第252話、【連載250話突破記念】わたくし、すべては夏の暑さが悪いと思いますの。(中編)
「……おまえたち、どうして、ここに」
私は、自分自身がリーダーをしている『魔法令嬢、ちょい悪シスターズ』のメンバーたちが、地図にも載っておらず完全なる治外法権下にある、この
……するとなぜか、いかにもあきれ顔で、次々と答えを返してくる、同級生たち。
「いや、リーダーはんってば、あからさまに、挙動不審やったし……」
「どんなに
「……ていうか、『「ザラマンダー幼女団」の訓練は、リーダーであるこの私の責務である!』とか言って、私たち
「しかも、その移動手段が、真っ白なハイ○ースだなんて、もはや『犯罪臭』しかしないではありませんか?」
……まったくの、正論であった。正直、ぐうの音を出やしなかった。
「──だ、だったら、どうしてそのハイ○ースに、おまえたちが追いつくことができたんだ? しかも何度も言うように、ここは地図にも載っていない、『秘匿都市』なんだぞ?」
「いやだって、私たち、ジェット機パイロットだし」
「He162やったら、ハイ○ースに追いつくぐらい、アッという間や」
「とはいえ、
「ただし、ザラマンダーたちの白スク水には、超小型かつ超高性能の発信器が仕込まれているから、後は徒歩でここへとたどり着いたというわけですわ」
「──いや、おまえら、簡単に言うけど、確かに夢の世界の中では魔法令嬢ではあるものの、この現実世界においては単なる
「……おいおい、仮にも『魔法令嬢、ちょい悪シスターズ』のリーダーが、何を今更なことを言うておるんや?」
「確かに超常の力を発揮できるのは夢の中だけだけど、
「実はザラマンダーの発信器にも、それぞれの
「……というか、これらのことについては、リーダーであるあなただったら、当然ご承知のことではありませんの?」
──しまった、そういえば、そうだった!
「……ヨウコちゃん、あなた」
いかん、
「だ、大丈夫です、まだ私たちは負けていません! 先ほども申しましたが、我々魔法令嬢は現実世界においては、単なる無力な
「……いや、撃退とか無力化って、私は構わないんだけど、あなたはいいの? 仮にも、この子たちのリーダーなんでしょう?」
「今の私は魔法令嬢やワルキューレである前に、一個の『おねロリ信者』であります!」
「……うわあ、ヨウコちゃんたら、ついに断言しちゃったよ」
「そこまで完全に、魅入られていたとは」
「もはや処置無しやな」
「早く目を覚まさせて差し上げなくては!」
「……うん? みんな、一体何を言っているんだ? 魅入られているとか、目を覚まさせるとか」
「リーダーはん、さっきうちらのこと、ただの
「何もって、いつものバトルコスチューム…………って、何だと⁉」
「ようやく、気づいたみたいねえ」
「何で、夢の世界でも無いのに、おまえらが揃いも揃って、バトルコスチュームを装着しているんだ⁉」
「それは当然、ここが『普通の世界』では
「な、何?」
「……あなたねえ、KADOWAKA市だか何だか知りませんが、本当に現実世界において、幼女を誘拐しても何の罪にも問われない、一部の歪んだ嗜好の変質者にとっての
何、だと?
「いやでも、事実こうしてちゃんと、この都市は、実在しているではないか⁉」
「──実在なんか、していないよ」
唐突にすぐ真正面から突き付けられる、氷のごとく冷たい声音。
何とそれは間違いなく、我々メンバーにとっての
「まだわからないの、ヨウコちゃん。そもそも私たちがこうして魔法令嬢となれる空間が、ごく普通の現実的空間であるはずが無いでしょうが」
「……おいおい、まさかおまえは、ここが夢の世界の中だとでも言うつもりなのか? ──いや、そうか! 夢同様のもう一つの非現実的空間、『悪役令嬢の結界』か⁉」
──となると、つまりは。
ようやく『真実』に気づいた私は、慌てて『共犯者』である女性のほうへと振り向いた。
そう、考えてみれば、その素性をまったく知らない、ほぼ初対面に等しい少女のほうを。
「……
「あら、まだわからない? 『悪役令嬢の結界』を構築できる存在なんて、この世にただ一つしかいないでしょう?」
「……悪役、令嬢」
「──その通り、私こそは『おねロリ』の守護者たる、
「……え、これって、【連載250回突破記念】の番外編とか、作者が暑気あたりのために書き殴った手抜きとかではなく、むしろレギュラーである『魔法令嬢VS悪役令嬢』モノだったの⁉」
「ていうか、何だよ、『クジラップス』とか『おねロリ』って」
「そういや、御本家の『クジラッ○ス』先生って、『おねショタ』方面に進出なされたそうやで?」
「……『鬼畜○リ』の大家が、もったいない」
「いえいえ、『おねショタ』ジャンルを盛り上げる意味からも、むしろ大歓迎ですわ♡」
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