第219話、わたくし、百合路線の乙女ゲーム転生作品は、ヤンデレ成分が足りないと思いますの。(改8)

 だってさあ、普通に言うじゃん、「あの人のことを、食べちゃいたいほど、愛してる♡」とか何とかさあ。




 ──簡単に言っちゃうとねえ、私って使い魔として復活するに当たって、改造されているわけなんですよ、お姉様の魔法令嬢としての魔導力のみを、生存するための唯一のエネルギーとするようにね♡




 つまり、現在の私って、お姉様を自分のものにできないと、生きていけないわけなんですよ、お姉様をエロエロ──もとい、いろいろなテクニックでオトしていくのはね、もはや『正当防衛』(?)みたいなものでしてねえ。


 ……いやあ困った困った、本当はそんなことなんか、したくはないのですよ? 私だってまだ花も恥じらうJSなんだから、超絶フィンガーテクニックで、一つ年上の美人のお姉さんを昇天させて、もはや私無しでは生きてはいけなくなるようになんて、させたくはないのですよ?


 でもねえ、こちらとしては、生死がかかっていますからねえ、致し方ないのですよ。




 つまり、この『お姉様のことを食べたい♡』という設定は、私のようなJSキャラが、重度の『百合百合ヤンデレ』行動をとるのを、正当化することができるわけなのです!


 ……ていうか、さっきも言ったけど、『ブースト』? そう、これまでに無いJSによる『下克上的百合ヤンデレ攻め』を、更に過激にできるブーストのようなものなのです!




 まあ言ってみれば、某SFヤンデレハーレムラブコメ作品の、『なろうの女神が支配する〜おまえが(私の)パパになるんだよ⁉』みたいに、ハーレム構成員のヒロインたちが、主人公を是が非でも自分のものにするために、あえて未来から『将来の自分の娘』の精神体だけを、自分の身に憑依タイムトラベルさせて、身も心も主人公の娘になり切ることによって、「本来なら自分たちは、主人公の正妻メインヒロインになれなくても別に死にはしないが、それに対して『未来の娘』のほうは、自分の母親が主人公の正妻メインヒロインになれないと、未来において存在し得なくなってしまうので、まさしく己の生死を賭けて、母親の身を借りてガチで父親をオトそうとすることになり、それは当然どんな手を使ってでも主人公を篭絡しようとするだろうし、邪魔になる他のハーレム構成員のメス豚どもなんか、物理的に排除するのも辞さないであろう」といった、まさしく文字通りの『ヤンデレ無双』と相成るわけなのですよ!




 そう、単なる『恋愛ゲーム』なんて、甘い甘い!


 やはり、相手オトコを本気で獲得するためには、自分自身の生死を賭けての、『バトルロイヤル』を行うべきなのだ!




 そういう意味で、『食欲』でもってお姉様を得ようとしている私は、真の恋愛の求道者たる『ヤンデレ』として、非常に正しい存在なのである!




 ……ああ、早く、お姉様を私だけのものにして、お姉様のすべてを食べ尽くしたい。




 お姉様のぐし


 お姉様のお顔。


 お姉様のおてて。


 お姉様のお足。


 お姉様の太もも。


 お姉様のお尻。


 お姉様の鎖骨。


 お姉様のお胸。


 お姉様のお腹。


 そして、お姉様の×××。


 お姉様の汗。


 お姉様の涙。


 お姉様の唾液。


 お姉様の血液。


 そして、お姉様の雫(意味深)。




 そのすべてを、ペロペロして、カミカミして、モグモグして、しゃぶりつくし千切りつくし食べ尽くしたい!




 ……もちろん、使い魔としては実際には、あくまでもお嬢様の『魔導力』を摂取するだけであって、肉体そのものをいただくわけでは無い。


 ただし魔導力とは、魔法令嬢にとっての『生命の源』のようなものであり、まさしく私は、お姉様の命の一部を分けていただいているも同然なのであって、




 私の最大の願いである、「身も心もお姉様と一つになりたい♡」を、実質上叶えているとも言えるのだ!




 ……そうなのである、相手を食べて、己の肉体に取り込み、一体化すること、これこそが究極の愛なのだ! 実は食欲とは、ヤンデレ的にも、至高の『愛の形』なのである!




 特に不死身の『人魚姫セイレーン』として甦った私は、たとえお姉様が寿命その他で身罷られた後も、すでに己の血肉となったお姉様と共に、永遠に生きることができるのだ!




 ……ああ、お姉様を食べたい。


 お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。


 お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。


 お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。


 お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。


 お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。お姉様を食べたい。




 ──そして、身も心も、一つになりたい♡





















「……ひいいいいいいいっ、完全に狂っていますわ⁉」


「我ら教団も、またとんでもない『怪物』を、生み出してしまったようね」


「そんな他人事みたいに言っていないで、どうにかしてくださいまし、ミサト先生!」


「いくら重度のヤンデレであろうが、お相手のほうが大きな心で受け容れさえすれば、万事『めでたしめでたしハッピーエンド』になるんじゃないの?」


「あれはもはや、ヤンデレなんて言う、生やさしいものでは、無いでしょうが⁉」


「『愛しているからこそ、あの人のすべてを喰らい尽くして、身も心も一つになりたいの♡』と言うことで、ヤンデレやクーデレならぬ、『ウデレ』とか?」


「──やかましいわ!」

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