書かずにはいられない原因

作者 @naka-motoo

あなたのワナビ心を映す鏡だ

  • ★★★ Excellent!!!

174話まで読んでレビューを書くか、書かないか、一晩考えてみたが、最後まで読まされたのだから書くことにした。

おもしろいエッセイではない。
読み応えのある文章でもない。

ただおもしろいというだけなら、
ただうまいというだけなら、
カクヨムには、ほかにもっと読むべき小説やエッセイがあるだろう。私は☆をつけるのはそうした理由からではない。

大変な熱量を抱えた言葉の集まりである。

作者の「苦しみ」や「憧れ」「欲望」といったものがあけすけな形で言葉に変わり、展開されている。読んでいていたたまれないほどに。

私も上に書いたような思いを込めて小説やエッセイを書くが、そこに並べた言葉は読者が飲み込みやすいよう砂糖やオブラートに包んで差し出している。このエッセイはそれが剥き出しだ。読んでいたたまれなくなるのはそのせいだ。

私の場合は、商業出版にのる作品を意識してしまうので、そういう書き方になるのだが、この作者さんはその点で振り切れている。人にこびない自分の作風をごまかそうとしていないのだ。こうした作品は商業出版にはのらない。

人は「抜身の刀」というものは欲しがらない。鞘のついた美しい刀を欲しがるものだ。このエッセイは抜身の刀だ。突きつけられた人は戦慄せずにはおれない。


このエッセイを読んで思う。出版されるような作品を読みたいなら金出して本を買え。ネットで読べきは出版されることがないだろうこうした作品だ――と。

そのもやもやがどこからくるのか、より深く自分を知るきっかけになるだろうから。

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