第19話
うーん…恋だとわかると接しずらいな。
「優、翔也くん、着いたわよ!」
ふと、お母さんと声が聞こえた。どうやら着いたらしい。意外と早かったな…
私と翔ちゃんは車から降り、お母さんのあとをついて行こうとしたら翔ちゃん私の手を握ってきた。翔ちゃんはそのまま私の手を引いてお母さんの所に連れていかれた。
…さりげなく手を繋ぐとか、ずるいよねぇ。どういう顔すればいいか、分からなくなる。
お母さんのところへ行くと、玄関に見た事がない人がいた
「わぁ!この子が優ちゃん?写真で見た時より全然かわいー!」
おいでー、と言われたから近くに行ったらいきなり抱き上げられた。わわっ!びっくりしたァ…オカーさん、助けてくれ…
お母さんに両手を伸ばすとその人はあらら、と言いながらもお母さんに私を渡した。お母さんは私を下に下ろすと言った。
「もう結衣ったら、いきなり抱き上げたら否定されるのなんて当たり前でしょ!」
「あはは…ごめんってお姉ちゃん。」
……ん?お姉ちゃん?え、お母さんって妹いたの?あのお母さんが?あの私にも食べ物を譲らず、駄々をこねるお母さんが?お姉ちゃん?
うわぁお、こんなことってあるのね。
そんなこんなで結衣さん、お母さんの妹らしき人のお家の中へ翔ちゃんと潜入。中には私よりも年上ぐらいの男の子が二人。あとさっきの結衣さんと男の人が一人。一人の男の子が私と翔ちゃんの存在に気づき、声をかけてきた。
「ねぇねぇ、名前、なんて言うの?」
って言われた。だが、ここで人見知りスイッチ発動。私は翔ちゃんの後ろに隠れ、黙った。そんな様子を見ていた翔ちゃんは、私の代わりに紹介してくれた。
「こいつは、森川優って言うんだ!ちなみに俺は日向翔也!お前は?」
こーゆー時、何も言わずに紹介してくれる翔ちゃん。そして、聞いてきた子は、
「森川?!俺も森川!」
え、えぇ〜、同じ苗字?この子、従兄弟かなにか?
「フフッ三人ともビックリしてるわねぇ。えっとね優、この子は『森川葵』くん。あなたとはいとこなのよ。」
「「従兄弟?」」
私と翔ちゃんが同時に聞き返す。
「そう、従兄弟。優のお父さんのお兄ちゃんの子なのよ。」
わはははは、なーんだそういうことか。って!!お父さんが末っ子?何かあっても爽やかで笑って終わらすあの人が?
今日、大変なことになりそうかも…
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