第77話 整理

翌日、中央にある区画を訪ねる。

宿のある区画からは近いのだが、すんなりと行けず、大きく南に回ってから、いくつもの門を潜って到着する。

入り口から中を見た印象としては、だだっぴろい。


住宅街がないのか、あるいは奥まったところにあるのか。入ってすぐに広場となっていて、奥の方には大きな建物がいくつか並び立っている。あれが大会の会場なのだろう。


広場には露店があるわけでもなく、あちこちに武器を持った傭兵風の人々がたむろしている。


とりあえず、入り口で暇そうにしている衛兵を捕まえて訊く。


「魔物狩りギルドの位置を教えてもらえないだろうか?」

「……奥に進んで、あちらの大きな建物の陰になっているあたりにある」


ぶっきらぼうに、しかし案外丁寧な説明をもらった。礼を言って道を進む。


「ここいらにいる人たちは、何が目的なのだろうな」

「先ほど、模擬戦をしている人たちもいました。鍛錬の場所なのでは?」

「これだけ広いと、戦いやすそうだからな」


東の入り口から入った場合、北東にある区画に行くよりはちょっと遠い。

ただ、行きかう人々が邪魔になったりしないから、狩った魔物を運ぶのは楽かもしれない。そんな理由で拠点にしているパーティが結構いるのかも。


「お、あれか」


しばらく歩いていつもの、剣とデフォルメされた魔物のマークを見つけて入る。

隣にデカい建物がある影響で、こじんまりとした印象だが、広さ的には十分ある。

入ると……受け付けは羽根の生えた初老の男性。外れか。前回がウサミミガールだっただけに、期待していたのだが。


「ご用件は?」

「こちらで闘技大会の受付もやっていると聞いた。話を聞きたいのだが良いか?」

「エントリーを希望される種目等はお決まりでしょうか?」

「いや、まだだが。何でもありの種目ならばまだ空いているかもしれないと聞いてな」

「ほう、自由型でございますか。かしこまりました、個室にご案内いたしますので、少しお待ちください」


ダンディーな喋り方をする羽根男が後ろに声を掛け、中年男性に案内されて個室へと向かった。

何もない会議室のようなところだ。

暇なのでサーシャの胸を揉んで待つ。


「……待たせたようだね」


入ってきたのはこれまた中年の鼻ヒゲを蓄えた男。もたもやハズレだ。

男は入った瞬間に、胸を揉むこちらの様子を見て固まったが、どうやらスルーすることに決めたようですぐに再起動した。


「それで、大会のエントリー希望かな?」

「まだエントリー可能な種目どれくらいあるだろうか?」

「だいたいはもう遅い。だが、自由型は今年も人が集まらなくてね。多少テストして、戦いになるようなら出られるだろうな」

「ほう」


いったん場所を移し、訓練場で力を見せる。

魔法と剣を使うことを説明し、実際にファイアボールとサンドウォールを作って見せた。

これといって反応はなかったが、サンドウォールはちょっと受けが良かった。


「運営からは、3人ほど集めてくれとギルドにも話がある。だから、問題がなければそこに君を含めることは可能だが……」

「なら、やろうかな」

「登録費が銀貨12枚かかるが、構わないかね?」

「む、そうか……」


一回戦で勝てれば回収できるって話だったか。それにしても銀貨で12枚は安くない。


「……まあ仕方ないか。ここで払えば良いのか?」

「そうだな」


しぶしぶ、銀貨12枚を取り出して払う。

つもりだったが、銀貨が足りないので金貨を崩す。

また金貨が0枚に戻ってしまった。


「で、手続きはどうすれば?」

「書類を持ってくるので、ここで記入していってくれ。文字は書けるか?」

「問題ない」

「よし、では下の者を寄こすから、後は流れで進めてくれ」


そう言ってヒゲの男は去っていった。下の者ということは、まあまあのお偉いさんだったのかもしれない。口調も偉い感じだったし。


またしばらく待って下っ端が持ってきた書類を順に埋める。

名前に種族、体重、ジョブ、経歴……

体重?

何の意味があるんだろうか。


「これ、書きたくないところは書かなくても良いのか?」

「名前や種族は必須です。他は任意だ……と思います。ただ、あまり情報がないと通らないことがあるかと思います」

「はぁ? 通らないって、その場合登録料は帰ってくるんだろうな?」

「あー、はい、たぶん」


何だその歯切れの悪さは。仕方ない、少しは情報開示するか。


ジョブは『魔法使い』、経歴は……傭兵、と。

こういうの、紹介されるときに「自称自営業」とか呼ばれるんだろうか。




ギルドで登録を済ませて、外に出る。

予定も済ませたし、ちょっとこの区画を探検でもするか。

サーシャと軽く相談し、昼飯が食えそうな店を探しながら、奥に歩くこととした。


少し奥まったところには石造りの建物が固まっており、狭い路地になっている。やはり奥が居住区になっているのだろう。

ただ、相変わらず出店や、店舗の看板のようなものは見られない。

食い物屋は見つからないかも。


「ご主人様……あれを見てください」


しばらくぶらぶらしているとサーシャがそう声を掛けてきた。示された方を見ると、他の建物と変わらない白い建物があるだけ。

……だが、入り口になんか見覚えのあるマークが掲げられている。


「魔法使いギルドか」

「そうだと思います。この街にもあったのですね」


ちょっと寄って見るか。



「……」


中に入るとがらんとした空室で、端にある小さなテーブルの前の椅子に人が座っていた。

手元の紙に何かを熱心に書き込んでいるようだ。


「失礼、ここは魔法使いギルドで間違いないか?」

「……ん? 君は誰かね」


顔を上げてこちらを見たのは、大きなトカゲ。いや、トカゲ顔の人種なのだろう。

青白い奇麗な色の外皮で、頭の周りにはゴツゴツとしたトゲのようなものがいくつも突き出している。


「あー、以前キュレス港のギルドで世話になってな。同じ紋章を見つけたから、気になって入ったのだが」

「ああ。他所のギルド員か。生憎、他所とは大した交流もないのでな」

「同じ紋章を使っているのに?」

「うむ、一応そういうことになっている。だが、運営はそれぞれ独立して行っている。活動内容や目的もギルドごとに異なる」

「じゃ、ここは何を目的としているんだ?」

「そうだな、実戦的な魔法使用の研究かな。ここは魔物狩りの聖地だ、研究内容も自ずと沿うものとなろう」

「ほーん……」

「それで、主らはどうしたいのだ? 入るのか?」

「ああ、うん……ちょっと興味はあるが。全くの別組織ってことは、登録料なんかも新たに払わなきゃいけないんだよな?」

「そうなるな。だが、見た所主らは流れ者の傭兵といったところか。傭兵ギルドか魔物狩りギルドに入っておれば、登録料は免除されるぞ」


ほう。おトクだ。あと払う必要があるのは月会費か?


「月会費はいくらだ?」

「月会費という形式は取っておらん。研究会や研修会に参加する都度に参加費を回収する形だ」

「へぇ」


運営が別だから、経営的なアレコレも異なるのか。


「研究会や研修会について詳しく聞いても?」

「ああ。研究会はテーマを決め、参加者がお互いに議論や試行錯誤を重ねる会だ。研修会は一定の知識や技量を持つ者が、希望者に教えを授ける会だ。こちらは教える側が金を貰うことになる」

「ほう……」

「それで、どうするかね?」

「入会を希望する。魔物狩りギルドに入っている証明は、ギルド証を見せれば?」

「ふむ、そうだな。少し待て、人を呼ぶ」


トカゲ顔の人は奥の扉を開いて入っていった。

しばらくして、今度は背の低い、頭からイヌミミが生えた女性が姿を現した。

久しぶりの当たり……!


「入会希望さん?」

「ああ、そうだ」

「ではこれに必要事項を書いて……こっちのカードに魔力を流してね」


入会の手続きは、港のギルドと同じっぽい。あっちにも魔力を流すシステムあったよな。


「はーい、登録できましたぁ。ここが集会場ってことになってるから、来たら適当に奥に上がっていいよ~」

「……マジか」


セキュリティ緩いな。大丈夫なのか?


「研究会とか研修会はどうやって参加するんだ?」

「ああ、奥の部屋に掲示板があって、そこで募集してるから、参加希望のところに名前を書けば良いよ。お金は当日に払えばいいから」

「ふむ……」

「あとは、実験室とか~、研究室とかは一応私が管理してるから、使いたかったら言ってね。だいたい銅貨10枚で1時間借りられるよ」


安いな。


「分かった」

「じゃあ、何か分からないことあったら聞いてね~」


イヌミミさんは手を振り振り去っていってしまった。

なんか、キュレス港のギルド以上に緩いギルドだな。あっちも同好会とか言われてたけど……。


とりあえず、研修会ってやつが気になるからチェックしてみよう。

勝手に入っていいらしいので奥へと進み、なんか長机を長方形に並べた会議室のような場所に入る。

手前の壁に掛けられたコルク素材のようなものに、針で掲示物が留め置かれている。


「えーと、研修、研修……」


雑多に張り付けられた紙片から情報を集めると、4つくらいの研修会のお報せを見つけることができた。……誰か整理しろよ、見にくいだろうが。

発見したのは……

「複合魔法(氷)研修会 イザベラ・S 参加費銀貨1枚 備考:結果を請け負うものではない」

「実戦的防御魔法の展開 シュリーザ 参加費未定」

「魔力増加訓練 定員埋まり次第開催(1名) 参加費銅貨10枚」

「参加者必見!!闘技大会魔法部門対策本部 チーム・ザッハ 参加費銀貨10枚」

の4つ。


闘技大会対策本部は面白そうだが、なんか金儲けの匂いがする。まあ出ないからいいけど。

他の3つはいずれも気になるっちゃ気になるが……特に魔力増加訓練。だが参加費が異常に低いのはなんだ?


「……あのー」


さっきのイヌミミさんを探してウロウロした挙句、奥のキッチンみたいなところで何かしているのを見つけたので声を掛ける。


「はいっ? あ、さっきの」

「ちょっと訊きたいことがあるんだけど……大丈夫?」

「うん、いいよー、どうしたの?」


イヌミミさんは何か作業をしたまま聞いてくれるようだ。


「あー、掲示板にあった、魔力増加訓練ってのが気になったんだけど。参加費が異常に低いのはなんで?」

「あー、あれね……ゲバスさんのやつでしょう。参加費は、本人の取り分が0でもギルドに払う分が1人銅貨10枚だからね。あれが最低料金ってわけです」

「本人の取り分が0? ……なんのためにやるんだ?」

「研究のためですよ。まあ、その、言ってしまえば協力者を募集してるわけです。わかる?」

「ああ……うん」


治験みたいなことか。なるほど。


「ゲバスさんはねぇ、魔力を伸ばす訓練についてずっと研究してるんだけど、なかなか成果が上がらないらしくてね。本当に成功すれば、いろんなところから引く手数多だと思うんだけど。こんなところで個人研究している次点でお察しって所です。もしヒマがあったら、付き合ってあげてね」


いや、流石にそこまでヒマではない。

となると、次に気になるのは氷魔法……かな。


「参加希望だけ出して、当日ドタキャンしたら怒られる?」

「定員がないものなら怒られないと思うけど~。本人の用意もあるし、出来ればちゃんと参加してあげてほしいなぁ~」


そうか。そうだよね。

とりあえず今日は退散しておくか。


「色々ありがとう、また今度来ることにするよ」

「はいはい、お待ちしてますよ~」


イヌミミさんに別れを告げて外に出る。

出口のある部屋では、まだトカゲ顔の人が何かを書いていた。


受付というわけでもなさそうだし……この人、何でここでやってるんだろうな?


あ、そうだ。


「なあ、この辺で、安くて美味い店を知らないか」

「……ん?」

「食い物屋を知っていないか? できれば安く美味い店」

「ああ……うーん、味は良く分からないが、総合教会近くの店は安いぞ」

「総合教会?」

「ここから西に……あー、出た通りを右に真っ直ぐ行けば、大きな教会がある。見れば分かる」

「そうか。ありがとう」



魔法使いギルドを出て総合教会方向へ。

……ここはサーシャペディアだな。


「……なあ、総合教会って教会と何が違う?」

「総合教会ですか。いくつもの神様を祀っている、大きな教会というイメージがありますが……」


正確な所は分からないようだ。

宗派の垣根を超えた大きな宗教施設ってところか?


「入るつもりもないし、細かいことはいいか。飯はあの、トカゲ顔の人が言っていたところで」

「はい。楽しみですね」


サーシャがいつものクール顔に薄い笑みを浮かべる。

トカゲ顔の人って、人間族と味覚違うんじゃないかな? という不安が過るが、その笑顔を見て口を噤んだ。食べてみねば分からぬ事、野暮は言うまい。



************************************



「……」

「……」

「キュー」


今日はもう起きていたらしく、顔を出していたドンさんが切なげに鳴く。

不味い。

いや、すんごく不味いというよりは味が足りないというか、ない。


「これ、なんだろな? 炊き込みご飯かと思ったんだが……」

「色を付けただけのお米のようですね。しかも、お米がパサパサしていて、甘みもありません」


外れであったか。


この世界は、独自の食文化が発展していて、決して地球に負けないだけの美味しいものとバラエティーがある。

俺もここまで、料理の不味さに耐えかねて「料理チートじゃぁ!」と考える余地がないくらい、この世界の料理も美味しく頂いてきた。


中には口に合わないものもあったが、知らない土地を渡り歩いているのならば普通のこと。

それぞれの土地で、それなりに美味しいと思える食事に出会えるのだから、十分幸運だと考えてきた。


ただ、この不味さはちょっと肯定できない。

それくらいの衝撃であった。


「たまにはこういうこともあるさ」

「はい……。こういったとき、何故美味しくないごはんでも腹が満ちてしまうのかと考えてしまいますね……贅沢な苦悩ですが」

「まあなあ」


食うや食わずで生活している皆さんも多いだろうに、十分な量を食えた者が味で文句をいうのは贅沢というものだろう。だが、それはそれ、これはこれだ!


「大会近くになっても、こっちの区画に拠点を構えるのは回避しよう」

「……そうですね」


北東の区画から、通えない程ではないし。

この区画の多くが広場になっているのはこのメシマズのせいじゃないだろうか?


「とにかく、今日はもうこれといった用事もない。宿に戻ろう」

「はい」



************************************



元の区画へと戻って屋台で口直しをし、宿へと戻った。


帰りに消耗品の買い出しもしたので、もう割と良い時間だ。

サーシャとイチャイチャした後、湯浴みをして床に入る。のんびりした一日であったな。



寝る前にシステムを立ち上げる。


***********人物データ**********

ヨーヨー(人間族)

ジョブ ☆干渉者(20↑)魔法使い(13)警戒士(8)

MP 41/41

・補正

攻撃 G+

防御 F-

俊敏 F-

持久 F-

魔法 E+

魔防 F+

・スキル

ステータス閲覧Ⅱ、ステータス操作、ジョブ追加Ⅱ、ステータス表示制限、スキル説明Ⅰ、獲得経験値増加(new)

火魔法、水魔法、土魔法、風魔法、魔弾、身体強化魔法

気配察知Ⅰ

・補足情報

隷属者:サーシャ

隷属獣:ドン

*************************


昼間一度確認したときに、『干渉者』のレベルが上がっていた。

レベルが節目の20ということで予想はしていたが、新スキルを会得できたようだ。

期待していた「ジョブ追加Ⅲ」ではなく、「獲得経験値増加」。

分かりやすいスキルが来た。


まあ、獲得する経験値が増加するのだろう。それ以外に解釈しようがない。


「ジョブ追加との相性も良いし、悪くないスキルであることは間違いないんだけど……」


ジョブ追加のように、劇的な効果があるわけではない。

ジョブ追加はⅡで打ち止めなのかな? レベル30でのスキル会得に期待である。



その後、ステータスを久しぶりにイジイジしていると、思わぬ発見があった。

現在、獲得しているジョブが……



旅人(3)

市民(1)

ごろつき(1)

サバイバー(4)

短剣使い(2)

魔法使い(13)

魔銃士(10)

槍使い(1)

学者(1)

剣士(11)

戦士(1)

翻訳家(1)

遊び人(1)

盾士(4)

警戒士(8)

暗殺者(1)

演技者(1)

詐欺師(1)

魔撃士(1)

土魔法使い(1)

大剣使い(1)

隠密(1)

愚者(1)


……と、まあ、こうなっているわけであるが。

順番が入れ替えられるのである。後、簡単なグループ分けができそう。


地味だ。


地味だが、戦闘時に咄嗟にジョブを入れ替えたいときのことを考えると、なかなか重要なことである。

そこで、入れ替えて整理してみた。


(非戦闘系)

旅人(3)

市民(1)

ごろつき(1)

学者(1)

翻訳家(1)

演技者(1)

詐欺師(1)


(戦闘系)

戦士(1)

短剣使い(2)

大剣使い(1)

槍使い(1)

盾士(4)

暗殺者(1)

隠密(1)

魔撃士(1)

土魔法使い(1)


(どっちか良く分からないやつ)

サバイバー(4)

愚者(1)

遊び人(1)


(現在頻繁に使用しているもの)

魔法使い(13)

魔銃士(10)

剣士(11)

警戒士(8)


上のまとまりから、「非戦闘系っぽいの」「戦闘系っぽいの」「どっちか良く分からんやつ」「現在頻繁に使用しているもの」……である。

これで、いちいち探さなくても付け替えることができる。

便利!

というか、何故今まで気付かなかった。

まあ、入れ替えようと思ったことが今までなかったからだろうけど。


こうして改めて並べてみると、『詐欺師』や『暗殺者』『愚者』に『遊び人』。どんな極悪人だという気がしてくる。

気のせいだが。

気のせいだぞ。


前から気になっているいくつかのジョブがあるわけだが。

「どっちか良く分からんやつ」カテゴリの3つはいずれもそれに該当している。

いずれも戦闘で伸びるわけではなさそうだし、こういう休みの日を利用して育成開始するのが良いのかもしれんな。

ラムザとの修業で新しく得た『隠密』もかなり心惹かれるものがあるね。

現在、前衛ジョブと後衛ジョブはそれぞれ『剣士』と『魔法使い』がある。索敵用スキルのための『警戒士』の育成も順調だ。

こうなると、次に欲しくなってくるのが索敵の逆、魔物から隠れるための隠密スキルではないだろうか。


これまで、テーバ地方では幾度も危険な魔物に遭遇してきた。

熱岩熊、キーゴ、草食恐竜みたいなやつ、人喰いガニの変異系であるフェレ―ゲン、そしてサザ山のドラゴン。

出会い方が悪ければ命を落としていたかもというシーンが何度もあった。そういったシーンで生存率を左右するのが、隠れるスキルだろう。

また、奇襲用としても使えるかもしれない。フェレ―ゲンの新型を相手にしたときに、相手を認識できないことの怖さはよく分かった。


あいつらに認識阻害系の能力がなければ、戦士団があれほど被害を出す結果には至っていなかっただろう。

それだけ、そういうスキルは結果を左右するものだ。


とは言っても、現状、狩りで索敵するとき『魔法使い』と『警戒士』は外したくない。

こういう安全な街中であるとか、索敵が必要ないようなシーンで少しずつ試していくしかないだろう。


今後のことを考えながら、ふと生じてきた眠気に身を任せる。

また明日。


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