第27話、わたくし、『ちょい悪令嬢』になりましたの。【悪役令嬢バトルロイヤル編反省会】(その2)
紅い睡精「『転生者と
ちょい悪令嬢「は? それは、どういう……」
紅い睡精「それほど『
ちょい悪令嬢「──っ」
紅い睡精「ま、そういうわけで、今回は『
かませ犬「──あの、いいか?」
紅い睡精「何? 『かませ犬』君」
かませ犬「………………」
紅い睡精「あら、どうしたの? 『かませ犬』君。何か質問じゃなかったの? 『かませ犬』君」
かませ犬「あ、あの、初対面でいきなり、『かませ犬』『かませ犬』言わないでくれますか⁉」
紅い睡精「でも、あなたの
かませ犬「……ぐっ」
ちょい悪令嬢「そうですわ、『かませ犬』さん」
メイ道「何が不満なのです、『かませ犬』さん?」
真王子様「別に似合っているじゃないか、『かませ犬』?」
ジミー「むしろあんたには、もったいないほどなのでは、『かませ犬』?」
妹プリンセス「…………う〜ん、
かませ犬「──おまえら、いい加減にしやがれ! もはや『かませ犬』が、ゲシュタルト崩壊しそうだよ! つうか、三王女いたのかよ⁉ あと『妹プリンセス』! どさくさに紛れて、俺に『カマ王子』を定着させようとするんじゃない!」
妹プリンセス「チッ」
紅い睡精「…………ええと、なんか、申し訳ない。ちょっとした悪ふざけのつもりだったんだけど、まさか、これまでの反響があるなんて。いやあ、愛されているねえ」
かませ犬「あんたはあんたで、何綺麗にまとめようとしているんだよ⁉ こんな愛され方、嬉しくもないよ!」
紅い睡精「だから、ごめんってば。──それで、一体、何が聞きたいわけ?」
かませ犬「……くっ、まだ文句は言い足りないが、これ以上この話題を引っ張っても、俺が不幸になるだけだよな」
紅い睡精「そうそう、さっさと解説コーナーを、スタートさせちゃおうよ♡」
かませ犬「いや、あくまでも素人意見かも知れないが、俺の拙い『ゲンダイニッポン』のWeb小説知識においても、『
紅い睡精「──おおー、すごいじゃない、『かませ犬』君、いい質問よ!」
かませ犬「え、そ、そうかい?」(照れっ)
紅い睡精「これには大きく二つの理由があるんだけど、それぞれが『異世界転生』そのものの仕組みと、これまた前回話題に上がった『作者』としての力の仕組みの、基本原理に繋がってくるから、まさしく話の導入部としては理想的と言わざるを得ないわね!」
真王子様「やったじゃないか、『かませ犬』!」
ジミー「たいしたもんじゃん、『かませ犬』!」
妹プリンセス「……まあ、誰でも考えつく疑問とも、言えますけどね、『かませ犬』?」
かませ犬「──もうおまえら、そのパターンはやめろよ⁉」
紅い睡精「……話を続けても、いいかな?」
かませ犬「──あ、はい。どうぞ」
紅い睡精「まず第一の理由なんだけど、今回の騒動における『
かませ犬「へ? オリジナルとは違うってことは、つまり、今回の騒動のは、厳密な意味では『
紅い睡精「それがそうとも言えないのよ。すでにいろんなところで指摘されているけど、オリジナル作品における『
かませ犬「ああ、確かに。あれってただ死人が生き返るだけでなく、
紅い睡精「とは言っても、『ループ』なんて完全に非現実的でしょう? だからけして魔法だけでなく、『ゲンダイニッポン』の物理法則もしっかりと反映されている、この『
かませ犬「まあそりゃ、元々他人様のアイディアをそのまま借用するわけにはいかないんだから、オリジナルの『
紅い睡精「ただね、オリジナルの『ループ』もどきの方も、実は何とこれまた今回の騒動の懸案事項の一つである、『「作者」というチートとは一体何ぞや?』の根本原理にかかわってくるので、これについても
かませ犬「──とすると、もう一つの理由のほうが、いよいよチート中のチートとも思える『
紅い睡精「ええ──というか、レアなんかではないのは当然で、実はそもそも異世界転生そのものが、『
かませ犬「は? ……………………って、何だと⁉」
紅い睡精「疑うんだったら、Web小説なんかで一般的な、異世界転生物語の導入部でお馴染みの、現代日本から異世界へと転生する『プロセス』を、簡単でいいから、ここで実際に口に出して言ってご覧なさいよ」
かませ犬「ああ、いいけど。……ええと、まず現代日本で何らかの理由で
紅い睡精「ね、いったん死んでしまった者が、生き返ってくるんだから、まさに『
かませ犬「……本当だよ。オリジナル作品のほうが、『
紅い睡精「ちなみにループするごとに、『
かませ犬「あっ、本当だ! すごい、『
紅い睡精「ええ、特に今回の騒動において裏で糸を引いていたのは、まさしく『小説家になろう』や『カクヨム』等における、ありとあらゆるWeb小説に登場してくる、異世界関連の諸々を司っている『女神様』という概念の集合体である、『なろうの女神』なんだから、無数の『転生者』を無数に『
かませ犬「……はああ、大変勉強になりました。実は『
ちょい悪令嬢「ええ、私たちもまさしく、『蒙を啓かれた』心持ちでございます。是非この調子で、本題の『
紅い睡精「そうね、実は大体のところは、すでに本編であらかた述べているようだけど、今回の騒動はかなり特殊な事例なので、まず一般的なWeb小説における異世界転生について、量子論や集合的無意識論に則って、その真に科学的実現方法について述べ行くことにいたしましょう」
真王子様「うわっ」
ジミー「やっぱ、量子論と集合的無意識論とに則るんだ」
妹プリンセス「……苦手なのよねえ、その辺の難しい話って」
紅い睡精「うふふ、確かにお姫様方には苦行かも知れないけれど、例の『お役目』を遂行する上では、必須の知識なんだから、我慢してお聞きになってくださいな♡」
三王女「「「──うへえ」」」
かませ犬「……何だよ、お役目って?」
三王女「「「かませ犬には、関係ない」」」
かませ犬「おいっ、同じ兄弟なのに、おまえら俺に、冷たすぎないか⁉」
紅い睡精「王子様や王女様は、仲がよろしくて、うらやましいわ」
ちょい悪令嬢「……もう、『かませ犬いじり』は飽きましたから、ご解説のほう、よろしくお願いいたします」
かませ犬「一応はこの国の第一王子である人間が、飽きるほどいじられている事実のほうを、問題にしてくれよ⁉」
紅い睡精「では、まずは簡単に、一番重要な点について、述べておくことにするわ」
ちょい悪令嬢「……一番重要な点って、異世界転生のですか?」
紅い睡精「ええ、──実は、Web小説において極一般的な、異世界転生とは」
一同(紅い睡精以外)「「「異世界転生とは?」」」
紅い睡精「すでにお亡くなりになっている現代日本人の──つまりは、死者の『記憶や知識』を、生粋の異世界人の脳みそに刷り込むことによって、実現されているの」
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