、ロック界のレジェンドの御快復を、心よりお祈りいたしておりますの。

ちょい悪令嬢「──はい、今回は予定を急遽変更して、【特別座談会】を行いたいかと思います」




メリーさん太「タイトルにあります通り、本作において前回まで特集を組んでいた、我が国を代表する少女漫画界のレジェンド女史同様に、今年生誕70周年を迎えられた、これまた我が国を代表するロック界のレジェンド氏が、昨日11月24日において、突如体調不良を訴えられて、当日の福岡マリンメッセでのコンサートを中止なされたことに関して、氏の長年の大ファンである本作の作者に成り代わって、あたしたちがいろいろと所感を述べて行こうと思います」




ちょい悪令嬢「……いやあ、それにしても、びっくりいたしましたねえ」


メリーさん太「ええ、作者が毎朝の日課として、氏のホームページを開いた途端、『コンサート中止』の一報が飛び込んできたものだから、思わず我が目を疑ったそうですよ?」


ちょい悪令嬢「何せ、レジェンド氏はこれまでの、優に半世紀近くのロック人生の中で、原則的に本人のご病気等でコンサートを中止したことは、一度も無かったそうですしね」


メリーさん太「40度近くの高熱があった際にも、医者を脅してお尻にぶっとい注射を打たせて、何食わぬ顔をしてコンサートを強行したのは、有名な話なの」


ちょい悪令嬢「それが自らコンサートの中止を決定されるとは、よほどのことだったのでしょうねえ……」


メリーさん太「何と言っても、今年で70歳であられるわけですしねえ」


ちょい悪令嬢「しかも今年は7年ぶりにニューアルバムをリリースしたこともあって、そのプロモーションを始めとして、各種の企画コンサートや展覧会の開催等々と、精力的に活動されていたことですし」


メリーさん太「とんだ、70歳がいたものなの。とても『後期高齢者』とは、思えないの」


ちょい悪令嬢「最近の高齢者が、昔よりも何かと若々しいために、政府のほうでも『高齢者』の枠組みを、見直す動きもあるそうですけどね」


メリーさん太「何せ、前回まで特集を組んでいた、少女漫画界のレジェンド女史におかれても、同じ70歳というのに、かの超名作である『ポーの○族』の新作を発表されて、ファンはおろか、出版界全体の度肝を抜いたほどですし」


ちょい悪令嬢「それですっかり、安心してしまっていたんですよねえ……『エーちゃん』や『モト様』は、まだまだずっとお元気であられるはずだって」


メリーさん太「確かに、彼ら彼女ら『ビートルズ世代』こそ、我が国の創作界における改革者であり、その輝きが失われることは、未来永劫けして無いの」


ちょい悪令嬢「でも、実はそれこそが、我々ファンとしての、『甘え』だったかもねえ……」


メリーさん太「それは言えるの、ファンは『与えられて当たり前』と思いがちだけど、どんな名曲や名作であろうとも、自分と同じ人間が創っていることを、けして忘れてはならないの」


ちょい悪令嬢「そうですよねえ、過大な期待をかけられたために、あたら才能に恵まれた創作者たちが、プレッシャーに耐えきれずに、一体何人消え去って行ったものか」


メリーさん太「本当にその人のファンであるのならば、自分のエゴばかり押しつけずに、ファンだからこそ、『作り手を守ろう』とする意思も、絶対に必要なの」


ちょい悪令嬢「……そうは言っても、そこまで作品や作者自身に、思い入れを持っている人って、いないんじゃないですか? どんな名曲や名作であろうと、ほとんどの受け手にとっては、単なる『消耗品』に過ぎず、むしろ創作者側はそれを覚悟しながら、それでもなお、みんなに永遠に愛される作品を創っていく、努力をすべきなのでは?」




メリーさん太「──何を他人事みたいに言っているの? これはたとえ素人であろうとも、れっきとした創作者の端くれである、Web小説家や、その受け手である読者様においても、まったく同じことが言えるのよ!」




ちょい悪令嬢「──‼」




メリーさん太「ロック界のレジェンド氏の、最近最も注目を集めた話題と言えば、例のSNSにおける炎上事件だけど、これってWeb小説関係者にとっては、けして他人事じゃ無いでしょうが?」


ちょい悪令嬢「た、確かに……」




メリーさん太「SNSを全否定するつもりは無いけど、あまりにもひど過ぎると思うの。ネガティブなコメントのほとんどが、単に暇に飽かして張り付いているヒキオタニートどもが、すでに炎上している話題に食いついて、『叩いてOKな相手』に対してのみ、自分の最底辺な社会的地位の憂さ晴らしをするためだけに、罵詈雑言をまき散らしているだけじゃないの⁉」




ちょい悪令嬢「……そうですよね、コメントを一つ一つを吟味すれば歴然なことですが、本当は『現在話題なっている争点』については何も知らないくせに、『叩けるやつを叩けるだけ叩いてやろうぜ!』という、中身の無い低俗な中傷しか行っていませんよね」


メリーさん太「例えば、レジェンド氏の『約40年ぶりの日比谷野音無料コンサート』についても、あいにくの台風で中止してしまったゆえに、参加予定だったファンの皆様に、コンサート予定日当日、コンサート代わりのリハーサル風景の映像を、特別にWeb配信するという話だったのであり、別にファンの皆様は、台風が直撃する、台風が去ってから後日落ち着いて好きな日時に観賞できるわけであり、けして『ライフライン』(通常は電気ガス水道等の公共サービスを指し、WebやSNSは基本的に該当しない)に影響を与えたりする、非常識だったり不謹慎だったりするものでは、けして無かったの!」


ちょい悪令嬢「そうですよねえ、台風の夜だからこそ、家の中にこもって、ネットサーフィンやSNSチェックに没頭していた方も多かったかと思いますけど、『ライフライン』ならぬ(w)、ネット上のサーバが落ちたなんて話、聞いたことはありませんけどねえ」


メリーさん太「もう、馬鹿と礼儀知らずは、SNSを使わせないようにすべきなの!」




ちょい悪令嬢「特にレジェンド氏にとっての日比谷野音とは、ソロになって最初の記念すべき大舞台であっただけでは無く、自身も所属していた伝説のロックバンド『キャロル』の解散コンサート会場だったのであり、今では日本中でドームコンサートを当たり前のようにして開催されている氏と、長年のファンにとっては、非常に思い入れの深い特別な場所なのであって、だからこそ心ないメールに対して氏自身が過剰と思える激しい反応を示したのであって、そんなことも知らずに、『大人げない』とか『心が狭い』とかほざいていたネット民どもの『民度』の低さときたら、あきれて物が言えないほどですわwww」




メリーさん太「あれには、全国何十万人にものぼる、氏のファンたちも怒り心頭であり、何よりも氏は自分自身では無く、むしろファンの皆様の『日比谷野音への想い』を穢されたからこそ、ご自身のお立場を度外視して怒られたわけであり、そんなこともわからない外野どもが、勝手なことをほざくなってもんよ!(怒)」




ちょい悪令嬢「これはまさに、Web小説──特に『なろう系』と呼ばれる作品に対する、ネットやSNS上のアンチコメントも同様なのであって、普通ネット上でいがみ合っているのは、主にソシャゲ界におけるライバル作品の信者同士ばかりで、お互いにアンチ合戦をし続けて、あくまでも自業自得的潰し合いをやっているわけだけど、少なくとも『なろう系』の作品のファンの皆様は、他の小説やゲーム等に対して、自らアンチ活動をしていることなぞ『皆無』であると、断言できるでしょう」




メリーさん太「確かにそうよね。人気作品の感想欄に、あくまでも外部からアンチ勢が湧いてくるパターンは多いけど、特定の作品の信者が、別の作品に対してアンチ活動するなんて、少なくとも『小説家になろう』様等の大手サイトにおいては、ほとんど見受けられませんよね」


ちょい悪令嬢「いや、それが普通でしょう? 何でわざわざ他の作品にケンカを売って、要らぬ火種を起こす必要があるんですか? ある作品が好きだったら、その作品を褒め讃えていれば、それでいいではありませんか?」


メリーさん太「ねえ、それが『普通』ですよねえ? 今この文章のご覧になられている、Web上の悪しき風習に染まっていない純真なる『なろう系』読者の皆様にとっては、『一体何のこっちゃ』って感じでしょうねえw」


ちょい悪令嬢「読者の皆さん、驚かないでくださいね? 実はWeb上においては、特にソシャゲの信者同士で、結局自分自身を傷つけ続けるばかりの、アンチ的悪口雑言の報復合戦に明け暮れているのですよ? 一体何をやっているのでしょうねえw」


メリーさん太「普通そいつらは、『なろう系』小説なんかに興味を持たないから、ほとんど実害は無いんだけど、なぜだか『アニメ化』した途端、急にほとんど知りもしないWeb小説に対して、盛大なアンチ活動をやりはじめるんだからねえ」


ちょい悪令嬢「あいつらって、なぜだか、『アニメ化された作品は、叩いてもOK』という、謎の理論に支配されているのよねえ」


メリーさん太「つまり、あいつらときたら、原作の『なろう系』Web小説を、まったく読んでないくせに、平気でアンチコメントをまき散らしているわけなのよ」


ちょい悪令嬢「そこら辺については、実際にコメントを読めば、一目瞭然ですものね」


メリーさん太「つうか、自分で告白しているやつも、少なくないしw」




ちょい悪令嬢「……ほんと、最近アニメ化を果たされたWeb作家の皆様、災難でございましたわねえ。心から同情いたしますわ。──でも、元からの愛読者の皆様は、変わらず作者様の味方であられるはずです! 心ない誹謗中傷なぞには負けずに、これからも頑張ってください! 微力ながらわたくしたちも、応援しておりますから!」




メリーさん太「あいつらのアンチコメントなんて、ほぼすべてが単なる『見当違いのたわ言』だしね。『カクヨム』様の某『慎重な勇者』の作品のアニメ版なんて、最初は『まがいなりにも神様であるキャラを、勇者とはいえ単なる人間風情が、サンドバッグ扱いにするのはけしからん』とクレームつけていた癖に、主人公の壮絶なる過去が明るみになって、彼のこれまでの奇異と思われていた言動に、ちゃんと理由があったことを知るや、ぐうの音も出なくなってしまったことには、お笑いぐさだったわよねえw」



ちょい悪令嬢「『神様』というものを、一度でもWeb作品の中に登場させた途端、単なる『小説の登場人物』に成り果てて、威厳も風格も無くなってしまうんだと、前に本作においてもちゃんと述べているんだけどなあ」


メリーさん太「したり顔でWeb小説のことをつもりなら、せめて『小説のイロハ』くらいは、わきまえておくべきじゃないのお〜w」


ちょい悪令嬢「結局、原作もろくに読んでいなくて、しかもアニメ版の真のテーマも理解できないくせに、的外れなことばかり言うんじゃないってえのよ⁉ 作品が商業誌化されて、それなりに売れて、アニメ化された作品には、そうなるだけの理由がちゃんとあるのは、当然のことでしょうが?」


メリーさん太「自分の人生が底辺な者に限って、人の成功を何としても貶めようとするからねえw」




ちょい悪令嬢「これについては、ロック界のレジェンド氏に対する、最近のアンチ勢もまったく同様で、本作の作者のような長年のファンであれば、氏が野音や今回の福岡公演を始めとする、コンサート興行にどれ程熱意を注いでいるかわかっているのであって、民度の低い無数のアンチコメントが、どんなに的外れなものばかりであるか、あきれ果てるほど承知させられているわけなのよ」




メリーさん太「もうほんと、アンチの皆さん、『知らない』のなら、余計な口は出さないでくださいよ、お願いいたしますから!」


ちょい悪令嬢「『なろう系』作品についても、同じですよねえ。『知っている者』からすれば、どんな『間抜けな発言』をしているかが、わからないんでしょうねえ……」


メリーさん太「まあ、馬鹿に何を言っても無駄でしょうが、一度でもレジェンド氏のライブビデオを見てご覧なさいよ? とても70歳とは思えないほどの大迫力に、ぶっ飛ばされるから」


ちょい悪令嬢「無理無理、あいつらって、どんな物事に対しても、『熱くなる心』というものを失ってしまっているからこそ、現在こうして『民度の低いネット民』に成り下がっているのだから」


メリーさん太「『成り下がり』って、ああ、だからこそ、『成り上がり』の代表格であるレジェンド氏のことが、憎くて憎くて仕方が無いわけねw」


ちょい悪令嬢「あいつらにとっては、自分ができなかったことをやり遂げた『成功者』ほど、妬ましいものは無いでしょうからねえ」


メリーさん太「そのためにレジェンド氏が、これまでどれ程の苦労をしてきたかを、理解しようとはしないくせにねえ……」




ちょい悪令嬢「とにかく、少なくとも我々のように、Web小説という創作活動に関わり合いを持つ身であれば、他人様の作品に対しては、なるべく『前向きな感想』を述べるか、さもなくばあくまでも内容が正当である『批判』レベルにとどめておいて、けして否定アンチ的な誹謗中傷なぞしないよう、心掛けていきたいものですね」




メリーさん太「──最後に改めて、レジェンド氏の一日も早いご快復をお祈りいたすことにより、今回の【特別座談会】を締めさせていただこうかと思います」

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